【初心者はチェック】オーボエのおすすめ10選｜人気メーカー・セットも【値段は？】

オーボエの音色は、よく「愁いに満ちた音」といわれ他の管楽器にはない独特の美しい音色が大きな魅力となっています。そして魅力的な楽器である反面、その奥深さゆえに「世界一難しい木管楽器」としてギネスにも登録されているという一面もあります。

オーボエの前身は、軍隊などが使用していた「ショーム」という木管楽器で、これが17世紀頃に室内音楽用に小型に改良され、オーボエとして誕生したと言われています。現在では、オーボエは演奏中に調律が難しいことからオーケストラの演奏前の音合わせにオーボエが使われることでも知られています。

この記事では、オーボエの値段の相場や初心者セットの価格などと共に選び方などを解説していきます。また世界の「3大メーカー」や日本のヤマハなどの特徴などの紹介に加えて、おすすめのオーボエを10選紹介します。ぜひ最後までご覧になって、今後のオーボエ選びの参考としてください。

オーボエは、素材として使うグレナディラ材やローズウッドなどの木材が希少化しており、また構造が複雑で生産台数が少ないことから他の木管楽器と比べて、値段がやや高めとなっています。平均的な相場は大体40～70万円です。ほかに「初心者セット」として、10万円台から購入できるものもあります。

ただこのセットは入門モデルとして、低価格でオーボエが始められますが、構造がシンプルでキーが少ないなど繊細な音を表現したい場合は向いていません。また毎日練習するようなケースでは耐久性の面で不安があります。これから本腰を入れて始めたい方やサークル・部活などで使う場合は、30～40万円を目安にするといいでしょう。

本格的な演奏に使う場合や、レベルアップとして2台目を入手するような場合は70～90万円が目安となります。さらにプロを目指すようなケースでは、他の楽器と同じように上限が付けにくくなります。

オーボエが制作された17世紀当初は、国ごとや地方ごとに独特のキーシステムが用いられていました。その後、19世紀になるとオーボエ・システムの機械化を図ったトリエベール一族がキー方式を統一し「コンセルヴァトワール・ド・パリ」というパリ音楽院で採用されたキー方式がフランス式として一般的となっていきました。

現代のドイツやウィーン以外のオーボエの大半は、フランス式（コンセルヴァトワール式）が主流となっており、楽器店やネット販売などのオーボエはほとんどこちらのタイプとなっています。

「ドイツ式」のオーボエは、19世紀に主にドイツやロシアで用いられ主流となっていた「ジャーマン式（ドイツ式）」と呼ばれたタイプのオーボエです。このジャーマン式（ドイツ式）は、現在では、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団など、ウィーンの奏者のみが使用している特別なオーボエで「ウィンナーオ－ボエ」とも呼ばれます。

やや丈が短く、鼻にかかったような明るく華やかな音色が特徴です。このウィンナーオーボエは、現在ではウィーンに特化した特殊な楽器ともいえますので、これから始める方は、まずフランス式（コンセルヴァトワール式）を入手して始めるのが一般的といえるでしょう。

「セミオートマティックシステム」のオーボエは、第1と第2オクターブキイを操作する必要がありますが、第2オクターブレバー付いており、替え指の柔軟性が高くなっています。またさまざまな曲に対応しやすく、比較的調整が簡単で扱いやすいため、現在世界中で広く使用されています。

そのため初級者用のモデルから上級モデルまで種類が豊富に揃っていますので、これから始める方にはセミオートマティックシステムが便利でおすすめです。

「フル・オートマティック・システム」は、第2オクターブのレバーがないので、運指や操作が楽ですが、構造が複雑なため、調整が難しく音程が狂いやすいという特徴があります。ただプロや上級者の中にはこのシステムを好み、微妙に操作して演奏されているケースもあります。

「グラナディラ」は、オーボエを始めクラリネットなどほとんどの木管楽器の素材として使われており、シックで落ち着いた黒い色合いが特徴となっています。また、素材そのものの比重が重く材質が緻密なので、音が遠くに飛ぶという特色があります。そのため、コンサートホールなどの広い会場での演奏に向いています。

「ローズウッド」は茶色系がメインとなっており、音がやわらかくほかの管楽器や弦楽器ともよく調和し、まとまりのいい音を響かせる点が特徴です。グラナディラほど音が遠くまで響かないですが、室内楽や小編成の合奏など屋内での演奏に向いています。

初心者の方は、1台目のオーボエにはグラナディラ、2台目としてローズウッドの素材を選んでみるのがおすすめです。

マリゴは、フランスのオーボエメーカーで、1935年にストラッサ―・マリゴ・ルメールの3人によって創業されました。かつてはオーボエのほかにサクソフォーンやフルート・クラリネットなども製造していましたが、1981年以降はオーボエとクラリネットに絞って制作しています。

オーボエの種類としては、セミオートやフルオートなど多様なモデルを揃えており深みのある音色が魅力となっています。世界の多くの著名なオーボエ奏者がこのマリゴのオーボエを使用しているケースが多いです。現在でも伝統を守り・受け継ぎながら未来に向けた新製品の開発にも熱心で、日々品質改良も行っている点が特徴です。

「ロレー」は、1881年にフランソワ・ロレーがパリに工房を開いた歴史のあるオーボエメーカーです。数々の革新的技術を生み出し、特に現在のオーボエの原型となっている「コンセルヴァトワールシステム」の開発が有名です。

正確な音程と高い品質を誇るオーボエがロレーの特色です。また小さい子供用の小型オーボエを開発し、それまで手が小さいので無理だと思われていた子供たちでも気軽に練習できる画期的なモデルとして瞬く間に世界的なスタンダードとなり、オーボエ演奏家増進に大きく貢献しました。

さらにロレー社創立125周年を記念して作られた「ロイヤル125」は、 伝統と革新的技術を美しく融合させたオーボエで、奏でられる音色は高貴でその完成度の高さはもはや芸術品の域に達すると言われ、多くの演奏家の憧れの的となりました。

「リグータ」は、1922年にパリで創業された老舗のメーカーで、親子3代に渡り楽器製造を続けています。ふくよかであたたかい音色のオーボエが特色で、初心者向けからプロ向けまで幅広い高品質のオーボエをリリースしています。

1951年には「ブリュッセル国際博覧会」において名誉賞を受賞し、その後も数々の栄誉を獲得しているメーカーです。また世界の一流演奏家の多くがリグータのオーボエを愛用していることからも、その音質の良さが分かります。

「ビュッフェ クランポン(Buffet Crampon)」は、1825年パリで創業された長い歴史を持つ楽器メーカーです。オーボエやクラリネットなどの木管楽器のほかにもトランペット・サックスなどの金管楽器を中心に幅広く制作しています。ヨーロッパやアメリカなど世界各国で高いシェアを誇り、名演奏家の協力により得たアドバイスなどを楽器つくりに反映しています。

またキイ･レイアウトは､どのような大きさの手にもなじむように人間工学を考慮してデザインされている点が特徴です。ビュッフェ クランポンは創業以来、卓越した楽器製造のノウハウを基に進化し続けてきており、その伝統に裏打ちされて制作されたオーボエの音色は、今も多くの聴衆のハートを掴んでいます。

「パトリコラ(Patricola)」は、1976年にイタリア北部で設立されたメーカーです。常に最高の品質を維持するためにパーツの製造から木材の加工・キィのメッキにいたるまで、すべての工程は自社内で手作業で行われています。

素材のグラナディラは10年以上風雨にさらし自然乾燥させています。このように手をかけて完成したオーボエは、思わず手に取りたくなるような艶やかな外観をしており、滑らかで明るい独特の音色を奏でます。これからオーボエを始める方から上級者まで、息の入りがスムーズで無理なく安定した音色を楽しむことができます。

オーボエを購入する際は価格も重要な検討点になります。オーボエは稀少な素材を使用していたり、部品の数が多く構造も複雑なので、他の管楽器より高価になりやすい面もあります。

これからオーボエを始める方やサークルや部活で演奏する学生さんは安い価格の中古のオーボエでまずスタートする方法もあります。ただ、キズや不具合がないか、また耐久性の点で問題ないか、できれば演奏経験者と一緒にチェックしてもらいましょう。

オーボエは、リードという2枚の弁を併せたものを吹き口に装着し、これを吹いて振動させて音を出します。リードは葦という天然素材を使用しているので個体差もあり、毎日吹き続けると、数日～2週間で寿命がくることがあります。

リードの値段はピンからキリまであり、完成リードは1本3,000円程度が相場です。このリードはとても繊細で、少しの衝撃で劣化したり、割れたりします。それを防ぐためにリードを入れるハードケースがあります。

リードケースは10～20本入りで、値段は2,000～5,000円程度で買えるものが多いので、リードはケースに入れて保管することをおすすめします。下記の商品紹介サイトを参照してください。

オーボエは、愁いに満ちた独特の音色が魅力で奥の深い楽器ですね。これからオーボエの演奏を始める方は、この記事を参考にされて自身に適したオーボエを入手して、人々を魅了するオーボエの演奏を目指してください。