猫用腎臓療法食おすすめ16選｜ウェットフードも！食べてはいけないものは？

腎臓疾患は多くの猫が通る道であり、慢性腎臓病と診断されれば完治しない病気です。高齢の猫は多かれ少なかれ腎臓にトラブルを抱える傾向にあるため、猫の飼い主にとって他人事ではありません。

老猫の腎臓病はやっかいですが、多くのメーカーが猫の腎臓療法食を販売しています。猫の腎臓病の進行を遅らせるには投薬や食事管理が効果的とされ、病気と診断される前や数値が少し高いときなどに食事療法を医師からすすめられる場合が多いです。また、クレアチニン値を下げると腎臓病予防にも繋がるため、日頃の食生活が重要となります。

そこで、今回は猫のための腎臓病療法食の選び方や美味しい国産市販のドライ・ウェットフード、缶詰などのおすすめキャットフード を紹介します。なお、療法食を与える前に、まずは獣医師への相談をおすすめします。

腎臓病とは腎臓を悪くして機能が低下する状態であり、猫の場合は食欲不振・嘔吐・けいれん発作・体重減少などの症状が出てしまいます。猫が腎臓病になる原因は外傷からのウイルス侵入やウイルス感染、薬物中毒などがあるので把握しておきましょう。

クレアチニンの濃度が上がると、腎臓の機能が低下し腎臓病にも繋がるので注意が必要です。クレアチニンの基準値を表すと、以下のようになります。

また、クレアチニンを下げる方法として以下のような方法があります。定期的な検査や医師とよく相談しながら行ってください。

• 薬やサプリメント
• 皮下補液を行い、腎臓に行く血液量を増やす
• リンやタンパク質の制限し、高品質なタンパク質を与えるなどの食事管理
• 水を飲ませて老廃物を尿として体外に排出する

そもそも療法食と総合栄養食の違いについて、整理します。療法食は治療のために栄養成分が調整されたフードを指します。猫の症状によってさまざまな種類が販売されているため、使用する際には病院での十分な相談が必要です。

一方で総合栄養食は、普段の食事で与えるためのフードを指します。健康な猫は基本的な栄養のあるフードと水があれば、健康状態の維持が可能です。

猫用腎臓病療養食は、水分の含有量によって、カリカリとしたドライフードとしっとりとしたウェットフードに分かれます。

猫ちゃんのフードの種類で、カリカリとした食感の硬いドライフードがあります。永久歯が生えた子猫や、成猫向けのフードです。 ドライフードはウェットフードと比べて、食べ応えがあり噛む力を衰えさせない効果もあります。

同じ種類の腎臓療養食でも、ドライフードの方が栄養価が高いです。ただしドライフードだけでは、水分不足になりかねないので注意しましょう。

水分量が高いのがウェットフードです。あまり水を飲みたがらない猫ちゃんは、ウェットフードによって水分量を補給してあげる必要があります。与える量やバランスは、医師と相談しましょう。

体内の水分量が少ないと、おしっこが濃くなってしまったり、上手く毒素を毒素に出せなくなったりする危険性もあるので、ウェットフードによる補助は大切です。ウェットフードはドライフードよりも栄養価が低いため、ドライフードと合わせて与えましょう。

猫用腎臓療法食を選ぶ際に注目していただきたいのが、どのような成分が制限されて作られたフードであるかです。主な成分はリンやナトリウムで、腎臓の機能が低下している猫は、血中のリン濃度が高くなりやすく、腎機能の低下を進めてしまいます。

腎臓のケアを推奨された猫の場合は、リンの量が0.3%から0.6%に制限されたフードが最適です。またナトリウムは、腎臓の負担や血液のろ過に負担をかける傾向があるため、腎臓に疾患のある猫ちゃんには、ナトリウムがある程度制限されたフードをおすすめします。

腎臓療養食選ぶ際には、高たんぱくではないものを選ぶのも重要です。リンを制限する必要がある猫には、ミールや高たんぱく系フードはおすすめできません。一方、 副産物が使用されていないもの、動物性たんぱく質系のフードは消化に良く、腎臓に負担をかけにくいのでおすすめです。

ただし、魚系のフードは商品によりリンが多い場合もあるので注意しましょう。 また、たんぱく質の適正量は、それぞれ猫の病状や状況によっても異なります。かかりつけの専門医と相談するのが大事です。

腎臓は血液をろ過する働きがあるため、血液がサラサラの状態だと腎臓の負担を軽くできます。オメガ3脂肪酸の代表的なものは、マグロやサーモンに含まれているEPAやDHAです。

オメガ3脂肪酸は猫の体内では生成されないので、食事から取る必要があります。したがって、できるだけオメガ3脂肪酸を含む療法食を与えるようにしましょう。

ロイヤルカナンはペットフードの最大手企業で、フランスに本社があります。ペットの栄養学の科学的な研究成果に基づいて、各種のペットフードを発売しているのが特徴です。体調不良のペットのための療養食も販売していて、猫の腎臓療養食もこの範疇に含まれます。

ヒルズはロイヤルカナンと並ぶ大手メーカーです。ペットの年齢や体格に合わせて適切なフードを提供する「サイエンス・ダイエット」が有名ですが、猫の腎臓療養食に関しては、病気のペットの食事管理を目的とした「プリスクリプション・ダイエット」から、多くの商品を発売しています。

スペシフィックはデンマークのメーカーです。欧州ペットフード産業連盟による安全性や安全基準を満たしたフードを販売しています。合成着色料や合成フレーバー、酸化防止剤なども使用せず、鶏肉や魚などの天然フレーバーを使用しています。

ピュリナワンは、コーヒーなどで有名な「ネスレ」のペット向けブランドの一つです。猫や犬向けの健康維持やサポートのためのフードを販売しています。免疫や消化吸収、健康的な体格などの健康6要素を満たすための栄養を配合したフードを販売しているのが特徴です。また、子猫・成猫・シニア猫など成長に合わせたフードも選べます。

腎臓療養食を選ぶときに欠かせないポイントとして、医師としっかり相談してから選ぶのが重要です。腎臓に病を抱えていなくても、腎臓ケアの食事療法をすすめられる場合は珍しくありません。

また、医療食は細かく種類が分かれており、腎臓療養食だけでも腎臓病や下部尿路などたくさんあります。特定の症状のために栄養バランスが組まれているので、医師からの正確な商品を指示が必要です。

子猫の段階でも、血液検査や尿検査の結果によって腎臓療養食に切り替えるケースもあります。健康診断の結果から、いつから療養を始めるか・どの療養食がおすすめなのかしっかりと獣医師と相談しましょう。動物の命に関わるため、決して独断で決めないようにしてください。

腎臓療養食には、さまざまな味のバリエーションがあります。ケア商品であっても味にこだわっているのです。獣医師から指定されたメーカーに注意しながら、猫の好みの味を見つけてあげてください。

また、猫にも好みがあるため、ドライフードの方が好きな子やウェットフードを好む子に合わせて選びましょう。偏ってしまわないようにするために、ドライフードとウェットフード混ぜてあげるのもおすすめです。

そのほかにも、朝はチキンにして夜はドライフードとフィッシュ系の味にするなど、飽き性の猫ちゃんにも食べてもらえるように、ローテーションで与えてあげてください。

猫ちゃんの食いつきが悪い場合は、そのフードの食感を嫌っている場合も考えられます。べたべたしたウェットフードが苦手な子、小さい粒のドライフードが食べにくいと感じる子など、好みはさまざまです。

もしも特定のフードだけを食べない場合は、食感が苦手だったり食べづらさを感じていたりする可能性も考えられます。腎臓療養食の中でも、どのフードを好むのか観察してあげてください。

猫が腎臓病になると体内の毒素を処理する能力が悪くなり、食欲が落ちてしまうため、同じ療法食を食べ続けてくれなかったり、開けて時間が経って香りが落ちたキャットフードには見向きもしなくなったりする場合もあります。

このため、療法食を買う場合はサンプルや小さな袋に入ったものが手に入ると、猫の好みを確認しながらいつでも新鮮な状態の療法食を与えられるのでおすすめです。

腎臓系の病気を診断された猫の場合、たんぱく質とリンが高い食事は避けるように心がけてください。猫用のおやつであっても例外ではありません。おやつに関してはうっかりしがちなのですが、煮干し系のおやつやお刺身といった食品はたんぱく質とリンが高く、腎臓の悪い猫にはおすすめできません。

おやつをあげる場合は、栄養素に注意するか療法食として作られたものをあげるように心がけるのが大切です。また、食事をしなくなってしまうのは好ましくないので、おやつと合わせて量を調節しましょう。

塩分の多い食べ物は猫に適していません。たとえば白身魚でも、塩やタレに漬け込んだ調理済みのものだと塩分過剰摂取のリスクを伴います。塩分を過剰摂取すると嘔吐を招くほか、腎臓にいっそうの負担をかける可能性もあり危険です。

一昔前は、人間と同じものを食べさせたり、人間のご飯に出たおかずを別けて猫に餌としてあげる家庭も珍しくはありませんでした。しかし、人間の食べ物は猫などの動物にとって、栄養化が偏っていたり、塩分過多である場合がほとんどです。

せっかく腎臓療養食によって体の栄養バランスを保っているのに、人間の食事を与えてしまったら意味がありません。猫が欲しがる時もあるかもしれませんが、人間の食事は与えないように心がけましょう。

猫の多頭飼いをしている場合には「腎臓療法食が必要な猫の餌を、ほかの健康な猫が気に入って一緒に食べてしまう」といったケースが起こり得えます。健康な成猫である限り特別な問題は起こりませんが、トラブルを起こさないための注意点を、以下にまとめました。

• 腎臓療法食はタンパク質やリンが制限されているので、長期にわたって腎臓療法食だけを食べる場合は栄養バランスなどに気をつける
• 成長期や妊娠・授乳期の猫の場合、腎臓療法食だけを食べているとマグネシウムやカルシウムが不足する場合がある。このような猫には健康な猫向けのキャットフードを食べさせる

ここからは、手作りの猫の腎臓療法食レシピについて紹介します。

「鶏肉ときゅうりのっけごはん」

1. 鶏もも肉を猫が食べやすいサイズにカットし、きゅうりはみじん切りにする。
2. 鶏もも肉に少し水をかけて、レンジで加熱する。
3. みじん切りにしたきゅうりにごま油をかけたものを、フードに乗せる
4. 加熱した鶏もも肉を、加熱時に出た肉汁ごと3にのせる

「鶏みぞれあんかけ」

1. 鶏ささみを細かくさき、水を少し振ってレンジで加熱する
2. 大根をすりおろし、三つ葉も細かく切っておく
3. 鍋に水を入れ、鶏ささみを入れて加熱後すりおろした大根を加える
4. 煮えたら片栗粉でとろみをつけ、フードにかけたら三つ葉を乗せる

腎臓病の猫でも、運動をせずに一日中じっとしているわけではありません。下記のリンクでは猫の遊びに役立つおもちゃ類をご紹介していますので、ぜひご覧ください。

猫にとって腎臓疾患は、避けては通れない道です。多くの飼い主さんが、腎臓病の診断を受けて愛猫の健康のため試行錯誤しています。そんな猫と飼い主さんのために開発されたのが腎臓療養食です。 少しでも長く、大切な家族と一緒にいられるように腎臓療養食を上手に利用しましょう。