平沢進作品おすすめ人気ランキング15選｜なぜ人気？代表曲は？【おすすめアルバムも】

平沢進は、音楽通の間でカルト的な人気を誇るミュージシャンです。プロデューサーや楽曲提供者としても知られ、独創的な世界観を武器に音楽フェスやインターネットで活躍しています。知る人ぞ知る平沢進とは、一体何者なのでしょうか。

1954年に東京都で生まれた平沢進は、10歳の頃にはギターを手にしていました。1965年に音楽活動を開始し、70年代にはテクノポップブームを牽引。90年代からソロでの活動を行うようになりました。事務所のスタッフに無理やり連れて行かれたタイでの経験や衝撃が、音楽性に大きな影響を与えたといわれています。

また、1994年に「インタラクティブ・ライブ」を発案。ストーリー仕立てで観客参加型のマルチメディアライブは、平沢進の世界観を全身で味わえる最高の空間で観客たちを魅了しています。この記事では、平沢進がなぜ人気なのかを解説しながら、最高傑作を含むおすすめ楽曲をご紹介します。

平沢進は70年代前半から、プログレッシブロックバンド「マンドレイク」のボーカル兼、ギターとして活動していました。79年にマンドレイクを解散して、テクノポップバンド「P-MODEL」を結成しメジャーデビューをします。

同時期に活躍した「プラスチックス」や「ヒカシュー」とともにテクノポップブームを巻き起こし、三大テクノと呼ばれ人気を博しました。88年にP-MODELでの活動を「凍結」（休止）し、翌年には初のソロ作品『時空の水』を発売し、テクノとは違う新たなジャンルを開拓します。

91年からはP-MODELの活動を再開。2000年に「培養」宣言を出すまでソロと並行して活動を続けていました。「培養」宣言以降は、平沢進名義でのソロ活動をしています。テクノポップ的な音楽制作を離れてからは、アジアンバロックなど多くの要素を取り入れて、唯一無二の世界観の楽曲を作り続けています。

「マンドレイク」時代の音楽は、プログレッシブロックというジャンルに分類されています。当初はブラックサバスのコピーバンドをしていましたが、後にオリジナルの楽曲を製作するようになりました。しかし、「マンドレイク」の曲は受け入れられず、オーディエンスからゴミを投げつけられる経験もしました。

「マンドレイク」の楽曲は、現在ではテープ録音などをかき集めて作られた「unreleased materials」というシリーズのCDで聴けます。

「P-MODEL」は「マンドレイク」を発展的解散をし、平沢進をリーダーに誕生したグループです。中でも「初期P-MODEL」はパンキッシュテクノポップのジャンルで人気を確立しました。初期P-MODELの範囲はアルバムだと「IN A MODEL ROOM」、「LANDSALE」のあたりです。

「初期P-MODEL」はSF小説「1987」を土台にし、直接的で攻撃的な歌詞、ワイルドなボーカルが特徴で、まさにパンキッシュテクノにふさわしい楽曲が多いのでパンク好きにもテクノ好きにもおすすめ出来ます。

「中期P-MODEL」は主に「POTPOURRI」から「ONE PATTERN 」のアルバムが製作された範囲を指して言われています。ファンの中では「中期P-MODEL」を「凍結P-MODEL」と表現する方もいます。「初期P-MODEL」とは曲調が大きく変わり、「マンドレイク」時代のような印象を持つ方も少なくありません。

ポップな楽曲から距離を取り、ハードロックな印象の楽曲がメインの時代です。しかし、「ONE PATTERN 」が発表される頃にはポップな印象の曲も増えてきます。自作楽器の「ヘヴィナイザー」や抽象的な歌詞など、現在の平沢進の原点とも言える時代です。最近の平沢楽曲が好きな方にはおすすめです。

「P-MODEL」は「ONE PATTERN 」が発表後、「凍結」と称しておよそ4年間活動を休止します。4年後「解凍」の声明を出して活動を再開します。そのため、この時代は「解凍P-MODEL」と呼ばれています。範囲は「P-MODEL」、「big body」です。

ハードロック路線からテクノポップ路線に戻し、楽曲のテーマもコンピューターや科学技術となって、よりサイバーな印象になっています。歌詞もより抽象的で、意味の判断しにくいものが多くなり、より今の平沢進作品に近いです。まさにテクノといった楽曲が多いので、テクノ好きには特におすすめです。

「big body」を発表した後、1年の「改訂」作業と称して活動を休止したので、この後の時代を「改訂P-MODEL」と呼びます。「改訂P-MODEL」は00年に「培養期」と称する活動休止宣言までの範囲を言いますが、活動休止宣言をもって「P-MODEL」は事実上、解散しました。

「改訂P-MODEL」は「解凍P-MODEL」に引き続きテクノではありますが、アジアンテイストを取り入れた「アジアンテクノ」を展開し、タイなどでもレコーディングを行いました。アジアンテイストや民族音楽的な音楽の好きな方、平沢進個人名義の楽曲が好きな方は、ここから聴いてみるのもおすすめです。

「核P-MODEL」は平沢進個人のソロプロジェクトで、「解凍」、「改訂」の流れをくむコンセプトアルバムが中心となっています。作風もテクノポップですが風刺的な歌詞が多く、音も攻撃的な感じの物が中心です。

ソロ活動は「中期P-MODEL」の頃から継続して行っていて、初めて平沢進の曲を聴く方には、平沢進ソロ名義の最新の作品から聞いていくのをおすすめします。

個性的な平沢進作品は、コアなファンでも賛否が分かれる楽曲が多いです。初めて聞く方は、ネットショップや音楽サイトなどのレビューを参考にすると、好みの曲が見つけやすくなります。たとえば最高傑作と言われる「バンディリア旅行団」は、ヒーリング音楽のようで老若男女問わず聞きやすい一曲です。

平沢進は2000年以降、多くのアニメーション作品に楽曲を提供しています。最も有名なのが『ベルセルク』シリーズです。「Forces」は特に広く知られていて、耳にした方も多いと思います。

もともとは「ベルセルク」の作者・三浦健太郎が平沢進のファンだったのがきっかけで97年の「剣風伝奇ベルセルク」に楽曲を提供、以降の「ベルセルク」関連の映画やアニメすべてに平沢の楽曲が使用されています。

「妄想代理人」・「千年女優」・「パプリカ」といった今敏監督のアニメーション映画にも楽曲を提供しています。中でも「パプリカ」は海外の映画祭でも高い評価を得ています。

パプリカの作中BGMに使われている「パレード」は、平沢進の豊富な語彙力による歌詞が作品を観た人たちに衝撃を与えました。また、主題歌の「白虎野の娘」の歌詞は、映画用に差し替えられているので、原曲の「白虎野」と聞き比べてみるのもおすすめです。

平沢進はアニメーション作品以外にも楽曲を提供しています。あまり知られていないですが、「おかあさんといっしょ」の2003年10月の今月の歌に「地球ネコ」を提供しています。今井ゆうぞうさん、はいだしょうこさんが歌うバージョンと平沢進本人のものを聞き比べてみるのもおすすめです。

また、三島由紀夫原作のSF小説をモデルにした、吉田大八監督の映画「美しい星」では劇中歌として平沢進の「金星」が使われています。主演の若葉竜也さんの「金星」を聴いてみるのもおすすめです。

他にも、異母犯抄の名義でプロレスラー長州力の入場曲「パワーホール」を製作、「プロレスは嫌いなので適当に作った」と話しています。

ここからは、おすすめの平沢進作品をランキング形式で紹介していきます。平沢進の楽曲はたくさんあるので、購入するときに参考にしてみてください。

この「インタラクティブ・ライブ」は、平沢進が支援者の協力を募り考案した観客参加型のライブです。ライブ自体にストーリーを持たせ、その展開に応じて演奏される楽曲が構成されます。

ライブのストーリーには、いくつかの分岐点と結末が用意されています。会場内に仕掛けられたインターフェースで観客の行動を把握し、その選択によってライブの結末にたどり着きます。

ストーリーや分岐、求められる行動などはライブによって異なるため、何度行っても飽きません。ライブそのものが、ひとつの小説といえるレベルまで作り込まれており、その圧倒的な世界観に観客を引き込んでいきます。

平沢進が行うインタラクティブ・ライブは、マルチメディアライブです。インターネットを介して生配信されるため、会場に赴いた観客のみなならず、自宅にいるファンでも楽しめる作りになっています。

しかも、観客参加型の形態は在宅のオーディエンスも見放しません。公式サイトで会員会員登録をすれば、ライブストーリーの進行にも関われます。

結論はもちろん、ストーリーの方向性を可能な限り多く導き出すためにSNSでは作戦会議が行われている場合もあります。初心者でライブに行くのは気が引ける方も、ぜひ試してみてください。

平沢進は2019年、7月26日から28日まで開催されていた野外ロックフェス「FUJI ROCK FESTIVAL ’19」にも出演しました。自身のTwitterでは「間違えてないか？私は平沢進だぞ。平沢唯じゃない。」とロックフェス出演に戸惑う投稿もしていました。

フジロックでの個性的なパフォーマンスは、平沢進を知らなかった人にも衝撃を与えました。今後、平沢進のロックフェスへの参加に期待ができます。

平沢進の最新情報や現在の活動については公式サイトにて随時更新されています。ファンはもちろん、もっと具体的な活動を知りたい方はぜひチェック！

ここまで平沢進の楽曲の選び方や、おすすめランキングを紹介してきました。平沢進の楽曲は良くも悪くもクセが強く、コアなファンでも賛否が分かれるケースが往々にしてあります。まずは、お気に入りの一曲を見つけて聞き込んでみるのをおすすめします。その頃には、平沢ワールドにどっぷりとはまり込んでいること請け合いです。