鉄のフライパンおすすめ22選！初心者にも使いやすくて安い製品も

プロの料理人が振るうフライパンといえば、鉄もしくは銅のイメージが強いですよね。洋食であれば銅製、そして中華なら鉄製が想起されます。中華料理で鉄フライパンが好まれる理由は、熱伝導率が高い上にタフだからです。

鉄フライパンは高火力に耐えられます。そのため、強火で一度にたくさん調理するのに最適です。特に炒め物・ソテー・蒸し焼きとの相性が抜群で、家庭でも本格料理を楽しむのに適しています。

一方で使い方・手入れの仕方にコツが要るため、やや敷居が高く感じる点も否めません。そこで本記事では、鉄フライパンの使い方・選び方・おすすめメーカー・おすすめ商品22選をご紹介します。盛りだくさんの情報をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

鉄フライパンのメリット・デメリットをまとめると下表の通りです。

テフロン加工されたフライパンと比べると、鉄フライパンは総じて慣れの必要な要素が多く、ある程度料理の経験を積んだ方・火気に慣れている方に適していると考えられます。

市販の鉄フライパンには保管中の錆び・劣化を防ぐために塗料・ワックス類が塗られています。これらを熱で溶かした後（空焚き）、鍋肌に油を塗ってなじませる（油ならし）作業がシーズニングです。

製品を開封したら表面を水洗いし、十分に乾かしたら空焚きして塗料・ワックス類を溶解させる必要があります。その後、塗料・ワックス類を流して再度洗浄・乾燥させたら、油とできれば野菜くずも投入し鍋肌に十分に油が馴染むように炒めればOKです。

商品によって推奨する方法が異なるため、取り扱い説明書を読みながら手入れしましょう。

鉄フライパンにおける洗浄時の注意点として、洗剤を使わないことが挙げられます。シーズニングの効果を継続させるためにも、お湯のみで手入れしましょう。ただしどうしても洗剤を使いたい場合は、洗浄後にシーズニングをやり直せばOKです。

鉄フライパンを手入れする際には、洗剤を使わないようにする旨を先述しました。そこで懸念されるのがゴキブリの存在です。鉄フライパンの鍋肌に残った油分・臭いがゴキブリを誘引し、キッチンに入り込んでしまう可能性があります。

対策としてはコンロ・シンク下などの収納スペースに保管するか、専用の箱・ケースに入れるといったものがおすすめです。ふた付きのタイプなら、ふたをかぶせて臭いを遮断するのも効果があります。

また、フライパンが入るビニール袋に入れ、手持ちの部分を輪ゴムなどで縛る方法もおすすめです。その後、ダンボールで保管すれば2重予防になります。侵入口がなく2重予防のため、ゴキブリ対策として最も効果的な方法です。

鉄フライパンの大きさは大型・小型の2タイプに分かれます。大型タイプは主に26cm以上のものを指し、3人以上のファミリーにぴったりです。 小型タイプは14～22cm程度のものを指し、一人暮らしに適しています。

一人暮らしでも本格的に調理したり、まとめて作り置きしたりする方には大型タイプがおすすめです。ただしサイズの大きいものほど重いため、バランスに注意しましょう。

フライパンの熱伝導率は素材のほか、厚みによっても大きく左右されます。鍋肌が厚いほど高い熱伝導による効率的な調理が可能で、鉄フライパンの場合は厚み1.6mm程度が目安です。じっくり火を通すステーキの調理には、厚さ2mm以上の製品をおすすめします。南部鉄器のように重厚なタイプは3～4mmのものが一般的です。

鉄フライパンのウィークポイントとして、重量が大きい点が挙げられます。直径24cm以上だと1kgを超える製品も少なくありません。基本的には強度が高いものほど鍋肌が厚く、高い熱伝導率を期待できるものの、相応に重量も大きいです。

一方、軽いものほど取り回しがいいものの、強度・熱伝導率は低いためバランスに注意する必要があります。

木製の持ち手は手になじやすく、グリップ力に優れています。そのため炒め調理のような煽る動作に適しており、中華料理を好む方におすすめです。

デメリットは金属製の取っ手と比べて、劣化の早さが挙げられます。熱・水分によって徐々に劣化するほか、本体との接合が弱ることによりグラつきが生じる可能性も想定しておきましょう。

ステンレスは金属の中でも熱を伝えにくい素材です。調理中に手元が熱くなりにくいほか、錆び・汚れに強く手入れしやすいため、衛生的に使えるメリットがあります。シルバーを基調とした外観はスタイリッシュで、デザインを重視する方にもおすすめです。

しかし、木製・樹脂製と比べて重量が大きい点を考慮しておきましょう。

樹脂製の持ち手には軽くて握りやすいメリットがあります。熱を遮断するため手元が熱くなりにくく、火傷の心配もわずかです。

注意点としては木製と同様、劣化のリスクがあります。また、高温なものに触れると溶ける可能性があるため、極端な強火は避けましょう。

着脱式取っ手のタイプは1つの取っ手をフライパン・鍋でそれぞれ使い回せるため、別々のメニューを調理する際に便利です。鉄フライパンではわずかに限られるものの、有名ブランドではリバーライトのCOCOpanシリーズで採用されています。

スタッキングできるタイプなら持ち運び時に取っ手を外しておけば、フライパン・鍋の本体部分のスペースのみでOKです。省スペースで保管できる点は大きな魅力といえます。

網・ふたが付いた鉄フライパンなら、自宅でのスモーク調理が可能です。ハム・ソーセージ・するめなどをスモークすれば、バルさながらのおいしいつまみを作れます。網を外してふたをかぶせればソテー・蒸し調理もOKで、深型タイプならより安心して調理可能です。

オール電化の家庭のように、熱源がIHコンロの場合はIH対応製品を選ぶ必要があります。電気を通しやすい鉄フライパンの大半はIH対応であるものの、一部の製品にはガス火専用タイプもあるため要注意です。なおIH対応フライパンはガス火専用タイプよりも、重量が大きい製品が多く出回っています。

先述の通り、多くの鉄フライパンには塗料・ワックス類が塗られているため、使い始めに空焚きとシーズニングを行うのが一般的です。しかしシーズニング不要タイプの製品なら上記の行程を省略してすぐに使い始められます。そのため、空焚きが心配な方や初心者にもおすすめです。

無印良品の鉄フライパンは、ブランドコンセプトに沿ったシンプルな設計が特徴です。デザインはスタンダードながら、ハンドルまで鉄製の本格仕様で高火力での調理に適しています。優れた蓄熱性から、焼き・炒めのムラがありません。22cm・26cmの2サイズ展開です。

パール金属はフライパン・鍋といった調理器具のほか、食器・ナイフ・フォークといったキッチン用品全般を取り扱う総合メーカーです。フライパンではサイズに対して非常に軽量な製品設計が特徴で、多くの方に愛用されています。

ホーロー加工に代表される優れたコーティング技術にも定評がある、使い勝手がいいフライパンです。汚れ・焦げ付き・こびりつきなどから鍋肌を守り、長寿命を実現しています。

リバーライトは鉄製調理器具のエキスパートです。フライパンのほか炒め鍋・天ぷら鍋・餃子鍋・クレープパンなど、一般的な調理器具をほぼ網羅した圧倒的なラインナップを誇ります。

極（KIWAME）シリーズは代表的なブランドです。フライパンでは「極 JAPAN」「極PRO」の2シリーズを展開しています。日本製ならではの高品質で、プロからの評価も高いメーカーです。

タークはドイツの鍛冶職人、カール･ターク氏が1857年に創業したフライパンメーカーです。銑鉄を叩いて成形するクラシックパンはブランドの代名詞で、ワイルドな質感と強靭な耐久性によりキャンプ向けフライパンとして熱烈な人気を獲得しています。キャンプ時には焚き火にかけて使うユーザーも少なくありません。

柳宗理は20世紀に活躍した著名デザイナー、柳 宗理氏が立ち上げたブランドです。調理器具だけでなく建築・家具・美術・玩具などあらゆる分野に精通し、戦後日本の発展に大きく貢献した実績があります。

柳宗理の鉄フライパンはコンパクトなミニパンが主流です。おすすめはステンレス製の蓋が付いたセット商品で、見た目にも重くなりがちな鉄フライパンにスタイリッシュな印象をもたらします。

及源は南部鉄器の伝統的な老舗メーカーです。フライパンだけでなくさまざまな調理器具を製造しており、ホットサンドメーカー・グリルパン・鍋など充実のラインナップを誇ります。南部鉄器をリードするメーカーの1つで、他社とのコラボ作品も多くフレッシュな話題性も豊富です。

「お値段以上」のキャッチコピーで人気のニトリは、自社ブランド品のみながら豊富な品揃えが魅力です。調理器具も充実しており、中でも鉄フライパンはほど良い重みのある本格仕様となっています。同じ素材の炒め鍋は30cmの大型タイプで、ファミリー用にぴったりです。

鉄フライパン購入後に正しくシーズニングを行えば、長く愛用できる使いやすい鉄フライパンに仕上がります。料理を台無しにしないためにも、正しいシーズニング方法を確認しておきましょう。下記で鉄フライパンのシーズニング方法を解説するので、ぜひ参考にしてください。

新しい鉄フライパンを使い始める際には、空焼きが必要です。一般的に鉄フライパンは出荷時に、サビを防ぐために防錆加工されています。空焼きはフライパンに施されている防錆加工を取り除く作業です。

防錆剤には食品衛生法をクリアしたものが使用されています。そのため、人体に無害ですが、調理後の料理の風味・味が変化する可能性があるため取り除くのがおすすめです。また、空焼きは高温の直火で鉄フライパンを熱する必要があるため、IH調理器を使用している方は空焼き処理済みのフライパンを購入しましょう。下記で手順をお伝えするのでチェックしてください。

• 中性洗剤を使用して鉄フライパンをしっかりと洗う
• キッチンペーパーなどで水分を拭き取る
• 鉄フライパンを火にかける（中火から徐々に強火に）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　たくさんの煙が出るので、しっかり換気しながら行います
• 煙が落ち着いてきたら横に傾けながら側面なども焼き、ムラをなくす　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　持ち手の素材によっては高温になるため、気をつけましょう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
• フライパン全体がきれいな青、玉虫色に近づいたら火をとめる　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　サイズによりますが15分〜20分程度かかります　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

鉄フライパンの空焼き後は、油ならしをします。油ならしは空焼き後のフライパン表面に、油膜をつくる作業です。油膜をつくり鉄フライパンの焦げ付きを防ぎ、フライパンをサビにくくさせます。

鉄フライパンは油ならしがなくても使用できますが、コーティーングされていないため焦げ付きやすくサビやすいです。しっかりと油ならしを行えば、フライパンの表面に油が定着します。焦げ付きやサビを防ぐためにも、油ならしを行なうのがおすすめです。下記で手順をお伝えするのでチェックしてください。

• 鉄フライパンに水分がない状態にする（水分があれば火にかける）
• 火が付いていない状態でフライパンに多めの油をひく
• 火を付けてフライパンを熱し、煙が出たら火をとめる（弱火から中火に）
• 粗熱がとれたら余分な油をオイルポットなどに移す
• 残った油はフライパンに馴染ませながら拭き取る（くず野菜などを炒めるとより馴染みます）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　香味野菜を炒めると、鉄のにおいが軽減します　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

鉄フライパンは普段のお手入れ方法を間違えると、せっかくしたシーズニングが取れてしまいます。シーズニングが取れてしまった場合には、油ならしが必要です。手間をなくすためにも、シーズニングが取れないように下記の手順でお手入れしましょう。

• 鉄フライパンの粗熱が取れる前にお湯を流しながら、たわしやササラでこすり洗いをする　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中性洗剤は使用しません
• 洗い終えたら水分を拭き取る
• 火にかけて完全に乾かす
• キッチンペーパーなどでフライパン全体に薄く油を塗り込む

シーズニングをしても使い始めたばかりの鉄フライパンは、油が定着しきれていません。より焦げ付きにくくサビにくい鉄フライパンにするためには、1ヶ月程度油ならしをしながら使用するのがおすすめです。使いやすい鉄フライパンにするために調理時には1ヶ月程度、下記の手順でフライパンを使用しましょう。

• 鉄フライパンを火にかけます
• よく熱されたフライパンに多めの油を回し入れます（弱火から中火で熱する）
• 全体に油が回ったら油分な油をオイルポットなどに移す
• 小さじ1程度油を追加し調理を始める

テフロン加工された合金製のフライパンとは異なり、鉄フライパンは鍋肌の表面が傷んでも復元可能です。鉄フライパンの焦げ付き・錆びは研磨作業で落とします。まずはサンドペーパーを用意し、焦げ付き・錆びの箇所を削りましょう。目の粗さは#120程度が目安です。

研磨が終わったら、クレンザーとスポンジで汚れ落とし・磨きを同時に行います。十分に乾かしたら、シーズニングをやり直せばOKです。焦げ付きはあるけど研磨作業するほどでもない時には、フライパンにお湯を入れて火にかけ、柔らかくふやかしてからヘラやたわしで洗い流しましょう。

鉄フライパンは使い込むほど、使いやすくなります。フライパン表面に油が馴染んだ鉄フライパンの使用方法を意識すると、より快適に使用可能です。ここで鉄フライパンで調理する際に抑えておきたいポイントをお伝えします。

• 焦げ付きを防ぐため、調理前にしっかりとフライパンを熱する
• 食材のくっつきを防止するため、気持ち多めの油を使う　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フライパンの表面温度は120〜180度が理想
• 焦げ付きを防止するため、調理終了後は食材をすぐ皿に移す

鉄フライパンには、向いている料理・不向きの料理があります。鉄フライパンは油を馴染ませながら使用するので、煮る・茹でる・蒸すなどの工程がある料理には不向きです。また、トマトの酸が鉄と反応してしまうためトマト料理も避けましょう。せっかく馴染ませた油が落ちてしまいます。

鉄フライパンでアクがある食材を使用すると、鉄と反応してフライパンが黒く変色する可能性があるため覚えておきましょう。人体への害はないので心配はいりません。鉄フライパンのおすすめ料には、餃子・肉類のソテー・アヒージョなどがあります。

テフロン加工された多くの合金製フライパンと比べると、鉄製フライパンの扱いには慣れ・コツが必要です。しかし、高火力でたくさんの料理を作るにはぴったりで、ランニングコストも優れています。本記事を参考に、ぜひ丈夫な鉄フライパンで美味しい料理を作ってください。