【ノーベル文学賞受賞作家】カズオイシグロのおすすめ小説人気ランキング8選

カズオイシグロの作品は、書籍だけではなく映画やテレビドラマに脚本されたものもあります。まだカズオイシグロの作品を知らない方は、見てみることをおすすめします。

カズオイシグロの作品には、自分の人生や、生き方とリンクしたり考えさせられるような内容の作品があります。何かに悩んでいる人には、もしかしたら解決の糸口になるかもしれません。

「日の名残り」という作品でブッカー賞を受賞しました。内容は戦後のイギリスの、とある屋敷の執事が旅行に出かけます。その旅行先で回想するのは、先代の主人との蜜月の記憶や父の面影、そして女中頭との淡い記憶などです。正しさは時代によって変わります。

執事は自分が人生を賭けて大事にしてきたものは本当は意味のないものだったのではないか？という事を知ります。人は改心も反省も後悔も簡単には達成できないのです。だからこそ人生の記憶は美しいのです。

カズオイシグロは正しさを抱えて生きて、だけどその正しさが達成されなかった誰かの人生を文章で語っています。この作品を読む事で、自分の人生への考え方も変わるかもしれません。何かに悩んでいるかたにはおすすめです。

「わたしたちが孤児だったころ」は、戦時中の上海を舞台にしています。探偵のバンクスが両親の行方を捜しに行くという話の設定ですが、大人になって現実に立ち向かうことは怖すぎるからこの小説の主人公は、物語の中に自分の世界を作り探偵小説に出てくる主人公として生きるのです。

だけどその物語が、いつしか現実に吞み込まれ崩壊するときがやってきてしまうのです。 たとえ両親がいてもいなくても、すべて孤児だったのだ。という内容です。大人になりたくないけれど、ならなくてはいけないと感じている方にはおすすめです。

「充たされざる者」は、読み終わったあとには長い長い夢を見ていたような心地になります。内容は、ピアニストが演奏旅行で出かけた街で出会う不思議な夜の出来事です。

そして想起される数々の記憶や会話は、ずっと読んでいたくなるような素敵な内容です。現実逃避したい方にはおすすめです。

「忘れられた巨人」は、国家や民族は前に進むために自分たちの過去の罪を忘れていくが、本当に私たちは記憶から逃げきれることはできるのかという内容です。政治的なことを彷彿とさせつつ、舞台は中世アーサー王伝説の時代です。主人公たちは老夫婦です。

この小説に出てくる夫婦観はとってもロマンチックで素敵です。人は普段忘れた方がいいことを忘れたふりして生きているけれど、本当にそれは正しいことなのかと考えさせられる内容です。自分の生活で隠していることがある方にはおすすめです。

「遠い山なみの光」は、カズオイシグロのデビュー作ですが、会話がうまくて物語に引き込まれてしまいます。この作品は、娘に自殺されてしまった日本人の母親の淡々とした会話と回想のお話ですが、読み終わるとまるで映画を見たような感覚になります。

子どもを育てるのは大変な事で、難しいですよね。この作品では、子どもを育てている方や子育てがひと段落した方、悩んでいる方におすすめです。

「夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」は、音楽と人生の夕暮れが感じられる短編集です。短編なので読書が苦手な方にもおすすめです。コメディ要素やおもしろい会話など、カズオイシグロのよさが味わえる短編集です。

カズオイシグロの作品を読んだことがない方は、短編集から読んでみてもいいですね。

「浮世の画家」は、戦後の日本を舞台にして若かりし頃に一世を風靡したのに、戦争が終われば見向きもされなくなった画家が自分の過去を回想するという記憶と後悔をめぐる話です。

今は失われてしまった時代の美しい記憶がここにあるけれど、その記憶は本当に美しかったのかという内容です。ついつい思い出と今を比べてしまうような方には、おすすめの作品です。

映画化されたタイトルは、「上海の伯爵夫人」・「日の名残り」・「世界で一番悲しい音楽」です。DVD化されているタイトルもあり、読書が苦手な方にはこういったところからカズオイシグロの作品を楽しんでみてもいいですね。

他にもテレビドラマに脚本された作品もあり、もしかしたら気づかない内にカズオイシグロの作品を見ていた場合もありますね。

日本生まれの英国人作家カズオイシグロ。もちろん作品は英語で書かれています。日本語に訳された作品でも十分楽しめますが、細かいニュアンスなど翻訳には限界があります。カズオイシグロの世界観を堪能したい方は英語で書かれた原書を読んでみるのもおすすめです。

2016年1月TBS系列で放送された「わたしを離さないで」は、英国のベストセラー作家カズオ・イシグロの作品がドラマ化されたもので世界で初です。世間から隔離された施設の陽光学苑で良質な教育を与えられ育てられてきた恭子・友彦・美和は子供らしい生活や教育を受けました。

普通の子供であったはずの彼らはある日、生まれながらにある使命を与えられた特別な子供であると教えられ、自分たちの本当の運命を知らされます。彼らに課された使命とは?学苑に隠された秘密とは?視聴者に衝撃を与えるサスペンスです。

演じるのは、綾瀬はるか・三浦春馬・水川あさみです。作詞・歌を担当するのは、ジュリア・ショートリードです。口コミでは、綾瀬はるかの高い演技力が活かされた良い作品で、音楽も世界観をよく表現しています。おすすめする声が多いです。

脚本をカズオイシグロが手掛けた2006年に公開された映画「上海の伯爵夫人」。監督はジェームズ・アイボリー、製作イスマイル・マーチャント、撮影はクリストファー・ドイル、音楽はリチャード・ロビンス、キャストはレイフ・ファインズ、ナターシャ・リチャードソン、バネッサ・レッドグレーブ、真田広之です。

1936年日中戦争開戦前夜の上海を舞台に元外交官の米国人と、ロシアからの亡命未亡人との恋愛を描く歴史ドラマです。ドイルが手掛けた「花様年華」並の匂い立つような官能とスリリングな関係ではなく、お上品な感じになっています。

ロシア革命で国を追われたソフィア（リチャードソン）ら貴族や、クラブに勤めるソフィアを娼婦と罵りながらも、彼女に依存して暮らすしか術を知らない彼女の義母（リン・レッドグレイブ）や叔母（バネッサ・レッドグレイブ）らの哀しきプライドが見られる場面などは見る価値があります。

今回様々なカズオイシグロの作品を紹介させていただきましたが、どれも魅力的ですね。カズオイシグロならではの違和感や虚しさなどを感じている登場人物が、様々な体験や回想をしていて先が気になるような作品が多いです。ついついやめられなくなって、夜遅くまで読書してしまう方も多いのではないでしょうか。読書が苦手な方は、映画やDVDでカズオ・イシグロの作品を楽しんでみましょう。