布製タイヤチェーン（スノーソックス）のおすすめ10選｜評判・耐久性・デメリットも

冬の雪道走行対策として、スタッドレスタイヤに履き替える方が多いですよね。それ以外であればタイヤにチェーンを取り付けることを思い浮かべますが、スノーソックスと呼ばれる布製のタイヤチェーンもおすすめです。　

布チェーンは、金属製やポリウレタン製のチェーンに比べて着脱が簡単で、女性でも取り扱いやすいのが特徴です。2018年からチェーン規制に布製タイヤチェーンが許可されるようになり、徐々に愛用者が広がりつつあります。

そこで本記事では、布製タイヤチェーンのメリットやデメリット・選び方・おすすめ10選を口コミや評判とともに紹介します。気になる耐久性や性能についても解説しています。ぜひ参考にしてください。

布製タイヤカバーは、特殊な布でできたタイヤの滑り止めです。セメントの補強素材として用いられるほどの強度を持つアラミドがメインとなった布を使用しています。この特殊な布の繊維が毛羽立っている状態で、雪面にしっかりと密着するため、タイヤのグリップ力が高まるという仕組みにです。

また、布製タイヤチェーンは、大雪が降った路面での滑り止めとして有効とされており、高速道路でも使用できます。ただし、スタッドレスタイヤほどのグリップ力があるわけではないので、高速道路で使用する際はスピードを出しすぎないようにしましょう。

チェーン規制中の場合でも、金属チェーンタイプ・ウレタン&ゴムチェーンタイプ・布製タイヤカバーであれば問題なく使えます。ただし、スプレーのように薬剤を吹き付けるタイプについては、チェーン規制中には通れないので覚えておきましょう。

布製タイヤチェーンの多くは、1セット1万円前後で購入可能です。金属製のタイヤチェーンと比べて耐久性は劣りますが、1セット当たりの価格が安いので、消耗品として買い替えもしやすい価格帯です。スタッドレスタイヤに比べて金額を抑えられるので、雪が降らない地域に住んでいる方が緊急用に持っている場合が多いようです。

布製ということで、「耐久性は大丈夫？」と気になる方も多いはず。布製タイヤチェーンは以下のような現象が見られた際が寿命と考えましょう。

• 表面のひだ状になっている部分にほつれが多数あらわれた
• 面の凸凹が摩耗して擦り減ってきた
• タイヤ幅の1/3を超える穴が開いている(3cm程度が目安)

また、より寿命を伸ばすために、「なるべく乾いた道路を走らないようにする」「スピードを出しすぎないようにする（制限されていた場合）」など、衝撃や摩擦で傷まないようにするのがおすすめです。

スタッドレスタイヤは、チェーンを着用せずに雪道・凍結した路面を走れるタイヤです。しかし高速道路などで発令される「チェーン規制の保安基準」が改正された2018年から 、"スタッドレスタイヤを装着していてもチェーンがないと走行不可"となるケースが出てきました。

こういった経緯から見ても、スタッドレスタイヤを装備していても、緊急用にタイヤチェーンを持っておくと安心です。チェーンの種類は、金属でも布製でも保安基準上問題ありませんが、先述の通り布製では走行できない特別区間がある点は留意しておきましょう。

布製タイヤチェーンは通常のタイヤチェーンと使い方は同じです。そのため、装着する際に必ず駆動輪に装着することを覚えておきましょう。下記に各駆動式による装着箇所をまとめました。

※4WDの場合は取扱説明書に装着位置を指定されている場合がある

軽量性とコンパクトさは、布製タイヤチェーンの大きなメリットです。専用の収納ケースがセットになっているものも多く、折り畳むと車のポケットなど隙間に収まるほどコンパクトにまとまり、省スペースで収納できます。また、金属やゴム製のタイヤチェーンの半分以下の重さなので、取り出す際も非常に楽です。

タイヤチェーンの煩わしさと言えば、力が必要で体力消耗する点と、取り付けの難しさが代表的です。布製タイヤチェーンの場合は、タイヤに被せたらそのまま発進するだけです。とても簡単に装着でき、力も必要ないので、力の弱いご年配の方や女性にも扱いやすいです。

車高が低い車や大きめのタイヤを装着しているなど、タイヤとボディとの隙間が狭い場合、金属やゴム製のタイヤチェーンだと車を傷つけてしまう恐れがあります。その点、布製タイヤチェーンは素材が柔らかいので、たとえ当たっても車が傷がつく心配がありません。

ただでさえ運転しにくい雪道のドライブに、振動や騒音が加わるとストレスです。布製タイヤチェーンは、どのタイプのタイヤチェーンと比較しても凹凸が少ないので、走行中の振動が気になりません。

またやわらかい素材なので、雪が薄い路面でも音が気にならない点もメリットです。夜中の住宅街など、音に気を遣う場でのドライブでも快適に使用できます。

金属製のタイヤチェーンでも切れる場合がありますが、布製タイヤチェーンは金属よりも耐久性は劣り、破れるリスクがあります。雪が薄い路面や砂利など、硬い突起が目立つような路面での使用は不向きです。

また、安全のために50km以下での走行を推奨している場合が多く、高速道路での走行は自己責任になるため、道路状況をよく見て判断しましょう。

布製タイヤチェーンは金属製のように錆びないメリットがありますが、雪や泥で汚れやすい点はデメリットになります。特に明るいカラーのモデルだと、汚れが目立つ場合もしばしばです。しかし、洗濯機などで手軽に洗えるので、定期的に洗濯しておけばある程度きれいな状態を保てます。

布製タイヤチェーンの特徴のひとつとして、金属やゴム製のものよりサイズ設定は大まかなので多少のズレはカバーできます。ただし、適応サイズから大きく外れると、本来の性能を十分に発揮できません。

購入する際には必ずタイヤ幅などの数値と、メーカーが出しているサイズの適合表を照らし合わせて正しいサイズ選ぶようにしてください。

サイズがわからない場合には、タイヤの側面にタイヤ幅・偏平率・ラジアル構造・リム径の順に記載されている数値を確認しましょう。195/65R15と記載されている場合、このタイヤはラジアル構造で、タイヤ幅は195mm・偏平率は65%・リム径は15インチになります。

タイヤと車体との隙間をクリアランスと言います。車高を低くしていたり、大きなタイヤを装着していたりする場合、クリアランスの不足によりチェーンが装着できない場合がある点は、覚えておきましょう。

布製タイヤチェーンは比較的クリアランスが狭くても装着可能ですが、メーカーによって対応できるサイズが異なります。購入前にはカタログなどで確認するようにしましょう。

簡単に装着できる布製タイヤチェーンですが、一度雪などで濡れてしまうと布がタイヤに密着してしまい、外すのに苦労します。そんな時に、ホイール部分にベルトが装備されていると作業が簡単です。

ベルト部分を引っ張りながら外すと、密着した布の端を浮かせながら軽い力で取り外せます。特に、タイヤチェーンの扱いに慣れていない方や、力に自信のない方おすすめです。

布製タイヤチェーンはタイヤを覆う面積が広いため、泥混じりの雪道などを走ると、すぐに汚れが目立ってしまいます。洗濯可能ですが、それでも毎回洗うのも手間ですよね。そのため、なるべく汚れが目立たない、黒やグレー・濃いカラーを選択するのがおすすめです。

耐久性や装着のしやすさなどは、口コミ評判やレビューを参考にするとリアルな使用感が確認できます。たとえば「巻くだけでOK」など簡単さを謳っている商品でも、案外装着に時間がかかるケースがあります。こういった商品説明と現実の差を埋めるには、実際に使用した方の声が情報として有益です。

北欧ノルウェーの会社が開発した「オートソックス」は布製タイヤチェーンの先駆けとも言われ、世界50か国以上で発展した商品です。メルセデスベンツやアウディなど、有名メーカーの純正として採用されており、日本でも日産などが採用しました。

たとえば、布製タイヤチェーンのリーディングメーカーであるイッセでは、布製タイヤチェーンとしてスノーソックスを展開しており、2019年には軽自動車サイズにフォーカスした日本サイズも投入されました。

さまざまなメーカーから販売されており、12～20インチまで幅広いサイズに対応しているので多くの車種で使用可能です。また、現在のチェーン規制にも適合しているため、急な規制発令時にも確実に対応できます。

2003年にスペインで誕生したISSEの「スノーソックス」は、日本でも注目を集めています。従来の布製タイヤチェーンと比較してかなり厚みがあり、耐久性が高い特徴があります。

また、タイヤとフェンダーのクリアランスが少ない車にも装着できます。BMWの一部車種からOEM指定を受けるなど、信頼の厚い商品です。

イタリアの会社が開発した「バイスソック」は、ヨーロッパでオートソックスと並んで人気があります。ヨーロッパでは日本より雪や凍結路面が多いため、安全性への審査基準がかなり厳しくなっています。

そんな中、バイスソックは布製タイヤチェーンの中で唯一、安全性を証明する「ONORM V5121」「TUV(テュフ)」2つの審査において認定を受けた優秀な商品です

スペイン・バルセロナで生まれ、2019年に日本で発売された「イッセ」は、世界中の多くの規格をクリアしている安全性の高い布製タイヤチェーンです。もちろん日本製のチェーン規制にも対応していて、高耐久性と吸水性に優れています。

装着した状態で走行すると、真円に近づくイッセ独自のオートセンター機能によって適切にフィットします。

布製タイヤチェーンの取り付けは、十字のベルトなど目印が付いているものが取り付けやすくなっています。慣れてしまえば3分程度で装着可能です。下記に取り付け方をまとめているので、参考にしてください。

【布製タイヤチェーンの取り付け方】

1. ベルトの十字になっている部分が真上になるようにする
2. 半分ほどタイヤにかぶせる（反対側のタイヤも同じ）
3. 十字のベルトを見ながら、タイヤが半回転するまで移動させる
4. 半回転させたら残りの部分も被せる

布製タイヤチェーンは、チェーン規制の条件をクリアしてはいますが、「シャーベット状になった雪道で氷が貼りついてスリップした」などの口コミが見られるのも事実です。このような事例からも、首都圏に見られがちな "水分の多い雪道" では慎重に使用すべきです。

ただ、タイヤチェーンの役割としては頼れるアイテムであり、緊急脱出用としては有効です。特性を理解して、適切なシーンでの使用を心掛けましょう。

タイヤチェーンの中でもメジャーな素材の「金属製タイヤチェーン」は、多くのメーカーから販売されており、サイズや種類が豊富です。構造はシンプルなので、一度取り付けのコツを身に着ければ、案外手間もかかりません。

また、グリップ力に優れており凍結した路面でも滑りにくいといったメリットがあります。ただし騒音・振動は最も感じやすい点がデメリットです。

ゴムやポリウレタン製のタイヤチェーンは、金属製ほどのグリップ力ではないものの、横滑りに強い特性があります。取り付けにやや力がいりますが、走行中の振動や騒音も少なく快適なドライブが可能です。また、短時間であれば雪道以外でも走れます。

スプレー式のタイヤチェーンは、スプレーを吹きかけるだけで最も簡単にチェーンの役割を再現できます。効果の持続性では、物理的に取り付けるタイプのチェーンには劣りますが、緊急時用に持っておくアイテムとしては最適です。

また、サイズを選ばないので、バイクや自転車などのタイヤにも使用可能。さらに雪道で歩行する際に、靴底にスプレーして滑り止めとしても活用できます。

より雪道を安全に走行するには、スタッドレスタイヤとの併用もおすすめです。凍結した路面や積雪のある路面に強いスタッドレスタイヤに、布製タイヤチェーンをセットで使用すれば万全の対策が取れます。特に積雪の多い地域にお住まいの方や、ウィンタースポーツに繰り出す機会がある方は一緒に使用してみてください。

ここまで、緊急時に頼りになる「布製タイヤチェーン」を紹介しました。雪があまり降らない都心では、車の冬支度になかなか意識が向かないかもしれません。しかし、いざといった時に立ち往生しないためにも、布製タイヤチェーンの導入はおすすめです。適切にタイヤチェーンを使用して、安全・快適に冬のドライブを楽しみましょう。