電工ペンチおすすめ13選｜ダイソーにある？圧着ペンチとの違いは？コスパ最強の100均も

車やバイクの配線作業を行う時にケーブルがすぐに外れてしまい、通りに仕上がらず困った経験はありませんか。そんな方におすすめなのが、圧着端子の固定を行える電工ペンチです。端子の形状に合った製品を選べば、カットやカシメ留めをきれいに仕上げられてケーブルが外れにくくなります。

電工ペンチは電気工作で使うイメージがありますが、電装品用・電気器具用など目的によって細かく分けられています。対応するギボシ端子の違いだけでなく、ダイソーなどの数百円で買えるものから、プロ用の高級な製品まで幅広く存在するので、電工ペンチ選びで迷う方が多いです。

そこで今回は、電工ペンチの選び方・圧着ペンチとの違いを解説した上で、最強の使い勝手を持つおすすめ商品をご紹介します。ワイヤーカッターやストリッパーなどの機能を持つものや、電工ペンチ以外の工具を代用する場合のリスクについても紹介するので、購入を迷われている方はぜひ参考にしてみてください。

配線に使われる端子の一部に圧力をかけて潰すことで、ハンダを使わずに配線を確実に接続するのが電工ペンチです。また、端子を圧着する以外にも、配線コードを切断したり、被覆を剥いたりといった配線に関わる一連のアクションまで1本でこなせます。

配線用の端子にはさまざまな種類のものがありますが、ギボシ端子は電工ペンチを使用しないと正しくのカシメ留めができません。電工ペンチで圧着したギボシ端子は、断面がハート形につぶれていて芯線に食い込んでいるのが特徴です。

電工ペンチと類似した工具が「圧着ペンチ」です。電工ペンチと圧着ペンチは、同じ工具として扱われる場合もありますが、圧着ペンチの役割は、端子をカシメ留めすることに特化されているのが特徴です。

一方で電工ペンチは、端子をケーブルにかしめる役割のほかにも、ケーブルの切断ができたり、被覆を剥いたりできます。電工ペンチを持っていれば、圧着ペンチは必要がなく、ニッパーやワイヤーストリッパーなども必要がありません。

家電製品の配線作業には、「電気器具用」の電工ペンチがおすすめです。電気器具用の電工ペンチには、多くの家電製品に使われている絶縁端子や、裸圧着端子を圧着するためのダイスが付いています。

絶縁端子はサイズに応じて赤・青・黄に色が分けられていますが、電工ペンチのダイス部分も絶縁端子のサイズに応じた色分けがされています。また、電気器具用の電工ペンチは、家電製品の配線作業に便利なように特化されているのが特徴です。

自動車の12Vコードなど、電装品のDIYには「電装品用」の電工ペンチをおすすめします。電装品用の電工ペンチのヘッド部分には、オープンバレル端子・ギボシ端子・ファストン端子の各端子に対応するためのイグニッションターミナルが付いているのが特徴です。

また、端子の圧着を行う機能のほかに、ワイヤーカッターやストリッパー、ボルトカッターなどの機能を備えている万能型の商品が多いのも電装品用の電工ペンチの特徴です。

電気工作などのホビー用途で電工ペンチを使う方も多いようです。電気工作を楽しむための電工ペンチには、オープンバレル端子の圧着や、裸圧着端子の圧着などに対応するダイスが備わっている製品をおすすめします。

また、ホビー用の電気工作を行う際に、ラジオペンチやプライヤーなどの手近にある工具を代用したい方もいるかもしれませんが、本来の用途とは異なる使い方をすると端子のツメに正しく圧力をかけられません。ホビー用にも必ず電工ペンチを使いましょう。

スピーカーなどのAV機器の配線に使用されているのが「平形接続端子（ファストン端子）」です。電線同士の接続や、電線と端子の接続などに用いられており、AV機器ではレバー式のトグルスイッチの接続などに使用されています。

また、平形接続端子の圧着部には二カ所のツメがあるのが特徴です。電工ペンチを使用する際には、1つのツメをケーブルの被覆に食い込ませ、もう1つのツメはケーブルの芯線（銅線）に食い込ませて圧着します。

カーオーディオの接続などに使用されているのが「ギボシ端子」です。コネクタ部のオス（タブ）とメス（レセプタクル）の双方を組み合わせる構造で、脱着を容易に行えるのが特徴です。

平型端子と同様に、圧着部に二カ所のツメがあるので、電工ペンチを使用する際には、1つのツメをケーブルの被覆に食い込ませ、もう1つのツメはケーブルの芯線（銅線）に食い込ませて圧着させます。

電線と端子盤を接続するための端子として、最も一般的に用いられているのが「裸圧着端子」です。電工ペンチで圧着するときには、端子の圧着部分の銀口を上向きに置いて上下の歯で仮押さえをし、その状態に電線を挿入してオスダイスでカシメます。

また、裸圧着端子の圧着には歯口が一枚歯になっている電工ペンチが適合します。凹凸歯口で圧着端子を挟み込み、一カ所をカシメ留めする方法で圧着ができます。

「絶縁被覆付圧着端子」は、主に多芯を持った電線を接続するために用いられています。電線の圧着部は絶縁のために樹脂製の被膜（スリーブ）で覆われていて、接合面の形状にはストレート型と拡管型の2種類があります。

電工ペンチで圧着するときは、電線の芯線部と被覆部の二カ所を同時にカシメ留めします。電工ペンチの歯口にある芯線部と被覆部の位置を確認して、端子の方向を間違えないように注意をしましょう。

リングスリーブ型の圧着端子は、圧着部分が円筒形になっているのが特徴です。電工ペンチで圧着するときは、被覆を剥いた芯線をリングの中に差し込んで圧着します。適合する電工ペンチは、ハンドル部分の色が黄色になっているので、簡単に見分けられます。

そのほかの圧着端子の種類としては、「オープンバレル」と呼ばれる圧着端子もあります。平型端子とギボシ端子の一種と言えますが、円筒形になっている圧着部分の形状が開いているのが特徴です。

電工ペンチは基本的には適合する用途が決められているものですが、1つの電工ペンチでさまざまな作業に対応したい方もいるかと思います。そんな方は、万能タイプの電工ペンチを選ぶのがおすすめです。

万能タイプの電工ペンチは、ファストン端子・裸圧着端子・絶縁端子など複数の端子の圧着に利用可能です。万能タイプの電工ペンチを持っておけば、自動車の電装部品の配線作業や、家電製品の配線作業、DIYなど、さまざまな用途に対応できます。

電工ペンチを選ぶうえでは、圧着の仕上がり具合も重要なポイントです。圧着が思った通りに綺麗に仕上がらないのは、作業者の技量のせいだけとは限らず、電工ペンチの精度も大きく影響してしまいます。

接続端子の圧着は、ツメがハート形に潰されて芯線に食い込むのが理想の仕上がりですが、ブレがない電工ペンチを使えば、左右対称の綺麗なハート形に仕上がります。実際に使ってみないと分からない部分ですので、購入前にユーザーの口コミをチェックしておきましょう。

電工ペンチは、適合する端子のサイズに合わせたダイスが備えられています。たとえば、絶縁端子はサイズの規格ごとに赤・青・黄と分けられていますが、電工ペンチのダイス部分も適応するサイズに応じた色分けがされています。

また、さまざまな機能に対応している万能タイプの電工ペンチよりも、一般的には、専用の用途に特化した電工ペンチのほうが、多くのサイズの端子に対応しているものが多いようです。

電工ペンチを初めて導入する方には、多機能なタイプの製品がおすすめです。基本となる圧着の加工以外に、ねじ切りや被覆剥きもできる電工ペンチであれば、必要な作業に1本で対応ができて、端子盤の取り付けの際にネジの長さで困りません。

また、ネジが切断できるボルトカッターを備えている電工ペンチの種類は限られてしまいますが、ネジ山を潰さないように、ネジのサイズや材質に適合する電工ペンチを選ぶように注意しましょう。

多機能に対応する機能性電工ペンチをすでに持っている方には、圧着機能専用に特化された圧着工具や専門工具も揃えておくことをおすすめします。

圧着ペンチなどの圧着機能に特化した工具の中には、電工ペンチよりも多くの種類の端子の圧着に適合した商品もあり、大小多くのサイズの端子に対応している商品もあります。

電工ペンチの大きさは、長さが200mmから300mmまでのものが一般的ですが、長さが200mm以下のコンパクトなものを選べば作業中の取り回しが楽です。重量が軽いので小さな手の方でも扱いやすいのはもちろんですが、狭い場所で配線するときも快適に行えます。

また、コンパクトなサイズであれば、持ち運びや収納をする際にも便利です。各メーカーともコンパクトなサイズの電工ペンチを揃えていますが、コンパクトでも軽い力で圧着ができるように工夫が施された製品もあります。

多くの箇所の配線作業を行う方には、長時間の使用でも手が疲れにくい電工ペンチがおすすめです。ハンドル部分にスプリングを備えている製品であればハンドルの開閉が軽く、少ない力で圧着端子を挟めます。

また、ハンドルのグリップ部分は、程よい厚みと軽さを兼ね備えた製品がおすすめです。グリップの優れた電工ペンチを選べば、長い時間連続して使用するような場面でも握りやすく、手が疲れにくいといえます。

電工ペンチは、さまざまな価格の商品が販売されています。用途や機能によって価格帯は異なってきますが、購入する際に目安となる値段についてご説明します。

電工ペンチは、さまざまな価格帯の商品が用意されていますが、電工ペンチ初心者の方は価格が安くて手に取りやすい商品から試してみることをおすすめします。

ワイヤーカッターやケーブルストリップの作業も快適にこなせて、ボルトカットなどの機能も備えている製品が理想的ですが、およそ1千円台から2千円台程度で買えるものがコスパに優れた商品の目安といえます。

プロの方には、機能性に特化した高級な電工ペンチがおすすめです。端子の圧着などの基本的な機能のほかにも、使いやすさや疲れにくさにも配慮が施されているので、長く使っていくほどに手に馴染んでくれます。

プロ用としても使える高級な商品の価格帯は、およそ4千円台から1万円台で買えるものが目安です。高いように思う方もいるかもしれませんが、本職の方が長く使うことを考えれば、買っておいても決して損ではないです。

ペンチ類の老舗メーカーとして知られているのが「フジ矢」です。配管工事や電設工事に必要な工具類を数多く取り扱っており、熟練した職人の手によって小ロット生産が行われる製品は、自動車のメンテナンスなどの用途でも高い評価を得ています。

同社の電工ペンチは、プロが長時間使用しても疲れにくいラウンド型の刃を特徴としており、価格は万能電工ペンチが2千円台から3千円台。ミニサイズの電工ペンチで4千円台程度が目安となっています。

自動車メンテナンス用品をはじめ、工具類やカスタマイズパーツの企画から製造・販売を手掛けているのが「エーモン(amon)」です。プロショップへの製品提供だけでなく、一般に向けても製品展開をしており、電工ペンチも多くのユーザーから高い評価を得ています。

同社で標準的なタイプの電工ペンチは、車の電装部品の取り付けには必需品とされており、販売価格は1千円台後半が目安です。また、細配線作業に適したタイプは、1千円台の前半から半ば程度が価格の目安となっています。

プライヤー製品では世界的に評価が高いのが「クニペックス(KNIPEX)」です。電工ペンチは、圧着プライヤーなどの商品名で販売されており、コネクタの圧着のほかにワイヤーの切断やストリッピングなどに対応します。

オープンバレル端子の圧着に対応している電装品の配線作業に適したタイプの販売価格は、3千円台から4千円台程度が目安となっています。

京都機械工具(KTC)は、メーカー名どおり京都府の久御山町で工具の製造を行っています。ドライバーやレンチなどの、さまざまな種類の自動車整備用の工具を取り揃えていて、電装用の電工ペンチも販売しています。

幅広いサイズのワイヤーに対応しているので、太い銅線の接続も楽に行いたい方におすすめです。圧着端子を正確にかしめられる、プロ用の工具であるのにも関わらず、4千円未満で手に入るのも魅力的です。

名前だけ見るとアメリカンなイメージがありますが、実は日本の大阪府で1943年に創立した、国産工具メーカーとなります。国内で初めて圧着工具を製造していて、MARVELの電工ペンチは信頼性の高さで定評があります。

1本で配線作業を行える、多機能な電工ペンチが3千円程度で手に入るので、コスパと耐久性を重視する方におすすめです。プロ用の電工ペンチのラインナップも充実していて、電気工事士の技能試験工具セットも販売しています。

手頃な価格の商品が揃う100均のお店で電工ペンチを購入したい方もいるかもしれません。しかし残念ながら、100均のお店でも100円では電工ペンチを購入できません。

ダイソーなどの100均の中には、100円以上の商品を取り扱う店舗もありますが、そうしたところでは電工ペンチを取り扱っている場合もあります。販売価格は400円から1000円程度なので、100均のお店で買うメリットはあまりないといえます。

電工ペンチの代わりにラジオペンチやプライヤーなどの工具を代用する方もいるかもしれませんが、あまりおすすめできない使い方です。本来の用途とは異なる工具を代用すると、圧着のかみ合わせが不十分で、線が抜けてしまう場合があります。

また、正しく圧力をかけられないと、配線が不良を起こす原因にもなってしまいます。もちろん、本来の用途とは異なる使い方をされた工具が傷んでしまうことも理由として挙げられます。配線の作業をするときは必ず電工ペンチを使いましょう。

今回は、電工ペンチのおすすめ商品を紹介するとともに、商品を選ぶ時のポイントについて説明しました。電工ペンチは端子の種類や用途に適したものを選ぶのが大切です。この記事を参考にして、最適な電工ペンチを探してみてください。