夏用（3シーズン）テントで冬キャンプって可能？｜寒さの対策方法も

冬キャンプにチャレンジしたいけど、夏用のテントしか持っていないから無理だろうとあきらめてはいませんか。夏用テントは通気性がよく薄手の生地タイプが多いため、冬キャンプには使用できないと思うのも当たり前ですよね。

しかし、ポイントさえ抑えてしっかりとした寒さ対策をすれば、雪中キャンプもできます。寒い季節だからこそ、温かい料理を食べたり、熱々のスープを飲んで温まったりするのも冬キャンプの醍醐味ですよね。

そこで今回は、夏用テントで楽しく冬キャンプをする方法と、夏用テント（3シーズン）と冬用テント（4シーズン）の違いを解説します。また、暖房グッズを使うときの気をつけるべきポイントや、寒さ対策も紹介しますので最後までご覧ください。

3シーズン対応の夏用テントは、暑さをしのぐために通気性がいい構造になっています。地面とテント底の裾周りに隙間があいているので、風通しがよく夏でも快適に過ごせるように設計されているのが特徴です。

一方で冬用テントには、フライシートの裾部分にスノースカートが付いています。この機能によって、地面とテントの隙間がなくなり、冷風の侵入をシャットアウトして、テント内の温度を室外に逃さずに済むので保温性が高くなるのが特徴です。

夏用テントは、吸収速乾性があるナイロン・吸収性が低く雨に濡れても重量が変わらないポリエステル素材が主流です。ほかにも、厚みがあるコットン・ポリコットン生地（TC）も人気があります。

結露しにくく、通気性や吸収性に優れた丈夫な生地で、オールシーズン使用可能です。夏には外気温を遮断し、涼しい環境が確保できます。冬は厚手でしっかりとしたフライシートが付いていて、暖かさを室外に逃さないのが特徴です。

主に激冬期や積雪期で用いられるテントにはスノーフライが付いています。一般的なフライーシートは、雨漏りを防ぐために防水加工されていて、比較的に通気性が低いのが特徴です。

一方でスノーフライは、雪の影響を想定した構造になっています。スカート周囲が雪で覆われると通気性が悪くなり、一酸化中毒を引き起こす原因に繋がります。あえて通気性を良くするために、生地には防水加工が施されていない場合が多いです。

冬に夏テント使用する寒さの天敵は、テント下から吹いてくる冷気です。スカートが付いていないため、隙間をカバーする必要があります。積雪時の寒さ対策にもっとも楽で効果的なのは、テント裾と地面のスペースを雪で埋める方法です。

冷気がテント内に侵入しづらくなるので、保温性がアップします。もし積雪が少ないときは、高めのコットを使用して断熱シート・ブランケットを活用すれば、直接風を受ける影響がなくなり、体感温度を軽減するのにも効果的です。

夏用テントを使った冬キャンプは、寒さが身にこたえますが、換気をしないのはNGです。特に深夜から朝方にかけて氷点下になる場合があり、結露や雨に濡れてテントが氷結するおそれがあります。風通しが悪くなると酸欠のリスクが高くなるので、以下の換気法をおこないましょう。

テント内の酸素濃度が低下する時間は人によって異なりますが、せいぜい1〜2時間ごとに10分前後の換気をするか、入り口を半分ほど開けて寝るようにすると酸素が確保できて安全です。

ポリコットン生地のテントは、難燃性があるので室内で石油ストーブが使用可能です。暖かく快適に過ごせますが、外気温の差で結露が発生してしまいます。ポリコットン生地は、結露が発生しにくい素材ですが、あくまでもほかの素材に比べてです。

万が一結露してしまうと、通気性が悪くなりますので、過剰せずに一酸化炭素中毒になるリスクがあるのを考慮したうえで、アラームなどを活用し、換気対策をおこないましょう。

キャンプサイトのなかには、電源サイトが多く存在します。電気が確保できれば、ホットカーペット・電気毛布などが使用可能です。床・寝床が保温できるので、高価な冬用シュラフを買わなくても快適に過ごせます。

その際は電源とテントまでの距離を考慮して、10m以上の長さがある防水タイプの延長コードを使用するのがおすすめです。また、電源サイトで使用できる平均のA数（アンペア）は10〜20Aなので、前もって暖房器具のW数（ワット）を確認しておきましょう。

軍幕のパップテントは通気性・難燃性が高い高いポリコットン生地を採用しているタイプもあります。ソロキャンプ用のカマド式焚き火台と組み合わせたり、石油ストーブを使ったりして使うのも手です。

焚き火の場合は煙がテント内に充満しないように、炎と風向きを考慮してテントの設営をしましょう。いずれにせよ、一酸化中毒を引き起こす危険性が高いので、換気のほか一酸化炭素チェッカー（警報機）を使用するのも効果的です。

石油ストーブや焚き火でテント内を温めるのも効果的ですが、寝床自体を温かくするのが1番大切です。シュラフ・マットは妥協せずに、冬用に対応したモデルを使いましょう。シュラフは体にフィットするマミー型がおすすめです。フィルパワー800〜900（ダウンの質）・保温性は#1〜#2がベストです。

マットの断熱性を表すR値は、4以上のタイプを選べば、底冷えを防ぎ温かく寝れます。重ね着などの防寒対策もおこなうとさらに保温性が高くなります。

暖房器具を活用したり、冬用のシュラフ・マットを使ったり、重ね着装備をしたりすれば、夏用テントでも冬キャンプが楽しめます。特に酸欠や、一酸化炭素中毒には気をつけて、しっかりと換気をおこないましょう。