折原一の小説人気おすすめランキング｜複雑な叙述トリックの作品や新作・代表作も！

折原一は、1974年に早稲田大学第一文学部卒業後、JTBに入社し、1980年には月刊旅行誌「旅」の編集部に配属されました。そんな時代に書いていた「おせっかいな密室」がオール讀物推理小説新人賞の最終候補作となり頭角をあらわします。

JTBを退社した翌年の1988年に「おせっかいな密室」を含む短編集「五つの棺」が刊行されると、その後は、執筆する作品のほとんどに叙述トリックが使われるため「叙述トリックの名手」と呼ばれ、次々とヒットを飛ばします。

折原一の作品の叙述トリックが凄いのは、もちろん小説をよく読む方なら良くわかっていると思いますが、実はホラー要素であったり、サスペンス要素であったりする部分でもとても優れています。本記事では、折原一のおすすめランキングを紹介していきますので、ぜひご覧ください。

折原一の原点となる作品が収録されているのが「黒星警部シリーズ」です。オール讀物推理小説新人賞の最終候補作となった「おせっかいな密室」は、折原一のデビュー作である黒星警部シリーズの「五つの棺」に収録されています。

主人公である黒星警部は、とにかく密室が好きで、密室マニアであるが故に簡単な事件も「密室」と捉えてしまい、かえって事態をややこしくしてしまうのですが、そこが魅力でもあります。

叙述トリックだけではなく、密室トリックが好きな方にもおすすめできる黒星警部シリーズは、短編集のものも多いので気軽に読めるのもポイントです。折原一の小説を初めて読む方にもおすすめです。

折原一のシリーズの中でも特に高い人気を誇っているのが、倒錯のロンドなどで知られる「倒錯」三部作です。三作なので量こそそれほど多くありませんが、インパクトはとても強いです。別々に読んでも話が分からなくはないのですが、過去のシリーズに登場した人物が再登場しているので、順番に読んだ方がより楽しめます。

他のシリーズと比べても、結構ダークであり、ゾッとする場面も多いのですが、それがこの「倒錯」三部作のいいところでもあり、江戸川乱歩賞や日本推理作家協会賞（長編部門）候補になっている作品もあり読み応えがあります。

倒錯シリーズの順番は以下の通りです。

• 倒錯の死角
• 倒錯のロンド
• 倒錯の帰結

折原一の人気シリーズとして、教室シリーズがあります。「沈黙の教室」「暗闇の教室1 百物語の夜」「暗闇の教室2 悪夢、再び」の3作で、いずれも中学校の教室を舞台に繰り広げられる、傑作サスペンスです。「沈黙の教室」は日本推理作家協会賞長篇賞を受賞しています。

「沈黙の教室」は、悪魔のようなクラスと呼ばれる中学校で繰り広げられる恐怖の事件から、20年後に再び始まる事件へ連鎖する、時間を超えて織り込まれた謎と恐怖を楽しめる作品です。「暗闇の教室」は1と2でつながっており、ダムの底から現れた廃校を舞台に20年の時を超えたサスペンスが楽しめますよ。

折原一人気シリーズの最後は「〇〇者」シリーズです。1992年に出版された「毒殺者」からスタートして、2020年の「傍聴者」まで合計14作品が出版されています。1冊完結のものもあれば、中には物語が繋がっている場合もあるので、できれば毒殺者から発行順に読んでいくのをおすすめします。

「〇〇者」シリーズの多くは、実際の事件を題材にミステリーやサスペンスに仕上げられています。叙述トリックの名手といわれる折原一によって織り込まれたさまざまな謎に、読む勢いは止められなくなりますよ。

折原一の作品には短編集もあれば長編のものもあります。小説を読める時間や、どれくらい小説の世界に入り込みたいか、などを考えて小説の長さを選んでみましょう。

短編集を読む利点は、ちょっとした空き時間に気軽に読めるところですよね。通勤電車の中で読むのもいいですし、仕事のお昼休憩の時間に読むのも気分転換になります。短編集であれば1冊で複数の物語が収録されているのでお得感がありますし、自分の中でどんな折原一の作品が合っているかを調べてみるのにもいいです。

小説を買ってから長編の場合自分に合わないものだったら損した気持ちになってしまいますので、まだそれほど小説を読むのに慣れていない方は、まずは短編小説でいくつか折原一の作品を読んでから長編に移ってみましょう。

長編小説を読むのは時間に余裕があるときに読むのがおすすめです。特に面白い長編小説ですと、寝る前に少し読もうと思っても凄く先が気になってしまい、読んでいるうちに寝不足になってしまう場合もあります。

ここまで読んだら止める意思をしっかりと持てて、楽しみを後にとって置ける方でしたら、少しずつ長編小説を読んでいくのもいい楽しみ方です。毎日の小説を読む時間が自分のご褒美になりますね。

折原一の小説は、どんでん返しにつぐどんでん返しが面白い作品が多いので、長編小説でしたら、思う存分折原一の叙述トリックを楽めます。

折原一の作品を今まであまり読んでいない方は、まずは過去に文学賞を受賞した作品やノミネートされた作品の中から選んでみると、小説選びに失敗しません。

折原一の作品はミステリー・ランキングにランクインしている作品がとても多いです。「このミステリーがすごい！」や「本格ミステリー・ベスト10」、「週刊文春ミステリーベスト10」などいろいろなランキングに入っています。

また、「沈黙の教室」では「第48回日本推理作家協会賞（長編部門）」を受賞していますし、それ以外でも「江戸川乱歩賞」「直木三十五賞」の候補になっている作品も多いので、そういった有名な作品から選んでみるのがおすすめです。

折原一の作品は数こそ多くはないのですが、ドラマ化された作品もあります。ドラマで気になった作品が折原一の作品であったら、是非原作の小説も読んでみてください。

また、話の登場人物や設定、ラストが違ったりする作品もあるので、ドラマと小説を見比べてみて違うところや、ここはこっちの方が良かったなどを自分で比較しながら見比べるのも面白いです。

逆に全く映像化されていない小説を先入観なしに読んでいるのもいいですね。特にトリックなどは全く先入観がない状態で読んだ方が、ラストまで読んだ時のびっくり感はとても大きいです。

折原一のさまざまな作品の中で、代表作といわれる作品たちをピックアップして紹介します。また、新作もあわせて紹介するので、折原一ファンの方はぜひお読みください。

数ある折原一作品の中でも、特に代表作といわれ人気と評価の高いのは「異人たちの館」です。叙述トリックの名手と言われる折原一のミステリー作品だとわかって読んでいても、その圧倒的なトリックの作り込みに驚かされてしまいます。

1993年に発表されてから3度も文庫化されている、折原一さんご本人もマイベストと評価している作品なので、誰もが認める代表作といえます。まずはどれから読むか悩んでいる方は、ぜひこの代表作を読んでみてください。

折原一の2022年の新作をご紹介します。2022年7月に早川文庫から「双生児」、11月に新作の単行本「グッドナイト」が光文社より出版されました。「双生児」は2017年に単行本が出版されており、その文庫版になります。

新作の「グッドナイト」は都心のアパートで起こる数々の出来事を描く集合住宅ミステリーです。癖のある住人たちが織り成すそれぞれの短編ストーリーが、最後は長編としてまとまる展開となっています。興味のある方はぜひ読んでみましょう。

折原一の作品は明るい作品よりも、少し暗い作品が多くあります。ミステリー小説やサスペンス小説は基本的には明るいものよりも暗いものが多めですが、折原一の作品は特にその傾向が顕著です。

もちろんそういった作品が大好きな方でしたら、折原一の作品は凄く合っています。ただし、とてもストーリーに入り込んでしまう作品も多いため、元気になりたいときなどは折原一の作品を読むのを控えた方がいいかもしれません。

折原一の作品を、数々の人気シリーズを網羅し幅広くランキングで紹介しました。叙述トリックが好きな人はもちろん、あまり叙述トリックが出てくる小説を読んだでこなかった方も、これを機会にぜひ、折原一の世界に触れてみてください。