高村薫のおすすめ小説10選|文体の特徴やおすすめの本・結婚はしている?
数多い女性作家の中でも重厚な作風が特徴で知られる高村薫。しかし、「読む順番が知りたい」「著者はどんな人物なの?」と気になっている方も多いですよね。。今回の記事は人気の高村薫の小説の特徴・著者の人となり・選び方のポイント別・おすすめ小説10選までご紹介します。
2024/01/28 更新
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空海
空海をテーマにした紀行文
【あらすじ】
形而上学の基礎を築き治水事業の指揮を行い、外国語を流暢に話したとされる空海は、実は二人いたとしないと説明がつかないと考える筆者。空海がどのような人物だったかほとんど資料がないため、多くの文献や取材を重ねた空海をめぐる紀行文です。空海とその密教の実像に迫る一冊に仕上がっています。
【こんな人におすすめ】
・ドキュメンタリーが好きな方
・仏教や空海に興味のある方
・歴史的考察のジャンルが好きな方
- 初出
- 2015年
- 映像化
- なし
- 長さ
- 中編
高村薫のおすすめ小説10選
商品比較一覧表
商品画像 | ||||||||||
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メーカー |
新潮社
|
新潮社
|
新潮社
|
講談社
|
新潮社
|
毎日新聞出版
|
新潮社
|
新潮社
|
講談社
|
新潮社
|
商品名 |
空海
|
リヴィエラを撃て
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神の火
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李歐
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レディ・ジョーカー
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我らが少女A
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黄金を抱いて翔べ
|
照柿
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マークスの山
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冷血
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説明 |
空海をテーマにした紀行文
|
陰謀渦巻く中の人間ドラマ
|
原子力は神の領域なのかという疑問を突き付ける作品
|
初出時のタイトルは「わが手に拳銃を」
|
映画及びドラマ化された問題作
|
合田雄一郎シリーズの第6作目
|
映画も人気を集めた人気小説
|
合田雄一郎シリーズの第2作目
|
合田雄一郎登場
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生と死を巡るクライムノベル
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リンク | ||||||||||
初出 |
2015年
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1992年
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1991年
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1992年
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1997年
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2017年
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1990年
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1994年
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1993年
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2010年
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映像化 |
なし
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なし
|
なし
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あり
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あり
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なし
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あり
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あり
|
あり
|
なし
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長さ |
中編
|
長編
|
長編
|
中編
|
長編
|
中編
|
中編
|
長編
|
長編
|
長編
|
画像 | 商品名 | 参考価格(※) | 通販サイト | 特徴 | 初出 | 映像化 | 長さ | |
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1
|
新潮社
空海
|
1,910円
|
空海をテーマにした紀行文
|
2015年
|
なし
|
中編
|
||
2
|
新潮社
リヴィエラを撃て
|
781円
|
陰謀渦巻く中の人間ドラマ
|
1992年
|
なし
|
長編
|
||
3
|
新潮社
神の火
|
693円
|
原子力は神の領域なのかという疑問を突き付ける作品
|
1991年
|
なし
|
長編
|
||
4
|
講談社
李歐
|
847円
|
初出時のタイトルは「わが手に拳銃を」
|
1992年
|
あり
|
中編
|
||
5
|
新潮社
レディ・ジョーカー
|
825円
|
映画及びドラマ化された問題作
|
1997年
|
あり
|
長編
|
||
6
|
毎日新聞出版
我らが少女A
|
1,959円
|
合田雄一郎シリーズの第6作目
|
2017年
|
なし
|
中編
|
||
7
|
新潮社
黄金を抱いて翔べ
|
605円
|
映画も人気を集めた人気小説
|
1990年
|
あり
|
中編
|
||
8
|
新潮社
照柿
|
693円
|
合田雄一郎シリーズの第2作目
|
1994年
|
あり
|
長編
|
||
9
|
講談社
マークスの山
|
712円
|
合田雄一郎登場
|
1993年
|
あり
|
長編
|
||
10
|
新潮社
冷血
|
781円
|
生と死を巡るクライムノベル
|
2010年
|
なし
|
長編
|
空海
空海をテーマにした紀行文
【あらすじ】
形而上学の基礎を築き治水事業の指揮を行い、外国語を流暢に話したとされる空海は、実は二人いたとしないと説明がつかないと考える筆者。空海がどのような人物だったかほとんど資料がないため、多くの文献や取材を重ねた空海をめぐる紀行文です。空海とその密教の実像に迫る一冊に仕上がっています。
【こんな人におすすめ】
・ドキュメンタリーが好きな方
・仏教や空海に興味のある方
・歴史的考察のジャンルが好きな方
- 初出
- 2015年
- 映像化
- なし
- 長さ
- 中編
空海と縁の有る場所、行事等が合わせて写真で紹介され、高村さんの空海評がより 鮮明となり、本書籍をよりよいものと評価します。
スケールの壮大なスパイ小説。 ストーリーは風呂敷を広げすぎた感じが否めませんが、 硬筆な描写、豊かなキャラクター造形、感情移入したくなる主人公等々、私は好きな小説です。 特に、ジャックは大好きです。 発刊当時、日本女性でここまでのスパイ小説が書ける作家が出てきたんだなぁという感慨がありました。 高村さんは、職業作家になる前に小説舞台のひとつベルファストの地へ行ったことがあると聞きました。 乾いた文章と魅力的な人物造形、高村作品の原点がここにあると、個人的に思っています。
神の火
原子力は神の領域なのかという疑問を突き付ける作品
高村薫の魅力の1つとして、細部に至るまでの緻密な描写と、卓越した登場する人物たちの人間造形があります。その点において、この「神の火」もまさしく真に迫るシーンの連続と、思わず引き込まれる登場人物たちという二大要素で構成された長編小説です。
ストーリーは東日本大震災以降、それまで以上に人類に突き付けられた「原発」をテーマに進みます。主人公は元原子力研究所職員にして、旧ソビエトのスパイとして活動していた島田。その彼とある意味で対極にいる人物が、島田が出会う高塚青年です。
人間の裏切りやむき出しの欲望というものに辟易していた島田にとって、わずかに残っていた柔らかな心を思い出させてくれた高塚青年との邂逅が、穏やかであればあるだけ、ラスト近くの原発襲撃シーンのバイオレンスさとの対比が際立って胸に迫ってきます。
単行本の時点から文庫化にあたっては加筆400枚という大幅改稿されているので、気になる方は単行本版と合わせて読み比べるのもおすすめです。
- 初出
- 1991年
- 映像化
- なし
- 長さ
- 長編
上巻・下巻共通の感想。 さまざまなハードウエアについて、詳細な記述が光り、圧倒的迫力を醸し出している。 そして、原子力に携わる人間が内部からテロリストに育っていく過程も説得力がある。 その点で『天空の蜂』同様に、内部で育つテロリストを防御する手段はない、という一種のシミュレーションになっている。 社会科学・技術両面をカバーしつつ、人間の内面も描き切った質の高い文学だと思う
李歐
初出時のタイトルは「わが手に拳銃を」
拳銃の密輸や殺人にまで手を染めた美貌の男である、李歐。そんな李歐と主人公の吉田一彰が出会ったのは、一彰が平凡な学生であったころ。そこから一彰の人生は自分でも思っても見なかった展開の連続となっていきます。
その後二人は袂を分かち、その間に一彰は結婚し家庭を築き、額に汗して働くという李歐 とは全く違う人生を歩きます。しかし、一彰の妻の不慮の死や、残された遺児との暮らしの中で再び巡り合う2人。
明確な恋愛感情に裏打ちされた関係ではないものの、それに近しいものをお互いに見ている二人のやり取りは、恋愛小説と言ってもよいほど。また、作品中に流れる年月だけでも10年以上という、グランドロマンとしても楽しめる作品です。
初出の「わが手に拳銃を」からは大幅に改訂されているので、読み比べてみるのもおすすめ。
- 初出
- 1992年
- 映像化
- あり
- 長さ
- 中編
我が手に拳銃を、を読んでからこちらの李歐を読みました。物語は原作が完全に解体されて結末含めてまったく違うものになっています。特に物語のキーマンである笹倉の扱いが全く違う(笑)。 『我が手に…』のほうが疾走感があって高村薫自身の若さが感じられるかな。 こちらの作品では咲子をはじめとする女性の心理描写が女性ならではの感覚で巧みに表現されているのも、高村作品には珍しいかもしれません。 『我が手に…』と『李歐』、2冊読み較べることをオススメします。
レディ・ジョーカー
映画及びドラマ化された問題作
長くタブーとされてきた出自の問題や利益供与、企業テロなど社会的な問題をテーマにしつつも、その根底には「人間とは何か」、「他者と自分とが個人として正しく向き合うとはどういうことか」といった普遍的な問題も内包した長編作品である「レディ・ジョーカー」。
主人公である合田刑事が「マークスの山」で登場してから3作目にあたるこの作品は、民間企業の中に巣食う企業倫理と、人間それぞれが抱える心の闇とが複雑に絡み合ったサスペンス作品です。
さらに登場してくる犯人たち1人1人が犯罪に手を染める理由も、現実の悲哀に満ちたものばかり。善か悪かだけでひとくくりに出来ない、人間の原罪を感じさせてくれる作品です。
- 初出
- 1997年
- 映像化
- あり
- 長さ
- 長編
丁寧な人物描写で、上・中・下全て楽しんで読み終えることができました。 2回読んでいるのですが、以前読んでから時間がだいぶ過ぎてから今回再度読んでみましたが、大変良かったです。 また高村薫さんの作品を読んでみようと思っています。
我らが少女A
合田雄一郎シリーズの第6作目
合田雄一郎を主人公とする一連のシリーズの第6作目にあたる「我らが少女A」。初出が毎日新聞の連載小説であったため、作者によると「多視点で物語を区切れば読みやすくなるのでは」といった意図からゲームやSNSも頻繁に登場する作りとなっています。
ストーリーは57歳になった合田が教授を務める、警察大学校の近くでかつて発生した未解決事件が鍵となっています。その事件の被害者は、中学校の元美術教師の女性。事件を担当したのは当時の合田でした。
それから12年後、同棲相手に殺された風俗嬢は元美術教師のかつての教え子であり、当時の事件に関するある物を持っていたことが明かされます。そこから現在と12年前が交錯する謎解きが始まっていきます。
事件の真相とは結局何だったのか、そして殺された風俗嬢が果たした役割とは何だったのか、謎が紐解かれるにつれて明るみに出る人間の哀しさ、最後にほの見える救いが胸に残る作品です。
- 初出
- 2017年
- 映像化
- なし
- 長さ
- 中編
何より美しいのは、髙村さんの言葉による武蔵野の情景描写。氏がかつて通った大学が近く、武蔵野への思いは強いと語るだけあって、季節折々の描写はまさに眼前に景色が立ち上がるほど。 そして、関係者それぞれの些細な日常を描きながら、そこに潜む諦めや寄る辺なさといったものが、髙村さんならではのユーモラスかつ絶妙な比喩表現をもって語られる文章そのものに心酔。
映画を観たら原作を読みたくなって読んでみました。これも傑作でしたね。
20年ぶりに再読、色あせない、面白い小説というのは、あるもので、この作品も、著者,レディジョカー、マークスの山と並ぶ、三大傑作だ。
マークスの山
合田雄一郎登場
映画化もドラマ化もされている「マークスの山」は、人気シリーズの主人公である合田雄一郎が初登場する長編小説です。初出の単行本の後の文庫化の折に、全面的に改稿されていることでも知られています。
ストーリーは、何の関連性も感じられない2つの殺人事件から始まります。それぞれの事件の被害者は元暴力団組員と高級官僚であり、この2つの事件を繋ぐ鍵は、使われた凶器が同じものであるという事実だけでした。
ミステリー作品としての「マークスの山」は、犯人の確定につながる情報はストーリーの始めから随所に提示されています。謎解きというよりは、どうして殺したのか、何のための殺人だったのかという犯人の動機を探っていく展開となっています。
山岳小説としての魅力も兼ね備えた「マークスの山」ですが、やはり真骨頂は犯人とその犯人を追う警察との駆け引きや、犯人を追い詰めていく合田警部補を始めとする登場人物の造形の魅力でしょう。
なお、「マークスの山」は文庫化に当たって全面改稿されていますが、単行本と文庫版では作品を貫く雰囲気や登場人物たちの造形も大きく異なります。それぞれの版のファンも多いので、一度読み比べてみるのもおすすめです。
- 初出
- 1993年
- 映像化
- あり
- 長さ
- 長編
警察組織の描写がなんとも言えずよい。 人物描写・精神構造の分析力、やはり高村氏はすばらしい。
文字通り血も凍るような殺人現場の描写には戦慄を覚え、犯罪小説としてのサスペンスは十分楽しめるが、いかに凶悪な犯罪を犯そうとも人間の心の奥には何があるのかを執拗に追及する作者の姿勢に心打たれる。人間の善と悪とは何であるか。国家が人を死刑にするのは正しいのか。前作の「太陽が曳く馬」ほど難解ではないが、人間とは何であるかという永遠のテーマを作者はこの「冷血」でも追及し続けている
高村薫の小説の比較一覧表
商品画像 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
メーカー |
新潮社
|
新潮社
|
新潮社
|
講談社
|
新潮社
|
毎日新聞出版
|
新潮社
|
新潮社
|
講談社
|
新潮社
|
商品名 |
空海
|
リヴィエラを撃て
|
神の火
|
李歐
|
レディ・ジョーカー
|
我らが少女A
|
黄金を抱いて翔べ
|
照柿
|
マークスの山
|
冷血
|
説明 |
空海をテーマにした紀行文
|
陰謀渦巻く中の人間ドラマ
|
原子力は神の領域なのかという疑問を突き付ける作品
|
初出時のタイトルは「わが手に拳銃を」
|
映画及びドラマ化された問題作
|
合田雄一郎シリーズの第6作目
|
映画も人気を集めた人気小説
|
合田雄一郎シリーズの第2作目
|
合田雄一郎登場
|
生と死を巡るクライムノベル
|
リンク | ||||||||||
初出 |
2015年
|
1992年
|
1991年
|
1992年
|
1997年
|
2017年
|
1990年
|
1994年
|
1993年
|
2010年
|
映像化 |
なし
|
なし
|
なし
|
あり
|
あり
|
なし
|
あり
|
あり
|
あり
|
なし
|
長さ |
中編
|
長編
|
長編
|
中編
|
長編
|
中編
|
中編
|
長編
|
長編
|
長編
|
画像 | 商品名 | 参考価格(※) | 通販サイト | 特徴 | 初出 | 映像化 | 長さ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1
|
新潮社
空海
|
1,910円
|
空海をテーマにした紀行文
|
2015年
|
なし
|
中編
|
||
2
|
新潮社
リヴィエラを撃て
|
781円
|
陰謀渦巻く中の人間ドラマ
|
1992年
|
なし
|
長編
|
||
3
|
新潮社
神の火
|
693円
|
原子力は神の領域なのかという疑問を突き付ける作品
|
1991年
|
なし
|
長編
|
||
4
|
講談社
李歐
|
847円
|
初出時のタイトルは「わが手に拳銃を」
|
1992年
|
あり
|
中編
|
||
5
|
新潮社
レディ・ジョーカー
|
825円
|
映画及びドラマ化された問題作
|
1997年
|
あり
|
長編
|
||
6
|
毎日新聞出版
我らが少女A
|
1,959円
|
合田雄一郎シリーズの第6作目
|
2017年
|
なし
|
中編
|
||
7
|
新潮社
黄金を抱いて翔べ
|
605円
|
映画も人気を集めた人気小説
|
1990年
|
あり
|
中編
|
||
8
|
新潮社
照柿
|
693円
|
合田雄一郎シリーズの第2作目
|
1994年
|
あり
|
長編
|
||
9
|
講談社
マークスの山
|
712円
|
合田雄一郎登場
|
1993年
|
あり
|
長編
|
||
10
|
新潮社
冷血
|
781円
|
生と死を巡るクライムノベル
|
2010年
|
なし
|
長編
|
警視庁の合田雄一郎警部補を主人公とするシリーズの2作目にあたる長編小説「照柿」。合田警部補と合田の幼なじみ野田達夫が、美保子という1人の女を中心にそれぞれの人生や愛、さらに生きるということを巡り、ぐにゃりとねじ曲がって堕ちていく1週間の様子が描き出されています。
その1週間をさらに強烈に印象付けるのは、ぎらぎらと照り付ける真夏の日差しと熱の描写。行間からゆらりと灼熱のかげろうが立ち上るような暑さまで、感じさせられます。
全編を貫くのは男を破滅させるのは女という使い古された言葉がぴったりとくるような美保子の業と情念。男2人と女が1人、その行き着く先に待つ暗く重い結末が、この作品のテーマと言えるのかもしれません。