【どんな香り？】伽羅のお香おすすめ12選｜白檀・沈香との違い・財布に入れるものも

ジンチョウゲ科の常緑高木は、それ自体は無香ですが、木の中の樹脂の塊が変質するといい香りを発するようになります。これを基本的に「沈香(じんこう)」と呼びますが、中でも別格の香りを持つに至ったものは「伽羅(きゃら)」と名付けられます。伽羅とは、最上級の香木を示す称号のようなものなのです。

「どんな香りだろう」と思う方は多いのではないでしょうか。残念ながら伽羅そのものは入手困難ですが、伽羅のお香なら比較的簡単に入手できます。手軽に香りを試したい方に、お香はおすすめのアイテムです。

そこで本記事では、伽羅のお香の特徴やアロマ効果、選び方などをまとめました。幽玄、不思議、どこかスピリチュアル、そんなふうに評される伽羅の香りを、お香で体験してみませんか。

「伽羅」の語源はkalaguru（カーラーグル、意味は「黒沈香」）、あるいはtagara（タガラ、意味は「香炉木」）ではないかと推測されています。いずれもサンスクリット語の単語です。

日本書紀の中には『焚いたらすばらしい芳香を放った流木を天皇に献上した』こんなエピソードがありますが、この流木は伽羅であったと考えられています。このように、香りのいい伽羅は昔から貴重なものと位置づけられていたため、日本では『すばらしいもの』の意味で伽羅と呼ばれていた時期もありました。

香木として、伽羅とよく比較されるのが沈香です。このふたつの生成プロセスは同様で、いずれも何らかの理由で傷ついた木が樹脂を分泌し、それがバクテリアによる分解を受けて香りを発するようになります。樹種も、同じジンチョウゲ科の常緑高木です。

沈香も十分に貴重なのですが、専門家が嗅ぐと伽羅は明らかに沈香一般より格上に感じられるといい「神が創った香り」とすら称されます。なぜ、同様のプロセスで生まれるのに明らかに格の違う伽羅と沈香に分かたれるのか、その原因はいまだにはっきりしていません。

伽羅・沈香と並んで有名なのが白檀です。白檀はおもにインドで栽培されていて、熱を加えなくても香りがするのが特徴です。サンダルウッドと表記される場合も多く、落ち着く香りとして人気です。

伽羅・沈香と同様にお香として楽しむ方もたくさんいます。ルームフレグランス・香水などにも使われる香りなので、気になる方はぜひ取り入れてみてください。

伽羅を産するジンチョウゲ科の常緑高木は、正式に言うと「ジンチョウゲ科ジンコウ属アキラリア」となります。この木はおもにベトナムのダナンなど限られた地域に生育しています。

現在、ジンチョウゲ科ジンコウ属アキラリア、つまり沈香と伽羅を産する木のほぼ全種は、ワシントン条約附属書Ⅱにより取引の規制を受けています。稀少、貴重なためむやみに獲られないよう端を発する規制ですが、このために香木の輸出入のハードルが上がっており、伽羅の希少性はますます高まっています。

生成されるまでに長期間を要する場合もあり、伽羅の香りは非常に多様とされています。香道には「六国五味」という香木の香りの分類基準があり、六国の項目のひとつは「伽羅」となっています。しかし、その定義が流派によって異なる場合もあり、これこそが伽羅の特徴であると明確に示した資料はあるようでないと言わざるを得ません。

実際に伽羅を嗅いだ方は、「幻想的で上品」「甘くてどこかスパイシー」「寺院や聖地にいるような幽玄な雰囲気」などと香りを表現しています。幅と深さのある香りなのは間違いありません。

スティック型は、もっともスタンダードな形のお香です。線香もお香のひとつと捉えれば、日本で一番使われているのはこのタイプといっても過言ではありません。

そのぶん手頃なものから高級品までさまざまなレベルの商品が揃っており、香りのバリエーションも多数あるのがいい点です。自分好みの商品を見つけやすいのが、このタイプのお香です。

とんがり帽子のような形がかわいいのが、円錐型のお香です。てっぺんの尖った部分に火をつけると、下に向かって短時間で燃焼していきます。

燃え尽きるまでの時間は短時間ですが、火が下に広がるほどに香りが強まっていく特徴があるので、すぐに香りを広げたいときには重宝です。スティック型と違って自立するので、お皿などがあればすぐ使えるのもいいところです。

渦巻き型のお香は、火をつける部分がぐるぐるとコイルのように巻かれており、丸い形にまとまっているお香です。いわゆる蚊取り線香と同じような形をしています。

見た目はさほど大きく感じませんが、燃焼時間が長いのが特徴的です。燃え方も一定で、香りがいきなり強くなったり弱くなったりはしません。じっくりと香りを楽しみたい方に向いています。

線香の香りが漂う場所に何気なく近寄ったときに、くしゃみや鼻水、目や口などの粘膜への刺激を感じた経験はありませんか。そのような方は、化学的に合成された香り成分、もしくはお香や線香を成形する際に使われるつなぎの材料に対して、アレルギーをお持ちの可能性があります。

上記について思い当たる節がある方は、化学添加物を使用していないお香を選ぶようにしましょう。花粉などのアレルギーを自覚されている方も、お香の材料や成分を念のため確認するのをおすすめします。

「香りは楽しみたい、でも煙が部屋にもうもうと充満するのは困る」そんなふうにお思いの方も見受けられます。そのような方にぜひ選んでほしいのが、微煙タイプのお香です。

微煙タイプは、その字の通り、できるだけ出る煙が少なくなるように工夫されたお香です。煙が少ないからといって、香りが少ないわけではありません。呼吸器が弱い方にもおすすめです。

香りを持ち歩きたい方や、火を使わずに香りを楽しみたい方には、匂い袋もおすすめです。匂い袋とは上質な織物の袋にジャコウや白檀などの自然な香料を入れたもので、もともとは防虫剤のように使われていましたが、江戸時代には女性のファッションアイテムとして広く流行しました。

普通のお香とは少し違いますが、匂い袋は小さくて見た目も可愛く、持ち歩けばきっと楽しい気持ちになるはずです。ちょっとしたプレゼントにも向いているアイテムです。

伽羅の値段は実に幅広く、数千円で購入できるものから数百万円するものまで販売されています。線香や練り香水の多くは5千円前後で購入可能なので、お試しで購入する方におすすめです。

伽羅本来の香りを楽しみたい本格派の方には、値段は上がるものの、原木がおすすめです。1g単位での販売もされているので、好きな量だけ購入できます。予算に合わせて検討してください。

日本香堂は天正年間からある薫香の老舗です。線香・お香・フレグランスなど、ユーザーのニーズに合わせてさまざまな香りや価格帯商品がラインナップされているので、気になる方はぜひチェックしてください。

松栄堂は京都で300年続く老舗です。線香をはじめ、香木・練り香・インセンス・匂い袋などさまざまな商品を販売しています。特に「誰が袖」という匂い袋シリーズの上品・極品・みやこがおすすめです。

鳩居堂は1663年創業の老舗専門店です。京都と東京に本店、東京に支店が5つあります。商品数が1万点あり、毎日の祈祷や部屋炊きに適した商品もたくさんあるので、自分にぴったりの商品が見つけやすいです。

最近お財布に入れるお香が人気です。とくに伽羅の香りは金運アップすると言われているので、おすすめ。お財布に入れやすいようなコンパクトで薄い匂い袋もありますので、気になる方はチェックしてください。

またお財布の中身を整理してきれいな状態を保つもの金運アップになると言われていますので、香りと一緒に見直してみてください。

すでに触れたように、伽羅のもととなる木は保護の対象と位置づけられており、今後どんどん入手しづらくなると考えられています。それに伴い、伽羅のお香もさらに貴重になっていくのかもしれません。伽羅のお香にもし興味を持たれたら、ぜひ早いうちに試してみてください。