介護用クッションおすすめ16選！寝たきりの方の褥瘡対策に【三角クッションも】

介護用クッションは、主に思うように体を動かす事のできない方に使用します。床ずれの防止の他、姿勢の保持などさまざまな場面で活躍するアイテムです。自宅でご家族を介護している方はどんなものを使用したらいいか、迷っている方もいるのではないでしょうか？

福祉用具のレンタルにも車椅子用のクッションなどがありますが、利用に条件があります（2021年現在で要介護2以上）。限度額いっぱいに介護保険サービスを使用している方は、介護保険内でレンタル対応ができず、自己負担金が発生してしまうなどのデメリットも。

購入すれば新品のクッションを使用する事ができ、他の介護保険サービスとの兼ね合いも考えずに済みます。そこで、今回は、おすすめの介護用クッション16選をご紹介します。選定方法やクッションを使用したポジショニングもご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。

介護をする際、必ず介護用クッションが必要というわけではありません。主に寝たきりの方や車椅子を使用している方に使用します。ケースにもよりますが、クッションがあると介助者も介助される側も楽です。介護用クッション使用が望ましい状態の方には以下のような方がいます。

• 寝たきりの方…床ずれの防止のため、体圧を分散させる必要があります。クッションの抜き差しだけでも背面の体圧を変動させることができ、人の手で寝返りを打たせるより楽です。また、ベッド上で食事をとる方は姿勢が悪いと誤嚥性肺炎になる場合も。クッションで傾きを防止するのも有効です。

• 車椅子の方…長時間車椅子に乗車している方は、臀部に床ずれができやすいのでクッションの使用が望ましいです。また、車椅子からずり落ちてきてしまう方は滑り止めつきのクッションを使用する事で転落の防止にも繋がります。

長方形や筒形の介護用クッションは、さまざまな用途に使用できるのが特長。横向きに体位変換をしたい場合には、背面全体を支えられる長いクッションがおすすめです。

短いものを使用すればかかとの下などに使用する事もできます。実は床ずれのできやすいかかと部分。足首にクッションを入れる事で、かかと部分を浮かせることが可能です。また、横向きで寝ている際には膝の間に挟んだり、筒形の物は抱き枕のように使用したりできます。

三角形のクッションは背中に使用される事が多く、体位変換がしやすい形状です。三角形の角度にはさまざまな物がありますが、床ずれのできやすい仙骨部、大転子部の除圧に効果的な30度ほどの角度の物が多く出回っています。

あまり短いタイプのクッションは体の一点に負担をかけてしまうため、おすすめは背部全体をカバーできる長いタイプのクッション。床ずれの場所や状態によっては角度や長さを変えた方がいい場合もあるため、すでに床ずれのある方は医師に確認をするといいでしょう。

ドーナツ型のクッションは、以前は介護現場でもよく使用されていたタイプのクッションですが、床ずれの予防としての使用はあまりおすすめできません。

臀部の一部分を浮かせる事ができるため、床ずれ予防に効果があるように見えるかと思います。しかし、浮いている部分の周辺には圧がかかっており、更に床ずれができるリスクがあります。使用する場合には医療職に相談をしてからにしましょう。

車椅子に乗車する際にもクッションがあると快適です。車椅子にもよりますが、座面のシートは簡易的で薄い物が多く、長時間座っていると床ずれの原因になります。

クッションがある事で、臀部の体圧を分散する事が可能。また、滑り止めつきのクッションを使用すれば転落の防止にも繋がります。姿勢の保持も安定するため、使用をおすすめします。

ポリエステル素材のクッションは介護現場でも多数使用されています。特徴として手入れのしやすさが挙げられます。洗濯をする事が可能で、汚染時にも安心です。また、他のクッション素材に比べて早く乾くのも嬉しいポイント。柔らかい使い心地で寝たきりの方にもおすすめの素材です。

細かなビーズが入っているものが多く、使用する方の体に合わせて形を変えられます。そのため、体圧の分散に効果があり、柔らかい使い心地です。ビーズ素材のクッションも介護現場で多数使用されているタイプのクッションとなっています。

放熱性や通気性にも優れており、さらさらとした使い心地で年間を通して快適に使用できます。洗濯ができるタイプとできないタイプがあるため、購入前に確認してください。

低反発ウレタンのクッションは柔らかいながらも適度な弾力性があり、しっかりと体を支えられるタイプです。適度に体が沈み込むため、体圧分散もでき安定感があります。寝たきりの方向けのクッションや車椅子用のクッションまで、さまざまなクッションに使用されている素材です。

特殊ウレタンフォームのクッションは洗濯が可能です。その他のウレタン素材のクッションはクリーニング店などでも洗浄が難しいのが難点です。使用する場合は防水カバーを使用するなど、工夫をするといいでしょう。

介護度の高い方は、自分で体の位置を変えられない・寝返りを打てないといった場合が多いです。とくに病的骨突出部が床ずれにつながりやすいため、手足用・体圧分散タイプといった種類別のクッションを複数用意しましょう。とくに仙骨・腸骨は体圧が集中しやすい分、要注意です。

抗菌・防臭・防水といった加工の施された介護用クッションは、手入れの手間を省ける点でもおすすめです。とくに防水タイプは汚れにも強く、水・アルコール類を利用して手軽に拭き取りやすいメリットがあります。抗菌・防臭タイプは汗・汚れの対策にもおすすめです。

介護用クッションのおすすめメーカー・ブランドは以下の7社です。各社の特徴を表にまとめましたので、参考にお役立てください。

介護用クッションの使用方法は介助される方の身体状況によって異なります。不適切なポジショニングは身体状況を悪化させるため、医療職や介護職に直接指導を受けるといいでしょう。こちらでは寝たきりの方のポジショニングのポイントを簡単にご紹介します。

完全に横向きで寝る際のポジショニングのポイントは以下の通りです

• 膝がしっかりと曲がっている…膝が曲がる方はしっかりと曲げた方が楽です。足が動かせない方の場合、膝と膝の間に薄いクッションを挟むと痛みも軽減され、床ずれの防止になります。足同士が直接触れないようにしましょう。

• 腕と腕の間にもクッションを挟む…手が動かせる方は何もしなくて構いません。しかし、手が完全に動かせない方は、楕円形のクッションを抱き枕のようにすると腕が支えられて楽です。熱がこもりづらい素材のクッションを選びましょう。

斜め横向きで（半側臥位）で寝る場合のポジショニングのポイントは以下の通りです。

• 骨盤がマットにあたっていない…角度をつけすぎると骨盤がマットにあたり、床ずれの原因になります。斜め向きで寝る事のメリットは、完全に横向きで寝るよりも床ずれの予防となる事です。角度は30度程が床ずれの予防には効果的。背面には安定性のあるクッションを入れましょう。

• 足、腕にもクッションを…斜め向きの姿勢はクッションが必須です。下にある膝の下や膝と膝の間、上になる腕と胸の間に小さめのクッションを入れると安定し、安楽な体制がとれます。

洗える素材の場合は日々の洗濯に合わせて手軽にお手入れできます。洗濯機の脱水機能を利用する際は、クッションの中身が片寄らないように30秒程度に留めましょう。型くずれが心配な場合は、押し洗いによる手洗いがおすすめです。

洗浄が終わったら平干し用ネットに入れ、風通しのいい場所で乾燥させましょう。紫外線を避けるため、陰干しするのがポイントです。

洗えない素材の介護用クッションについては、陰干しで対応しましょう。たとえばメイン素材にウレタンを採用した製品の場合、水洗い不可のものが多いです。手入れの頻度は、週に1～2回程度がおすすめ。風通しのいい場所で陰干ししたあと、掃除機で表面を掃除すると効果的。洗濯対応のカバーが付いた商品を選ぶのもおすすめです。

今回は介護用クッションの種類やおすすめの製品、ポジショニングなどについてご紹介しました。介護用クッションがあるだけで、介護の必要な方もぐっと快適に過ごせます。ぜひ、使用される方に適したクッションを選んで活用してください。