知念実希人小説のおすすめ人気ランキング10選｜読む順番は？祈りのカルテも

医師で推理小説作家の肩書きを持つ人物といえば久坂部羊や海堂尊などがいますが、現在注目の作家である知念実希人もその1人です。内科医として勤務する傍ら応募したコンクールで新人賞を受賞した経歴は、賞賛に値します。

デビュー作は「誰がための刃 レゾンデートル」です。さらに、「祈りのカルテ」・「死神」シリーズ・「天久鷹央の推理カルテ」シリーズ・「病棟」シリーズ・「神酒クリニックで乾杯を」シリーズなど多くの作品があり、映画化やコミック化もしている作品もあるほど人気です。

そこで今回は、知念実希人小説の選び方やおすすめ商品をランキング形式でご紹介します。初心者向けにおすすめの読む順番・シリーズ順番・新刊予定についても解説します。記事の最後には各年度の受賞作品も紹介しますので、購入を迷われている方はぜひ参考にしてください。

「知念実希人」は、本名ではありません。元々小説を読むのが好きでしたが、医師家系に生まれたため医師になるのは現実的な将来像で、それとは別に小説家になるのが夢だったと本人は語っています。

「エンターテインメントとしてリアリティのある小説を書いて楽しませたい」との思いから、内科医として携わっている医療現場をモデルにした小説を中心に書いています。

サスペンス小説は、人間関係に焦点を当てて作られた作品が多いです。たとえば「病状の進行や心情にシリアスさもあるが、ある少女との出会いがそれらを変えていく」「親友との生気を取り戻して情熱の限りを費やしていく」といった展開があります。

ドキドキやハラハラするだけでなく、切なくも心に響くのが知念実希人のサスペンス小説の特徴です。ぜひ一度手に取って読んでみてください。

知念実希人のファンタジー作品は一般的なファンタジー作品とは異なり、不思議な感覚に誘います。読者の心を癒してくれる作品構成で、夢幻の世界のミステリーとファンタジーが織り交ぜられた、新感覚の体験ができます。

代表作は、「ムゲンのi」や「リアルフェイス」などです。ぜひ読んでみてください。

知念実希人の青春小説は、読者の感情に揺さぶりをかけてくるような作品が多いです。表題からは物騒で重い話のように思われる作品がとても多いように思えますが、決してそんなことはありません。

代表の青春小説として、「レゾンデートル」や「屋上のテロリスト」などが挙げられます。高校生くらいの若い年齢の方から、社会人以上の方にまでおすすめな作品、それが知念実希人の青春小説です。

知念実希人の恋愛小説は恋愛要素のみならず、過去への苦悩やミステリー要素ありと、さまざまな要素が散りばめられています。よって、読者は飽きず次の展開に期待がどんどん膨らんでいくのです。

知念実希人の恋愛小説の代表としては、「崩れる脳を抱きしめて」などが挙げられます。本屋やネットショッピングでも売られており、おすすめです。

知念実希人のヒューマンドラマは単に内容が興味深いだけではなく、読者に問いを投げかけてきたり、考えさせるような工夫が施されているのが大きな特徴です。私たちの人生と大いに関連している場合もあります。

生々しい権力闘争や面倒くさい人間関係など、読んでいて共感できるものが多数ありとてもおすすめです。代表作として「ひとつむぎの手」などが挙げられます。

知念実希人の小説を選ぶ際、その作品の長さも重要なポイントになってきます。ここからは、知念実希人の作品の長さでの選び方について解説します。ぜひ参考にしてください。

どんなに知念実希人の作品を読みたくても、学生の方や会社員の方には「時間がない」場合が多いと思います。そんな方には、短編小説がおすすめです。

短編小説であるからといって、内容が薄いわけではありません。ページが少ない分、内容が濃くなっているので、時間がない中でもしっかり読めます。

知念実希人の作品が読みたい方の中で、たっぷりと時間がある方は長編小説がおすすめです。長編小説はストーリー展開がより複雑になったり、意外な結末になったりする場合が多いです。

また、短編小説よりも長編小説のほうが知念実希人の世界観をより深く感じ取れるため、とてもおすすめです。時間のある方は、ぜひ試しに読んでください。

ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞してデビューした知念実希人は、近年連続して本屋大賞にもノミネートされ、順位を上げてきています。

知念実希人のデビュー作ともなったこの「レゾンデートル」は、2011年「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の受賞作です。2012年に初出版された時は「誰がための刃　レゾンデートル」のタイトルで発表されました。

タイトルのレゾンデートルとはフランス語で、自分が生きるための理由、存在価値を意味する言葉です。誰のための、なんのための存在価値であり、生きる理由なのかといった問いに対する答えと、小説の謎解きがリンクするスリリングな展開のストーリーとなっています。まだ、知念実希人の作品を読んでいない方にはおすすめの一冊です。

2017年に発表された「崩れる脳を抱きしめて」は、作家デビュー5周年記念作品ともなった意欲作です。毎回どんでん返しのストーリー展開で読者を引き込む知念実希人ですが、この作品でもいい意味で読者を裏切る展開が続き、夢中で読む方が絶えません。

この作品では、研修医として働く主人公が神奈川の病院で出会った脳腫瘍の女性患者が亡くなった知らせを受け取るところから、一気に謎につぐ謎が浮かび上がってくる仕掛けになっています。

担当編集者からの提案を受けて、作者としても初めての恋愛小説に挑んだこの作品は、謎解きはもちろん、ミステリーとしても読み応え充分の作品です。

知念実希人の代表作の1つとも言える「天久鷹央」シリーズ。これまでに全9作が発表され、2019年8月には最新作となる10作目の「魔弾の射手」が出版されました。鷹央と小鳥遊の2人を中心に、統括診断部に持ち込まれた数々の謎を解き明かしていくミステリーです。

診断医・博覧強記の頭脳の持ち主として鷹央がその能力を発揮するストーリーは、医学の知識がない方にも納得のいく痛快さを兼ね備えています。このシリーズは、各作品は関連するものの続編ではなく独立した作品となっているので、読む順番は問題ありません。

ペットの猫や犬は、人間と会話はできないけれど側に寄り添ってくれます。そんな猫や犬が実は死神だったとしたら、といった設定でストーリーが展開されるのが「死神」シリーズです。第一作は犬が死神の「優しい死神の飼い方」、二作目は「黒猫の小夜曲」の黒猫です。

どちらも死を巡るストーリー展開ながら、二匹の死神たちの愛くるしさや、取り巻く周囲の人たちの優しさで、読み終わる頃には心が温まります。

若手医師の九十九勝己が、勤めていた大病院で当直の際に医療事故を起こして職場を追われ、かつての恩師の紹介でワケ有りな関係者が集う神酒クリニックへと転職した小説です。現在まで2作が単行本化しています。

それぞれ天才的な技量を持ちながら、大病院や大学病院といったいわゆる白い巨塔ではうまく立ち回れない個性的な面々の中で、戸惑いながらも次々に持ち込まれてくる医学的・謎解きとしての難題に立ち向かうストーリーに引き込まれていきます。

登場人物の1人である天久翼は、知念実希人の「天久鷹央」シリーズの主人公・天久鷹央の兄の設定になっているので、天久鷹央ファンにもぜひ一読してほしい作品です。

祈りのカルテシリーズは、病院の研修医である主人公が医療現場で起こるさまざまな謎を解き明かすミステリーです。主人公が患者に真摯に向き合い秘めた思いに迫っていく様は、ミステリーでありながら温かい気持ちになります。

祈りのカルテシリーズは2作品出版されています。シリーズ順番は1作目が「祈りのカルテ」2作目が「祈りのカルテ 再会のセラピー」です。また、「祈りのカルテ」は短編5話、「祈りのカルテ 再会のセラピー」は短編3話で構成されており、知念実希人作品が初めての方でも読みやすい作品です。

シリーズ化された知念実希人の作品のうち「天久鷹央」と「神酒クリニック」はそれぞれコミック化、映像化されています。両作とも原作と見比べてみるのも面白い作品です。

知念実希人の大人気小説シリーズ「天久鷹央の推理カルテ」のコミック化作品は、新潮社のコミック・バンチで連載され、現在4巻まで発売されています。作品のキャラクター造形は、文庫の表紙デザインを手がけている、いとうのいぢです。

収録されているのは小説版の第一作目「天久鷹央の推理カルテ」に収録されているストーリーと、第二作目の「天久鷹央の推理カルテ ファントムの病室」のストーリーです。小説で読むのとはまた違った楽しみがあると原作ファンからも人気を集めています。

「神酒クリニックで乾杯を」の続編である「神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶」を原作として、BSテレ東で放映されたドラマ「神酒クリニックで乾杯を」です。主人公の九十九勝己に三浦貴大、院長の神酒章一郎に安藤政信などのキャストで話題になりました。

また、一話完結の連続ドラマとして放映されたため、小林幸子や高須クリニック院長の高須克弥、安達祐実といった毎回の豪華なゲスト出演者も話題でした。

原作の世界観をそのままに実写化した作品となっているので、原作のファンはもちろん、小説をまだ読んでいない方にもおすすめです。

知念実希人作品を読む順番としておすすめなのは、

1. 仮面病棟
2. 優しい死神の飼い方
3. 天久鷹央の推理カルテ
4. 無限のi
5. 祈りのカルテ

です。「仮面病棟」は映画化された作品でもあるので、読み始めにぴったりです。「優しい死神の飼い方」は初心者にも読みやすく、「天久鷹央の推理カルテ」「無限のi」は医療系の内容でも重苦しさがなく気軽に読めます。また、「祈りのカルテ」は2022年秋にテレビドラマ化されているので、小説と比べてみるのもおすすめです。

精力的に新作を発表している知念実希人の新刊予定は、2023年6月刊行予定の「放課後ミステリクラブ」です。本作は従来の大人のミステリー小説と全く同じ手法で執筆された児童書で、小学校中学年から読める内容となっています。児童書でありながら本格的なミステリーが楽しめるため、親子で読むのもおすすめです。

2021年における、知念実希人の作品の本屋大賞ノミネートはありませんでした。そのような中で、1位にノミネートされたのが、町田そのこの「52ヘルツのクジラたち」です。

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれていきます。涙すること間違いなしの感動ストーリーです。

知念実希人が「ムゲンのi」で8位となった2020年度の本屋大賞受賞作は、凪良ゆうの「流浪の月」です。この作品は、新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説といっても過言ではありません。

流浪の月が気に入った方は、同じ著者の「わたしの美しい庭」などの他の作品も読みたくなるはずです。ぜひ他の本も読んで、凪良ゆうさんの世界観をたっぷり味わってみましょう。

知念実希人が「ひとつむぎの手」で8位となった2019年度の本屋大賞受賞作は、瀬尾まいこの「そして、バトンは渡された」でした。中学校の教員だった経験を生かした作品もある瀬尾まいこの作風は、同じく医師としての見識に基づいた作品の多い知念実希人にも重なります。

実父母や継母、義父とさまざまな大人たちに囲まれて育ったヒロインですが、その人生に関わった大人たちそれぞれが彼女に対して抱いた気持ちに、心打たれるハートウォーミングなストーリーです。家族とは何かを改めて考えさせられる小説です。

知念実希人が「崩れる脳を抱きしめて」で8位に入った2018年の受賞作は、辻村深月の「かがみの孤城」です。主人公は学校でいじめに遭い、居場所をなくしている中学生の安西こころです。ある日鏡の中の城に入り込み、自分と同じようにワケ有りの中学生6人に出会います。

そこで出会った不思議なオオカミ様の取り決めたルールに従って7人は行動します。謎解きと伏線が絡み合う中、終幕でそのすべてが見事に収束していく様は圧巻です。知念実希人作品と同様のどんでん返しを楽しみたい方にはおすすめの作品です。

知念実希人は、「あなたのための誘拐」で2017年度本屋大賞で205位になりました。この年の大賞受賞作は、恩田陸の「蜜蜂と遠雷」です。直木賞とW受賞となったこの作品は、ピアノコンクールを目指して競い合う4人のピアニスト達を巡る青春群像となっています。

「蜜蜂と遠雷」は2019年秋に映画作品として公開も予定されています。知念実希人作品とはまた違った魅力のある作品ですので、ぜひチェックしてください。

知念実希人は、2016年は「仮面病棟」で本屋大賞にノミネートされています。同年の大賞受賞作品は宮下奈都の「羊と鋼の森」でした。ピアノ調律師の青年と彼を巡る人々との関わりと成長を描いたこの作品は、2018年にコミック化と映画化されています。

知念実希人が「優しい死神の飼い方」で初めて本屋大賞にノミネートされた2014年の大賞受賞作品は、和田竜の「村上海軍の娘」でした。史実にインスパイアされて書かれた長編時代小説であるこの作品は前年の2013年には吉川英治文学新人賞も受賞しています。

ここまで知念実希人の代表作を中心におすすめの人気作品をご紹介してきましたが、いかがでしたか。医療ミステリーとしての謎解きだけでなく、登場人物それぞれの心の綾が丹念に描かれた作品はどれも読み応え十分です。ぜひ気になった作品を読んでみてくださいね。