紹興酒のおすすめ15選｜3年・5年の違いは？熟成年数期間別に紹介

紹興酒は中国の伝統製法で造られた、褐色のお酒です。中国では紹興酒は健康にいいお酒として知られており、タンパク質やビタミンなどの栄養素を豊富に含んでいます。そのため食欲増進・疲労回復といった効果を期待でき、家族や友人へのプレゼントとしても人気を集めています。

そんな健康に嬉しい紹興酒ですが、日本人では飲んだ経験のない方も多いはずです。その分、いざ紹興酒を飲んでみようと思っても、熟成年数やメーカーなどの違いがわからず、何を基準に選ぶべきか迷ってしまいますよね。

今回はそんなときに役立つ、紹興酒の種類・特徴やおすすめの飲み方について解説していきます。さらには、熟成期間3年~5年・8年~12年・18年以上それぞれのおすすめ人気商品もご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

蒸したもち米と麦こうじなどを原料に造られた醸造酒を「黄酒（ホアンチュウ）」といい、これを長年熟成したものを「老酒（ラオチュウ）」といいます。その中でも浙江省紹興で造られたものだけが「紹興酒」と名乗れます。

紹興酒ならではの味わいを楽しみ低方には、中国で一番代表的な元紅酒がおすすめです。元紅酒は、お米・水・酒母などを原料とする種類で、お酒と楽しむのはもちろん、料理にも活用しやすいのが特徴となっています。

元紅酒の多くは1～2年かけて熟成されるため、少し癖があるように感じる方もいるかもしれません。また他の紹興酒に比べて、含まれる糖分が少量なので、辛く感じる場合があります。初めて飲むのに不安がある方は、まずは少量から試してみるのがおすすめです。

口に合わないお酒を選んでしまうのが不安な方には、加飯酒を選ぶのがおすすめです。加飯酒は元紅酒に比べて、含まれるお米・麹の量が多いのが特徴で、4種類の中で最も日本人の口に合いやすい味わいとなっています。

加飯酒も元紅酒と同様に、料理に活用しやすい品種です。いつものレシピに少量追加するだけで、加飯酒ならではの奥深い香りを与えられます。日本でも多く出回っている種類なので、店頭で見かけた際はぜひ試してみてください。

大切な人へのプレゼントにはリッチで高級な味わいの善醸酒がおすすめです。善醸酒は他の3種類とは異なり、水ではなく元紅酒で仕込まれており、その分価格帯の高い商品が多いのが特徴となっています。

また善醸酒は、他の3種類以上にアルコールの度数が高いのも特徴です。甘味が強く飲みやすい味わいではありますが、特にお酒の弱い方は、一度にたくさんの量を飲んでしまわないように気を付けてください。

甘味の強い味わいが好みの方には、香雪酒を選ぶのがおすすめです。香雪酒は原材料に焼酎からできた粕が使用されているのが特徴で、紹興酒の4種類のなかでも特に強い甘さが特徴となっています。

ただし、飲み始めは甘くても、徐々に辛い味わいに変化していくのも特徴です。また、アルコール度数も高いので、お酒に強くない方や、初めて紹興酒を飲む方は少しずつ試すように心がけてください。

主な原料は「もち米」「麦こうじ」「水」ですが、紹興は中国屈指の水郷地帯で、良質な「鑑湖（カンコ）の水」を使っています. カンコの水は有機質が少なく、硬度が低いため、お酒に最も適した水だとされています。

紹興酒と同じ原料、同じ製法でつくったとしても、別の地域でつくられた老酒は紹興酒とは呼べません。上海でつくった酒は「上海老酒」、福建でつくれば「福建老酒」とつくった地域の名前がつきます。

紹興酒の主原料であるもち米の精米歩合は約90％で、ほとんど磨きません。そのため、アミノ酸が多く含まれています。また、小麦のタンパク質が麦こうじの酵素になって分解されアミノ酸になります。

アミノ酸と糖成分が化学反応を起こし、メラノイジンを生成します。メラノイジンは熟成すればするほど増加します。さらに、貯蔵する甕の鉄分が酒の中に溶け出し色が濃くなっていきます。

また、カラメル色素が入っている場合もあります。カラメル色素とは砂糖を加熱し、濃い褐色になるまで煮詰めた着色料です。カラメル色素によって着色はもちろん、コクを出したり、ローストしたような香りを加えられます。

紹興酒を貯蔵したり、熟成したりするときの入れ物を「甕（かめ）」といいます。口が大きく底の深い陶磁器です。メーカーによっては、発酵も「甕」に入れて行うところもありますが、発酵はステンレス製の巨大なタンクに入れて行うところもあります。

昔は女の子が生まれたときに紹興酒を1甕つくり、土の中に埋め、結婚するときに取り出し、「甕」に美しい絵を書いてお祝いの席で振舞われていました。これは「花彫酒」と呼ばれていました。現在は「花彫酒」は熟成して古酒になった紹興酒を表現する言葉に変わっています。紹興の人々にとっては「甕」は身近な存在だったようです。

紹興酒の3〜5年ものは、一般的には若い酒といわれています。まだまだうまみの元であるアミノ酸が熟成しておらず、深い甘みがないのが特徴です。3年ものは少し酸味があり辛口。5年ものはその酸味に若干の苦味が加わります。年数によってかなり味の違いがでるのが紹興酒の魅力です。

8〜12年ものの紹興酒は中熟成酒といわれ、香りが徐々に強くなってきます。8年ものは5年ものの苦味に加えて香りがたつのが特徴です。さらにまろやかさが加わり味に深みが出ます。12年ものになるとさらにまろやかになり、若酒と違いうまみ成分が増え甘く感じるのが魅力です。

まず目を引くのは色の濃さです。長期熟成すると、色に深みが増していきます。見た目も楽しめます。

次にアルコール香もほとんどないのに気づくはずです。口に入れるとほとんど酸味もなく、複雑で深みのあるうまみを楽しめます。また、飲んだ後の余韻に浸れます。

飲食店などで、紹興酒と並んで、老酒・花彫・陳年といった名前も目にしますよね。老酒・花彫・陳年はそれぞれ、熟成期間や作られた土地の違いを意味します。その他にも以下のような特徴があるので、購入の際はぜひ参考にしてみてください。

• 老酒
  長い期間をかけて熟成した黄酒を意味する。紹興酒だけでなく、他の黄酒が原料となっている製品も老酒と呼ばれる。福建・上海・蘇州などが代表的。
• 花彫
  元々は、おもてなしとして出すお酒を意味する名称で、女性の結婚時に飲まれるものだった。ただし近年では、長い間かけて熟成した黄酒・カメに注がれた黄酒などの総称となっている。
• 陳年
  台湾で長い期間をかけて熟成された黄酒を意味する。元々は紹興の地で製造された品種だけを指す名称だったが、近頃では台湾産黄酒を指す場合もある。

上質なもち米と麦こうじ、カンコの水をふんだんに使い、千年以上続く伝統技法を厳守して日々紹興酒づくりに邁進しています。大量の紹興酒を生産していますが、誠実につくりあげるのを理念に掲げています。

独特な「平行複発酵」製法を用い、90日以上発酵させています。また、熟成も数年から数十年にわたり行われます。

老舗の紹興酒メーカーで、紹興市にある六大紹興酒メーカーの一つ。巨大な貯蔵庫を持ち、専門の「調酒師」が紹興酒を調合します。独特な方法で殺菌し、甕に封じてさらに貯蔵する王宝和の紹興酒は最高級の酒といわれ、世界中から人気があります。

王宝和酒造は品質の管理を最も重視し、常に新商品を開発しています。94年に6種類、99年3種類、2004年にクコと梅などの体にいい生薬をいれた健康酒を開発したのでも知られています。

こだわりは、「冬季醸造」「全量甕仕込み」「全量甕貯蔵」です。冬季醸造とは、仕込みを冬にしかしないため、冬のカンコ水しか使用しません。全量甕仕込みとは、近年では発酵をステンレスタンクに入れて行うところが多い中、甕以外での発酵はしないです。全量甕貯蔵とはすべて甕の中で熟成するこだわりです。

この3つのこだわりを守り、真心こめた紹興酒をつくり続けているメーカーです。また、あまり人が介入しない製法にもこだわっているため、発酵は屋外で一切作り手が介入しない自然発酵でつくっています。日本の中華街でも購入できるので、横浜などに行った際にはぜひ試してみてください。

飲み口が狭くなっている大きめのワイングラスに紹興酒を入れ、何も入れずにそのままの状態の紹興酒を味わってください。香りが際立ち、香りを逃がさず楽しめます。ストレートは長期熟成した紹興酒に最適な飲み方です。紹興酒本来の豊かな味わいをそのまま味わえます。

ロックグラスにロック氷を入れ、紹興酒を注ぎ、少し冷やして飲むと、重厚な味わいが和らいで一気に飲みやすくなります。その上、スッキリした爽快感も増します。ただし、紹興酒の魅力である香りが少し弱まったり、氷が溶けると味が薄まり本来の味が楽しめなくなるデメリットもあります。

耐熱性のグラスまたは陶器のとっくりに紹興酒を入れ、レンジか湯せんで温めてください。適温は36℃～38℃の人肌程度です。香りが強まり、風味も広がります。寒い冬は体を温めてくれる効果も期待できます。

温めすぎると酸味が強くなり、まろやかさが弱まります。ただ、熱々の熱燗がいい方もいますので、お好みで温度を調節しましょう。

ロックグラスにロック氷を入れて、紹興酒をグラス2/3、梅酒をグラス1/3入れて、軽く混ぜてお召し上がりください。梅酒の爽やかな甘さと華やかな風と酸味が加わり、一気に飲みやすくなります。紹興酒と梅酒を事前に冷やしておきましょう。

紹興酒を1/3にして、梅酒を1/3、ソーダを1/3入れてもおいしくお召し上がりできます。口当たりがよく、ぐいぐい飲めます。

ロックグラスにクラッシュアイスを敷き詰め、紹興酒を注いでお召し上がりください。オン・ザ・ロックよりも一気に紹興酒が冷えるので、爽やかに味わえます。特に暑い日におすすめです。

紹興酒は柑橘類と相性がいいため、レモンやオレンジ、グレープフルーツを添えると、夏のイメージに合った飲み物に変化します。

耐熱グラスに紹興酒を2/3入れ、温めたウーロン茶を1/3入れてお召し上がりください。ほっこり温まります。ウーロン茶のさっぱりした味わいが紹興酒の独特の味わいを和らげてくれます。紹興酒に苦手意識をもっている方はまず試してみてはいかがですか。

ウーロン茶は馴染み深い味ですので、紹興酒に初めて挑戦する人にもハードルが低くなります。初めはウーロン茶を多めに入れてみるのもおすすめです。

耐熱グラスに紹興酒を2/3入れ、温めたジャスミン茶を1/3入れてお召し上がりください。すっきりとした香り高い味わいが口の中に広がります。

ジャスミン茶は美肌効果やリラックス効果、女性ホルモンの働きを促進させるといった効果が期待されています。美容に関心のある方におすすめします。

ぬるめの燗つけにした紹興酒に生姜の千切りを2・3本浮かべてお召し上がりください。体の芯から温まるような感覚に包まれます。寒い冬に飲めば、冷えた体がじんわりと温まり、思わず「あったか～い」とつぶやきたくなります。

生姜と紹興酒はとても相性がいいので、すでに紹興酒に生姜をいれた商品も販売されています。常温でもおいしくお召し上がりできます。

タンブラーに氷を入れて、紹興酒を60ml、ウーロン茶を適量入れてステアしたら完成です。ウーロン茶の香りが紹興酒のクセのある香りをまろやかに変化させてくれます。

氷で冷やした冷たいカクテルですので、夏の暑い日におすすめです。さっぱりして飲みやすいカクテルですので、汗をかき、水分が欲しい日にもってこいのカクテルです。

タンブラーに氷を入れて、紹興酒60ml、クレーム・ド・カシス25ml、ソーダ適量を入れステアしたら完成です。ソーダの爽やかさが加わり、クレーム・ド・カシスの甘みが紹興酒を飲みやすくしてくれます。レモンを絞って飲むとまた違った変化を楽しめます。

最初にくる紹興酒の独特の香りが苦手な方でも、クレーム・ド・カシスの香りで柔らかくなっていますので、スーッと飲み始められます。

別名「ドラゴン・ハイボール」とも呼ばれています。タンブラーに氷を入れて、紹興酒を45ml、ソーダを適量入れて、ステアしたら完成です。ソーダで割って、スッキリとした飲み口になります。

スライスレモンを入れたら爽やかで飲みやすく変化しますし、干し梅を入れれば優しい口当たりになります。ウイスキーのハイボールが好きな方はこのカクテルにも挑戦してみてはいかがですか。

タンブラーに氷を入れ、紹興酒60ml、ジンジャーエール適量をステアし、レモンを飾ったら完成です。ジンジャーエールが紹興酒を爽やかに飲みやすくしてくれます。もともと紹興酒は生姜と相性抜群ですので、ジンジャーエールはベストマッチの飲み物と言えます。

ピリッとした辛さがお好みなら、千切りの生姜を数本入れましょう。ジンジャーエール本来の切れ味に生姜が加わり、ドライな味わいを楽しめます。

耐熱性のグラスに紹興酒30mlとあたたかいジャスミン茶を適量加えたら完成です。上記のジャスミンホットとほとんど同じですが、こちらは、紹興酒が少な目で、ジャスミン茶をたっぷり使ったカクテルです。

夏の暑い日にもおすすめのカクテルで、暑くて食欲減退しがちな時もジャスミン茶の爽やかな香りと味わいが食欲を湧かせてくれます。

中華料理の中でも、麻婆豆腐のようなスパイスが多い料理との相性抜群です。3～5年ものは辛口で酸味が強く、口に広がった酸味が料理のスパイスをまろやかに変化させてくれます。

口水鶏（蒸し鶏のピリ辛ソース）、宮保鶏丁（鶏肉の甘辛ソース）、干焼蝦仁（エビのチリソース）など、舌に辛さを感じる料理と合わせやすいです。

適度にアルコール感もあり、香り高く、まろやかな味わいが特徴の中熟成期に合う中華料理は濃厚な味わいの肉料理です。酢豚や、蠔油牛肉（牛肉のオイスターソース炒め）、金醤牛肉（牛肉の中華味噌炒め）など、ご飯にも合いそうな味の濃い料理がおすすめです。

酸味が減っているため、料理に負けないくらいの甘みとコクを持った紹興酒が濃厚な肉料理を一層際立たせてくれます。

ふかひれやアワビなどの素材の味が淡い海鮮料理との相性が抜群です。アルコールの香りもほとんどなく、複雑で深みのある味わいは淡い素材と合わせてもお互いに引き立てあい、一層料理を楽しめます。

ふかひれやアワビの姿煮と一緒に長期熟成した紹興酒と一緒に味わえば、本格中華料理の真髄を体の隅々まで体験できます。

紹興酒はアルコール度数が15％～17％と日本酒やワインに近く、飲みやすいお酒です。ここま紹介した通り、ソーダやウーロン茶で割ってもおいしくお召し上がりいただけます。ぜひ今回の記事を参考に、お気に入りの紹興酒を見つけてみてください。