南部鉄器のフライパンおすすめ15選！軽いフライパンや岩鋳・柳宗理も！

伝統工芸品として知られる南部鉄器は、急須・鉄瓶のイメージが強いですよね。武家時代における茶の湯の文化的背景があるため、茶器として知られているのは自然なことです。しかし実のところ、現代では南部鉄器のフライパンが存在します。

南部鉄器フライパンの鉄をも上回る重厚なボディは、熱伝導率・蓄熱性に優れており高耐久で長持ち。また、手入れ時には洗剤を使わずお湯とたわしで洗うのが基本のため、環境にも優しく経済的です。

そこで本記事では、南部鉄器フライパンの基礎知識・選び方・岩鋳、柳宗理などのおすすめメーカー・おすすめ商品15選を口コミ付きでご紹介します。盛りだくさんの情報をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

フライパン用素材としての南部鉄器は、近年主流のアルミとは対極に位置づけられる存在です。非常に重厚で耐久性が高く、変形に強いのが特徴。テフロン加工なしのナチュラルな鍋肌により、食材の味わいをスムーズに引き出します。

厚さがあり直火にかけられるタイプも多いことから、キャンプ用調理器具としてもおすすめ。長年使い続けられるためランニングコストも優れており、使うほどに味わいが増すのも大きな魅力です。

南部鉄器フライパンのウィークポイントとして、重量が大きいことが挙げられます。南部鉄器の重量はフライパン用素材の中でも重いとされる鉄を上回り、2kgを超える製品も少なくありません。対応法としては敢えて小さめのサイズを選ぶか、一部メーカー製の軽量タイプを選ぶのがおすすめ。ただし軽量タイプはやや高額です。

南部鉄器フライパンでは、まず使い始めにシーズニング（油ならし）を済ませる必要があります。ある程度加熱して鍋底を油で満たしたら野菜くずを投入し、鍋肌に十分に油が馴染むように炒めましょう。鉄フライパンで行う焼き込み作業は不要です。

調理後に行う洗浄時の注意点としては、洗剤を使わないことが挙げられます。シーズニングの効果を継続させるため、お湯とたわしのみで手入れするようにしましょう。以降の洗浄時はお湯とたわしのみで、どうしても洗剤を使いたい場合はシーズニングをやり直す必要があります。

16～18cmは手頃なミニパンタイプです。他の素材の製品と比べて南部鉄器フライパンの場合は数が多く、また上のサイズに比べて重量が小さいため、力の少ない女性に適しています。ミニパンでも南部鉄器なら本格調理に対応できるため、アルミ製ミニパンではもの足りない方にぴったりです。

20～22cmのフライパンは一人暮らしにおすすめです。目玉焼きを2個焼ける程度のコンパクトなサイズのため、軽い朝食用やボリュームを控えめに抑えたい方にぴったり。非常に価格が安いので、一人暮らしを始めたばかりの学生にも適しています。

24～26cmのフライパンはサイズと重量のバランスが優れており、1～3人分の料理に対応できて取り回しも良好です。多くのメーカーで網羅しているサイズであり、好みのモデルを見つけやすいメリットがあります。

4人以上の家族や食べ盛りの子どもがいる家庭の場合はボリューム不足になる可能性があるため、より大きいサイズがおすすめです。

大人数のファミリーや本格的な料理には、28cm以上のフライパンが適しています。南部鉄器フライパンで28cm以上の市販品はほとんどありませんが、グリルパン・鍋タイプなら比較的見つけやすいです。

なお、このクラスになると非常に重いため、片手で使用するのは困難です。取り回し重視の場合は鉄フライパンも検討しましょう。

スキレットとは、主に鋳鉄製で厚みのある小型フライパンを指します。実際には鋳鉄以外の素材を使った製品も多く、 語源である英語“skillet”も「小型のフライパン」という意味であるため、厳密な縛りはありません。

スキレットは厚みと耐久性を活かし、強火で豪快に調理できるのが魅力。調理後は鍋敷きを敷いてテーブルに置き、食器に移さず直接食べるのが基本スタイルです。

ワンハンドとはいわゆる片手タイプのことで、家庭用の一般的なフライパンのスタイルです。鉄は電気を通すため、多くの南部鉄器フライパンもIHコンロに対応しています。特にオール電化の家庭では、ワンハンドの南部鉄器フライパンがおすすめです。

ダッチオーブンとは電化製品のオーブンレンジではなく、鍋の一形態です。縁取りされた蓋に炭火をくべられるのが特徴で、下からの熱源と合わせて挟み込む形で上下から食材を加熱します。厚みのある南部鉄器と非常に相性が良く、炭火でワイルドに調理できるためキャンプ用にぴったりです。

ホットサンドメーカーは、名前の通りホットサンドを調理するのに最適なタイプです。パンの間に食材を挟み込んで蓋を閉じ、火にくべれば専門店顔負けの本格ホットサンドを楽しめます。直火で使用できるため、キャンプ用調理器具として大人気。キャンプブームによって知名度が上がったアイテムの1つです。

深型フライパンは煮込み・蒸しにも対応できるマルチタイプで、調理器具を買い足したくない方にぴったりです。重い・かさばるといったマイナスのイメージが付きものですが、それらのデメリットを補う製品も開発されています。

ちなみに南部鉄器フライパンでは超深型タイプはほとんどないため、天ぷら・揚げ物を調理したい方には南部鉄器の天ぷら鍋がおすすめです。

蓋つきスキレットは、先にご紹介したスキレットの派生タイプです。蓋が付いており鍋のような使い方ができるため、煮込み・蒸し料理に対応できます。蓋の素材も南部鉄器で統一されているものが一般的ですが、ステンレスを採用して重量を抑えた製品も人気です。

ステーキのように高温で網目をしっかり付けながら調理するレシピには、グリルパンがぴったりです。整然とした網目の付いたステーキは視覚的にも食欲をそそります。パンに施された溝により余分な油を落とせるため、ヘルシーな仕上がりに。ソテー・鉄板焼きにもおすすめです。

一般的なフライパンでも卵焼きは作れますが、より質のいい焼き上がりを目指したい場合にはエッグロースターやオムレツパンがおすすめです。卵料理専用のパンは焦げ付きや焼きムラを減らし、不慣れな方でも上手に調理できるように設計されているのが特徴。仕上がりの違いに驚くこと間違いありません。

オムレツ・ホットケーキのように、生地を上手に焼き上げるプロセスが大事なレシピには厚さのあるフライパンが適しています。単にパンの中心部を集中的に加熱するのではなく、鍋肌全体の熱を高めてムラなく焼き上げる設計がポイントです。

南部鉄器フライパンでオムレツ・ホットケーキを調理する場合、厚さの目安は4～5mm程度がおすすめ。熱ムラが少ない分、美しく整った生地に仕上がります。

フライパン用素材の中でも南部鉄器は非常に重量が大きく、一般的に重いとされる鉄を上回ります。直径24cm程度で2kgを超えるものも珍しくありません。男性でも取り回しには苦労するため、女性にはかなりシビアです。

そこでおすすめなのが軽量タイプです。最近では岩鉄鉄器のダクタイルパンのように、南部鉄器でも重量の小さい製品が登場しているため諦めずに探してみましょう。

業務用の鉄フライパンのように、取っ手が金属製の場合は手元まで熱が伝わってくるため火傷のリスクを伴います。しかし木柄であれば熱を遮断できるため、火傷の心配も要りません。

注意点として、木柄は金属製の取っ手と比べて劣化が早いです。素材そのものの寿命のほか、本体との接合が弱ることによりグラつきが生じる可能性もあります。

南部鉄器は実はデザインが豊富なのも特徴です。おしゃれな形状・個性的なフォルムなどさまざまあるので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。おしゃれなフライパンを使うと、日常の料理も楽しくなります。

岩鋳は明治後期に創業した老舗メーカーです。盛岡市にある岩鋳鉄器館の製造工程見学は観光コースとして定着しており、工芸品の文化浸透・地域振興にも貢献しています。重厚でもシンプルで扱いやすい製品設計は、初心者にも優しく良心的。リーズナブルな価格設定も魅力的です。

及源は南部鉄器の伝統的な老舗メーカーです。フライパンだけでなくさまざまな調理器具を製造しており、ホットサンドメーカー・グリルパン・鍋など充実のラインナップを誇ります。他社とのコラボ作品も多く、フレッシュな話題性も豊富。業界をリードするメーカーの1つです。

岩鉄鉄器はダクタイルパンシリーズで注目を集めている話題のメーカーです。70年間培ってきた鋳物技術を結集し、独自のダクタイル薄肉化技術を確立。鋳造の難題を克服し、従来の鋳物と比べて半分の薄さを実現することで大幅な軽量化に成功しました。ダクタイルパンは2020年度グッドデザイン賞を獲得しています。

柳宗理は20世紀に活躍した著名デザイナー、柳 宗理氏が立ち上げたブランドです。調理器具だけでなく建築・家具・美術・玩具などあらゆる分野に精通し、戦後日本の発展に大きく貢献しました。

柳宗理の南部鉄器フライパンはコンパクトなミニパンが主流。おすすめはステンレス製の蓋が付いたセット商品で、見た目にも重くなりがちな南部鉄器にスタイリッシュな印象をもたらします。

釜定は100年以上の歴史を持つ老舗メーカーです。3代目代表の宮伸穂氏が自らデザイナーを務めており、南部鉄器の伝統技術と北欧デザインの影響を受けたモダニズムが共存しているのが特徴。人気作のシャロウパンは、著名料理スタイリストの堀井和子さんが推薦したことでも有名です。

南部鉄器の扱い方は、一般的なフライパンと異なる点もあります。ここでは扱うときに注意するべきポイントを2点紹介します。適切に使用して、南部鉄器のフライパンを長持ちさせましょう。

一般的なフライパンの場合、汚れがひどいと水につけて置く方が多いでしょう。しかし、南部鉄器は水につけておくのはNGです。逆に汚れが落ちにくくなってしまいます。使ったらすぐに洗って、清潔に保ちましょう。

食器や調理器具を自然乾燥している方も多くいます。しかし、南部鉄器のフライパンは自然乾燥するのはNGです。水分がついていると錆びの原因となるため、洗ったらすぐに火にかけて水気を飛ばしてください。フライパンの表面が乾いていくのが確認できたら、火を止めてお手入れ完了です。

敷居が高いイメージのある南部鉄器フライパンも、特徴を理解すれば十分使いこなせます。重さを心配している方でも、軽量タイプなら適応できる可能性大です。本記事を参考に、ぜひ南部鉄器フライパンで自慢の1品を作ってください。