酒粕おすすめ15選｜スーパーなどどこに売ってる？美味しい酒粕を安く手に入れるには？

酒粕は、栄養素が豊富で美容にも効果があるスーパーフードです。酒粕の多くは、体にいいとされる甘酒や料理、美容パックなどにも使われており、その人気は近年ますます高まってきています。

そんな健康や美容におすすめの酒粕ですがスーパーに行くとたくさん売られていて「どれを選んでいいのかわからない」という方もいますよね。実は、酒粕はお酒の種類、または状態によって味がまったく違うものになります。

そこで、本記事では美味しい酒粕の選び方や人気おすすめ酒粕15選を紹介します。また、酒粕はどこで売ってるのか、美味しい酒粕を安く手に入れる方法などよくある疑問にも答えています。最後までご覧になってぜひ、お役立てください。

酒粕とは、米と米麴と水を発酵させてできる「もろみ」を圧力でしぼり、清酒とその後に残った固形物をいいます。酒米を醸造すると重量比で約25%となり、日本酒を搾る際の副産物であるため、アルコール分も残ります。尚、アルコールを添加していないものは「純米」と呼ばれます。

また、酒粕は日本酒を造る工程により、お米そのものとはまったく違う味や風味に変わり、ヒトが体内で生成できないアミノ酸などの栄養素も格段に上がります。高血圧や肥満など、現代病と呼ばれる疾患の予防にもなる高級食品として期待されています。

しかし、近年では食用としての酒粕の流通量は減少傾向となっています。これは、1975年以降より日本酒の生産量が減少していることや、大手を中心とした一部の日本酒メーカーが高熱液化仕込み（高温糖化法）を採り入れたことによるものです。

板粕は日本酒造りの際に、清酒と分離させる圧搾により丁寧にはがされた固形物です。適度な大きさに切り分けられていますが、少し硬く溶けにくいため水に漬ける時間を長くしてペースト状に溶かして使います。そのまま焼いて食べるという楽しみ方もあります。

酒粕が板状にとれなかったものをバラ粕といいます。お米を低温発酵させて造る大吟醸・吟醸酒の場合、米粒が溶けきらない場合が多く、ぼろぼろになったり柔らかすぎたりして板状に取れません。粕汁・甘酒・酒粕鍋・魚漬などの調理に使いやすいです。

「練り粕」は、板粕やバラ粕を練って柔らかいペースト状にしたものです。やわらかく溶けやすいので、そのまま料理に使えることから調味料に多く利用されます。練り粕に野菜や魚を漬け込むことで、コクが増して美味しくなります。漬物用酒粕も販売されているため、漬物を作りたい方は探してみてください。

バラ粕を練り込み棒状に押出して板粕状にしたものが「成形粕」です。「ニュー板粕」という呼び名もあります。近年では蔵元の機械化や人手不足により板粕を取ることが少なくなってきたため開発、製造された酒粕です。

酒粕は、スーパーの食品売り場や通販などで購入ができます。また、地酒を販売している専門店や日本酒を製造している蔵元でも購入することができます。ただ、一般的なスーパーでは置いてある種類が少ないことも多く、好みに合う酒粕を選ぶためには種類の多いAmazonなどの通販サイトで探してみてください。

酒粕を安く手に入れるなら、イオンやライフなどの大手スーパーがおすすめです。通販より種類は少ないですが、有名な新潟・八海山の酒粕などもあります。業務スーパーでも、酒粕は取り扱っています。他の食品と同じく容量が多く、コスパ的にはお得です。

酒粕はその作り方によって呼び方が決まります。大きく分けると「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」の3種で特定名称酒と呼ばれています。

• 吟醸酒▶米・米麴・水に加え醸造アルコールを使用、フルーティな味わい
• 純米酒▶米・米麴・水のみで造った米本来の旨みでふくよかな味
• 本醸造酒▶米・米麴・水に加え醸造アルコールが使用されており、さらりとしたクリアな味

この3種類から、さらに精米歩合（精米して残った米の割合）により日本酒の味や風味が分かれてきます。このように、お酒の種類によっても好みの酒粕を選ぶことができます。

酒粕は高い栄養効果をもち、健康や美容面でも優れた効能があります。利用するその目的によって酒粕のタイプを選ぶのがおすすめです。おすすめは以下のとおりです。

• 甘酒▶板粕・バラ粕・練り粕
• 味噌汁・粕汁▶板粕・バラ粕・練り粕
• 粕漬け▶練り粕
• 漬物・奈良漬け▶踏込み粕
• ケーキ・クッキー▶バラ粕・練り粕
• 酒粕パック▶バラ粕・練り粕
• 入浴剤▶バラ粕・練り粕

酒粕にはシミの元となるメラニンの生成を抑えるコウジ酸や、保湿効果にすぐれたアミノ酸が含まれ、お肌の調子を整えるパックとしても人気を集めています。

酒粕は廃棄するのほどの量があった以前に比べ、近年は年々手に入りにくくなっています。これは、日本酒の生産量の減少と大手ナショナルブランドの工場での高熱液化仕込み（高温糖化法）による「酒粕を出さない」融米造りが大きな要因。米をあらかじめ液化する造り方により、その量は大幅に減少しました。

また、酒蔵によっては季節により酒粕が売っていない時期があり、特に少量しか製造されていない日本酒の酒粕は入手困難に。しかし、新酒販売が始まる12月頃からこのときに取られた新しい酒粕は市場に出回り始めるため、お目当ての酒粕を購入する際にはこの時期がおすすめです。

酒粕は保存温度が高いと熟成していく食品です。これは酒粕に含まれる酵母が発酵を続けているためですが、未開封の場合と開封した場合では保存期間の違いがあります。

未開封の場合では、常温で冷暗所にて約3ヶ月保存できます。開封の場合、冷蔵では約6ヶ月、冷凍では約12ヶ月保存可能です。冷凍保存の場合は、普段使う量を平らにラップにくるみ小分けにしておくと使いやすいです。

酒粕には、米や麹の酵母由来の機能性成分が豊富です。栄養成分として、たんぱく質・炭水化物・食物繊維・ビタミン・ミネラル・有機酸が含まれ、その他にもペプチドやアミノ酸・麹菌・酵母・酵母菌由来のβ‐グルカン・葉酸など多くの栄養素が含まれます。

また、酒粕に含まれるレジスタントプロテインは美肌や美容にも効果がある栄養素です。腸内環境を整えたり、余分な脂質や糖質の吸収を抑えて体外へと運び出したりする働きにより、肌荒れや髪の毛のぱさつき・二枚爪などを防ぎます。

酒粕には、アルコール成分が含まれています。100g中8%～9%のアルコールが含まれており、そのアルコール濃度はビールよりも高いものとなっています。アルコールの沸点はおよそ80℃ですが、加熱することで1％ほどまで飛ばすことができます。

しかし、酒粕汁を食べただけで書類送検されてしまったとの事例もあり、車や自転車など運転する予定がある場合には控えた方が無難です。また、妊婦さんや子ども、アルコールに弱い方は特に気をつけましょう。

甘酒と呼ばれるものは一般的には2種類あります。一つは米と米麹で作った甘酒で、もう一つは、酒粕に砂糖などを混ぜて甘くしたものです。甘酒は麴に含まれるブドウ糖よりも酒粕に入れる少量の砂糖の方が甘みを感じやすいといわれます。

また、麴の甘酒よりも酒粕の甘酒の方がカロリーが低いともいわれています。このようなことから大人が楽しめる甘酒作りには、お米の甘みが強い「甘酒専用の酒粕」で作るのがおすすめです。

酒粕はそのまま料理に使うとクセが強い料理になってしまう場合があります。しかし、上手に利用すれば料理の味をワンランクアップしてくれます。

そんな酒粕と相性のいい食材が、ヨーグルト・クリームチーズ・味噌・マヨネーズです。これらの食材を酒粕と合わせると、コクのある味わいが生まれます。事前に、酒粕100ｇに対し50～70cc水かお酒で溶いた酒粕ペーストを作っておけば、簡単に料理に利用ができます。

また京都など関西地方で馴染みがある粕汁もおすすめです。根菜をたくさん使うため、栄養もあります。体が温まるため、寒い冬に作ってみてください。

酒粕とクミンの香り漂う「エスニック風ラムチョップ」は、ラム肉特有の臭みを気にせず美味しく食べられる一品です。

【材料】

• ラムチョップ…7本
• 練り粕…250～300ｇ
  　A（調味料）
• しょうがのすりおろし…大さじ1
• 塩…小さじ1
• クミンパウダー…大さじ1
• 塩・こしょう・サラダ油…各少々

【作り方】

1. 密封保存袋に練り粕、Aを入れて混ぜ「粕床」を作る
2. 塩・こしょうをまぶしたラム肉を入れて手でもみ込む
3. 冷蔵庫で1日～3日寝かせる
4. ラム肉を取り出し酒粕を洗い流して水気をよく拭く
5. フライパンにサラダ油を熱し、蓋をして弱火で焼く
6. 片面約3分ずつ焼いたら蓋を外し強火で両面に焼き色をつけ、途中、肉から脂がにじみ出てきたらクッキングペーパーなどで拭き取る

レモンを絞ることでさっぱりジューシーな「エスニック風ラムチョップ」が出来上がります。

酒粕の香りがほんのり漂う「酒粕ケーキ」は、バットで簡単に作れるおすすめスイーツです。

【材料】（バットサイズ：15×20cm）

ケーキ生地

• 酒粕…100g
• 薄力粉…100g
• 牛乳…200cc
• ヨーグルト…50g
• 卵2個
• 砂糖…50～60g
• レモン汁大さじ2

日本酒シロップ

• 日本酒…50cc
• 砂糖…15ｇ

【作り方】

1. オーブンは180℃に予熱、バットにクッキングシートを敷く
2. 酒粕をちぎって耐熱容器に加え、600Wのレンジで1分加熱。牛乳を少しずつ加えその都度よく混ぜる
3. ボウルに卵を割り入れ砂糖を加え混ぜ、ヨーグルト・レモン汁も加えて混ぜる
4. さらに【2】を加えて混ぜ、薄力粉をふるいながら加え、混ぜ合わせ生地を作る
5. バットに生地を流し入れ、5cmくらいの高さから3回程落とし空気抜きをする
6. 180℃に予熱したオーブンで40〜50分焼く
7. 耐熱容器に日本酒シロップ材料を入れて600Wのレンジで10〜20秒加熱し混ぜる

焼きあがったケーキの表面にシロップを塗れば、簡単、美味しい「酒粕ケーキ」の完成！

酒粕は栄養価の高さから、毎日の健康づくりに欠かせない食品といえます。ぜひ、ご紹介した酒粕の選び方や購入方法を参考に好みに合った酒粕を試してみましょう。