【狡猾な本格派ミステリーが人気！】島田荘司作品のおすすめ15選！

クリスマスに起きた密室殺人の謎を解明する長編小説。完全に鍵をかけた部屋。誰も入れないはずの家で、少女の母親は殺されていました。そして頻発する怪現象。 若き日の御手洗潔が、その悲しい真実を解き明かします。

御手洗潔シリーズ第50作目『屋上』は、死ぬつもりがなくても必ず飛び降りてしまう屋上の謎に挑みます。幸福の絶頂にあった女性、「自殺しません」と宣言してから様子を見に行った男性など、自殺するつもりのない男女が、なぜか飛び降りてしまう屋上。御手洗シリーズの中でもコメディ色の強い作品です。

警視庁捜査一課の吉敷竹史シリーズ。消費税12円を請求されたことに腹を立てた老人が、殺人を起こしてしまいます。しかし犯人の老人は名前も名乗らず、ずっと黙秘を続けたまま――。この事件、何かがおかしい。老人の過去を調査するうちに、戦後の北海道で起きた未解決の列車爆発事故にたどり着きます。

「奇想」天外なトリックを使った社会派ミステリー。吉敷竹史シリーズの中でも高い人気を誇る作品です。

上下巻の長編推理小説。御手洗潔の友人で推理作家の石岡が活躍します。岡山の山奥にある、龍臥亭という奇妙な館を舞台に起こる連続殺人事件。そのおどろおどろしい雰囲気は、『八つ墓村』の横溝正史を思い起こさせます。上下巻の大作ですが、読めば読むほどのめり込んでしまう作品です。

御手洗潔シリーズの第八弾。『占星術殺人事件』を読んだ青年が残した「手記」に秘められた謎を解いていきます。「男女の死体を切断し、両性具有者となって蘇る」。残酷で醜悪な、青年の妄想としか思えない手記を読んだ御手洗は、現実に起きたと断定し、事件の謎を解明していきます。

シリーズの中でも人気の作品である『眩暈』。御手洗シリーズを読んだことがない方は、『占星術殺人事件』を読んでから手に取ることをおすすめします。

北海道の最北端にある宗谷岬に傾いたまま立っている西洋館「流水館」を舞台とした、密室殺人事件に名探偵・御手洗が挑む本格ミステリー作品となっています。

館の主人・浜本幸三郎が開いたクリスマスパーティーにて次々と起こる殺人事件を書いたこちらの作品は、島田荘司による驚天動地の大がかりなトリックと巧妙な伏線・御手洗のユーモアたっぷりのキャラクター性がつめ込まれており、壮大なスケールとボリュームが魅力的です。

口コミでは「トリックが解明した時は腰が抜けるかと思った」「あの本の読後の衝撃を超える作品には出会ったことがない」と、高い評価を得ています。推理小説愛好家はもちろん、島田荘司作品にはじめて触れるという人にもおすすめの作品の1つといえます。

嵐の夜、マンションの11階から姿を消した男が、13分後に電車に飛び込んで死亡した。

どの方法・手段を用いても辿りつくことができない距離にありながら、男の首には絞殺された痕まで見つかるという奇妙で不可解な事件を、おなじみの名探偵・御手洗が解き明かしていくミステリーサスペンス短編小説です。

多彩なトリックで彩られた4つの事件を収録したショートストーリーでありながら、変わり者の御手洗のキャラクター性やトリックの鮮やかさはもちろん、トリックが解明できた時の爽快感も味わえるのが魅力的です。

これまでの「御手洗シリーズ」を読んだことがない人にもおすすめできる1冊です。

箱根の富士屋ホテルに飾られた1枚の写真には、1919年に芦ノ湖で突如現れた帝政ロシアの軍艦が写っていた。四方を山に囲まれた場所であるにも関わらず、軍艦はまるで幽霊のように一夜にして姿を消した。

島田荘司作品のなかでも人気の高い「御手洗シリーズ」でおなじみの主人公・御手洗は、幽霊軍艦の謎を解き明かしていくなかで軍艦消失の裏に隠されたロマノフ王朝最後の皇女・アナシタシアと日本を巡る壮大な謎に迫ります。

ロシアと日本という2つの国を繋ぐ歴史スペクタクルという作風は、島田荘司ファンの間でも人気が高く、幾重にも張り巡らされた伏線の数々は何度も読み返したくなるほどのボリューム・ドラマ性があります。推理小説が好きな人はもちろん、歴史モノが好きな人にも大変おすすめできる1冊です。

さらし首の名所とされた暗闇坂にそびえ立つのは樹齢2000年の大楠は、普通では信じられないような怪事件が多数発生したことから「近寄る人間たちを狂わせる」とされていた。

島田荘司作品でおなじみの主人公・御手洗潔が大楠にまつわる恐ろしい事件の数々に挑戦していきますが、事件は御手洗を震えさせるほど凄惨に展開していきます。

横浜に実際に存在する「くらやみ坂」が舞台とされているこの作品は「御手洗シリーズ」のなかでも特に重厚な物語と、怪談のようなホラーかつショッキングな展開が人気が高く、推理小説が好きな人はだけでなく、島田荘司作品を初めて読むという人にもおすすめです。

ミステリー作家の石岡は、女子大生の里美に誘われて通い始めた英会話学校にて、老人・大田原と出会い親交を深める。しかし、クリスマス・イヴの晩餐会を最後に大田原は帰らぬ人となってしまいます。老人が言った「神を見た」という言葉とは何なのか、おなじみの探偵・御手洗が真相を見抜いていきます。

『龍臥亭事件』で出会った里美・石岡も登場するこちらの作品集は、まさに『龍臥亭事件』の番外編ともいえる短編ミステリーとなっており、悲しさ・楽しさ・愛情などの感情を1度に味わうことができます。

「御手洗シリーズ」のファンはもちろん「さくっと読める推理小説が良い」という人にもおすすめの1冊です。

昭和52年の夏、とある1人の女性が姿を消し、後に海岸で死体となって発見されるという奇妙な事件が起こります。孤独な少年・ヨウイチは、隣人で女性の知人でもある男性・真壁から「透明人間はこの世にいるよ」という話とともに、納屋にある機械で透明人間になる薬を作っていると告白されます。

混乱するヨウイチの疑念をそのままに、真壁は海外へと旅立ってしまいます。26年という歳月を経たヨウイチのもとに届いたのは、驚くべき真実が記された真壁の手紙だったのです。

どこか懐かしさを感じさせる本作の作風は高い人気を誇っており、「透明人間」と「密室」という2つのトリックには、島田荘司らしいユーモアとせつない雰囲気が色濃く表現されています。ヨウイチ少年と真壁の、寂しげでありながらもあたたかい人間関係は子どもから大人まで幅広い年代におすすめです。

英国に留学中の夏目漱石は、毎晩亡霊の声に悩まされていた。ある日思い余って、シャーロック・ホームズのもとを訪れた漱石だったが、ひょんなことからホームズが抱える"呪いをかけられた男が一晩でミイラになる"という奇妙な事件の解決に協力することになる。

多くの人に知られている文豪・夏目漱石と、推理小説を語るには必要不可欠ともいえる名探偵・ホームズによる夢の共演を実現させたこの作品は、夏目漱石の最後の下宿とシャーロック・ホームズの住居であるベイカー街が近いことから生まれた作品であるとされています。

各章は登場人物ごとの視点で書かれており、ユーモアたっぷりなキャラクター達や意表を突いたトリックの構成など、推理小説が好きな方はもちろん、ミステリー初心者でもとことん楽しめる内容となっています。

「自殺未遂をした母親の動機が知りたい」という青年の依頼を受けた御手洗は、事件の原因が悪徳業者から受けた巨額の借金であることにたどり着きます。手出しが難しく、行き詰っていた中、突然の火事により書類が全て焼失するという奇跡が起こります。

奇跡の裏側には、才能ある1人のスラッガーと平凡な二軍ピッチャーの友情が隠されていたのです。狡猾で猟奇的な作風が特徴的である島田荘司作品のなかでも「異色」と呼ばれた、2人の人物の絆が紡ぐ感動物語となっています。

島田荘司によって書かれる豊かな人物・心理描写と、フィクションならではの心地良い展開が幅広い年代に人気の作品であり、口コミでも「筆者自身の経験ではと思うほどリアル！」「最後にボロボロ泣いた」という感想が多く掲載されています。推理小説が苦手な人や一風変わった島田荘司作品を読みたいという人におすすめです。

新本格派ミステリームーブメントの立役者としても有名な島田荘司のデビュー作として知られているこちらの作品は「御手洗シリーズ」の第1弾にあたり、1981年の発表当時から変わらず愛され続けている人気ミステリー作品の1つです。

密室で殺された画家が遺した手記に書かれていたのは、6人の処女の肉体を用いて"完璧な女（＝アゾート）"を創り出す計画だった。画家の死後、行方不明であった6人の女性が身体の一部を切り取られた姿で発見されるという事件が起きます。

かなりの変わり者な占星術師・御手洗を中心とした多彩なキャラクターと、島田荘司ならではの猟奇的な事件と構成・秀逸なトリックが国内外の多くのミステリーファンを虜にし続けており、2014年1月にはイギリスの有力紙『ガーディアンズ』において「世界の密室ミステリーベスト10」の第2位に選ばれるほどの人気です。

記憶喪失の主人公「俺」は、高円寺にて石川良子という女性と出会い、ヒモである男から逃れる手助けをするために、元住吉駅近くのアパートにて2人で暮らしはじめます。平穏で幸福な日々を過ごしていましたが、引き出しの中から「益子秀司」という名が書かれた運転免許を見つけ出したことから、忘れていた過去の記憶をたどっていきます。

「俺」を中心にめまぐるしく展開していくストーリーに、生々しい人物描写・狡猾すぎるトリックは口コミでも高い評価を得ており「この作品ほど完全犯罪に届きそうだった事件はないと思う」「読み進めるほどに主人公に感情移入してしまう」と大絶賛する感想が多く掲載されています。

島田荘司作品のなかでも「傑作」と呼ばれた作品の1つであり、2012年には『週刊文春』において推理小説家や愛好家たち500名のアンケートにより選ばれた「東西ミステリーベスト100」の国内編にて56位に選出されています。