【魔女の後悔】大沢在昌の人気おすすめ小説10選｜狩人シリーズも

大沢在昌さんは、「新宿鮫シリーズ」「狩人シリーズ」「魔女シリーズ」など多くのヒット作を持つ、ハードボイルド小説・冒険小説・推理小説などを執筆する小説家です。執筆歴は40年以上にもなるため作品数は非常に多く、さまざまな賞を受賞したり映像化もされています。

ハードボイルド小説の代表作「新宿鮫シリーズ」は、映画やドラマにもなっているので、知っている方も多いですよね。そのほかにも、直木三十五賞など文学賞を受賞した作品も多くあり、大沢作品に興味があっても、何から読めばいいか迷ってしまいます。

この記事では、多数出版されている大沢在昌さんの小説の魅力や、これから読んでみたい方に向けて、選び方と人気小説ランキング10選も紹介しています。『魔女の後悔』など2022年現在連載中の小説と新刊も紹介しているので、大沢在昌作品に興味がある方は、ぜひお読みください。

家には父親の本が大量にあり、小学校に入る前後から児童文学書を多く買ってもらうなど小さい頃から文章に触れていた大沢在昌さん。その中でも「名探偵カッレくん」シリーズや「シャーロック・ホームズ」シリーズなどに影響を受けていました。

1979年に「感傷の街角」で第1回小説推理新人賞を受賞してデビュー。しかし、デビュー当初は全く売れない作家で、11年間28冊も初版だけで「永久初版作家」とも呼ばれていました。しかしその頃の小説にも面白いものは多いです。

1990年に「悪人海岸探偵局」が初の増刷となり「永久初版作家」を卒業すると、同年「新宿鮫」を発表、刊行直後から大反響を呼び、「このミステリーがすごい!」ランキング第1位に輝くなど、ハードボイルド作家としての地位を不動のものとしました。

大沢在昌さんの小説には短編集もあれば長編のものもあります。小説を読める時間や、どれくらい小説の世界に入り込みたいか、などを考えて小説の長さを選んでみましょう。

大沢在昌さんの代表作である「新宿鮫シリーズ」は長編が多いですし、それ以外にも大沢在昌さんは長編小説をいくつも執筆しています。大沢在昌さんのハードボイルドな世界観を完全に楽しもうと思う場合は、長編小説を選んでみてください。

長編小説を読む場合は時間に余裕があるときにしましょう。特に大沢在昌さんの小説は手に汗握る展開が多いので、小説に熱中しすぎていつの間にか数時間過ぎてた、なんて可能性もあります。

しっかりとここまで読んだら辞めるとの意思を持ち、楽しみを後にとって置ける方でしたら、少しずつ長編小説を読んでいくのもいい楽しみ方です。毎日の小説を読む時間が自分のご褒美になりますよ。

大沢在昌さんの小説には長編も多いのですが、短編や連作小説も執筆しています。短編集を読む利点はちょっとした空き時間に気軽に読める点です。人気の「新宿鮫」シリーズにも短編集があります。

また、短編集であれば1冊で複数の物語が収録されているのでお得感があります。どんな大沢在昌さんの作品が自分に合っているかを調べてみるのにもいいですし、短編でも、しっかりと大沢在昌さんの世界観を堪能できる作品も多いです。

小説を買ってから長編の場合自分に合わないものだったら損をした気持ちになってしまいますので、まだそれほど小説を読むのに慣れていない方は、まずは短編小説でいくつか大沢在昌さんの作品を読んでから長編に移ってみましょう。

新宿鮫シリーズは、刑事の鮫島が主人公のシリーズです。組織の中では一匹狼として嫌われている鮫島。犯罪者たちからは「新宿鮫」として恐れられています。同僚たちからの冷たい視線などは気に留めず、淡々と検挙率を挙げている男気溢れる刑事です。

映画・ドラマといった映像化だけでなく、漫画化もされており、1作目の『新宿鮫』から人気を集めています。自分の信念を曲げずに戦う鮫島を応援したくなるストーリーです。

六本木に探偵事務所を構える”冴木涼介”と、彼の息子である高校生の”隆”。ふたりの活躍を描いているのがアルバイト探偵（アイ）シリーズです。この説明でも十分不思議な関係ですが、キャラクターの設定も興味深いものになっています。

アクションや女性絡みのストーリーもあり、さまざまな要素が折り重なった作品です。シリアスな内容の事件も起こりますが、基本的には明るい作風で描かれています。

私立探偵の佐久間公を主人公にしたシリーズで、大沢在昌のデビュー作『感傷の街角』が佐久間公シリーズにあたります。大沢在昌の初期作品を楽しみたい方におすすめです。

佐久間公シリーズ6作品の読む順番は、『感傷の街角』『標的走路』『漂泊の街角』『追跡者の血統』『雪蛍』『心では重すぎる』で、巻を重ねていくごとに佐久間の年齢が上がっていくのが特徴です。時間の流れと佐久間の成長を一緒に感じられます。

狩人シリーズは、新宿を舞台に暴力団などの社会の闇との闘いを描いた作品です。作品によって主人公が変わるのがこの作品の特徴ですが、シリーズを通して刑事の”佐江”が登場します。

冴えない見た目ながら切れ者な佐江の設定が読者の間で評判で、脇役のような扱いですが作品の軸になる人物です。狩人シリーズは新宿鮫と人気を二分するおすすめシリーズで、発売された順番は北・砂・黒・雨・冬となっています。それぞれで完結しているので、気になるタイトルから読んでも楽しめます。

ここまで紹介してきたシリーズはすべて男性が主人公でしたが、魔女シリーズの主人公は女性です。男性の人間性を見抜く特殊能力を持った主人公”水原”が、その能力を生かして裏社会のコンサルタントをするストーリーが描かれています。

アクションシーンはほとんどありませんが、個性あふれる要素を取り入れ、主人公ならではの切り口で解決策を見い出していきます。強い女性の姿に引き込まれるストーリーです。

魔女シリーズの発売順は、魔女の笑窪・魔女の盟約・魔女の封印の順番になっています。

通称「ジョーカー」と呼ばれる、本名不明・年齢不詳・素性のわからない元傭兵の主人公が、殺し以外のさまざまなトラブルを解決していく、まさにハードボイルドの鉄板といえる小説シリーズです。裏社会の掟を熟知し、一目置かれる存在の主人公が織りなすストーリー展開と、細かい描写から感じられる臨場感がおすすめの短編集です。

大沢在昌は他にもたくさんのシリーズを作り上げています。日本一不幸なサラリーマンを描いた「不運なサラリーマンの坂田」シリーズや、女性刑事を主人公にした「明日香」シリーズ、ドラマ化もされた「カルテット」シリーズなども人気です。

大沢在昌さんの作品の中には、文学賞を受賞したものやミステリーランキングの上位にランクインしたものが数多くあります。そういった小説にはハズレが少ないので、まず最初は文学賞を受賞したものから選ぶのも1つの選び方です。

週刊文春ミステリーベスト10は、文藝春秋発行の『週刊文春』年末発売号で発表される推理小説のブック・ランキングで、1977年末から続いています。毎年の秀逸な推理小説を選定するアンケートを実施し、結果をランキング形式で発表しているものです。

大沢在昌さんの作品が初めて週刊文春ミステリーベスト10にランクインしたのは、1991年の『新宿鮫』が3位、そして『毒猿 新宿鮫II』が同年の1位に輝いています。その他「新宿鮫シリーズ」は発売されるごとに毎回のようにランクインする人気シリーズです。

また「新宿鮫シリーズ」以外でも『B・D・T〔掟の街〕』や『海と月の迷路』など数々の作品がこのランキングにランクインしているので、まずはこの「週刊文春ミステリーベスト10」にランクインした作品から選ぶのもおすすめです。

「直木三十五賞」は、一般的に直木賞と呼ばれますが、正式には「直木三十五賞」で、無名・新人及び中堅作家による大衆小説作品に与えられる文学賞です。芥川賞とならんでとても有名な賞の1つで、候補に選ばれるだけでもすごい賞でもあります。

もともとは無名・新人に与えられる賞でしたが、のちに中堅作家も受賞の範囲になりました。現在ではベテランの作家さんもこの賞を受賞するため、ほぼ年齢やキャリアは関係のない賞となっています。

大沢在昌さんは、人気の「新宿鮫シリーズ」の4作目である『新宿鮫4 無間人形』で直木三十五賞を受賞しています。4巻から読んでみてもいいのですが、できるなら新宿鮫シリーズの1巻から読んでみるのがおすすめです。

大沢在昌さんの作品は数多く映像化されています。映像化された作品はいろいろなところで話題になるので、ストーリー自体は知らなくても題名くらいは知っているものもあるかもしれません。

映像化されている作品は、原作とストーリーが違う場合も多いので、映像と小説を見比べながら違う場所を探すのも楽しみの1つです。また、好きな俳優さんが出ている映画で、たまたま大沢在昌さんを知った方も、ぜひ小説を読んでみてください。

逆に映像化されていない作品を読むメリットは、変な先入観を持たずに小説を読めるところです。映像化されている作品、されていない作品のどちらにもメリットはあるので、小説を選ぶときには良く考えてみましょう。

大沢在昌さんは多くの連載小説も執筆されているので、現在連載中の最新の作品から読むのもおすすめです。2020年1月にオール讀物で開始した『魔女の後悔』、2021年4月開始の『黒石（ヘイシ） 新宿鮫XII』、2022年3月開始の『リペアラー』、最近では2022年9月から『予幻』を連載しています。

ここでは大沢在昌の新刊を紹介します。ぜひ読書の参考にしてください。

• 「熱風団地」：2023年8月29日発売。フリーランスの観光ガイド佐抜が、翻弄されながらもあるミッションに挑戦する物語
  
• 「悪魔には悪魔を」：2023年4月26日発売。行方不明となった麻薬捜査官取締官を探す、元アメリカ陸軍の弟を中心に繰り広げられるクライムエンターテインメント作品
• 「ライアー」：2023年4月13日発売。表向きは一般的な主婦だが、実は秘密期間の工作員である神村奈々の物語

大沢在昌さんの小説には人気シリーズとなっている作品も多くあります。もし読んでみて気に入った作品であった場合には、その作品がシリーズかどうか調べてみて、シリーズものであったら他のシリーズ作品も読んでみてください。

大沢在昌さんの描くシリーズで特に人気が高いのが「新宿鮫シリーズ」です。1990年から現在まで続いている警察小説のシリーズで、直木三十五賞をはじめ、吉川英治文学新人賞などを受賞し、舘ひろしさん主演でドラマ化もされています。

その他にも両親と親を惨殺されたタケルなど4人が主役となっている「カルテットシリーズ」や、日本一不幸な「不運なサラリーマンの坂田シリーズ」、「狩人シリーズ」「魔女シリーズ」などいろいろなシリーズがあるので、ぜひさまざまなシリーズを読んでみてください。

大沢在昌さんの作品を古い作品から、現在でも続いているシリーズものまで幅広くランキングにしてみましたが、気になる作品はありましたか？少しでも気になる作品がありましたら、ぜひ手に取って読んでみてください。