水平器おすすめ17選｜高精度のプロ用やおすすめメーカーなど【狂う理由は？】

水平器はその名の通り水平がとれているか計測するための道具で工事の必需品です。DIYでのものづくりや修理の場面でも、目測よりキレイで安定した仕上がりにするためのキーアイテムと言えます。

しかし、水平器は種類や製品数が多くどれを選べばいいのか迷ってしまいませんか？余計な機能が付いていたり能力不足だったりする製品を選ばないように、水平器選びでは自分の用途を明確にするのが大切です。

そこでこの記事では水平器の選び方を解説し、おすすめメーカーやおすすめ商品17選をご紹介します。水平器の使い方に加えて、100均商品やスマホアプリの水平器精度についても触れているのでぜひ最後までご覧ください。

趣味のDIYや日曜大工で水平器を活用したい人には、安価な気泡管水平器がおすすめです。仕組みについては後述しますが、アナログな原理で安価な製品が多く、DIYで使用する分には十分に性能を発揮するからです。

棚やテーブルを自作するような場面では、長さ30～60cm程度のものが使いやすいでしょう。ある程度長さがあった方が、水平・垂直の計測において正確さが増します。

水を流すための配管工事や雨どいの設置では勾配が重要なため、4本線(左右に2本ずつ)や6本線(左右に3本ずつ)の気泡管水平器がおすすめです。

通常の2本線では線の内側に気泡を収めて水平を測りますが、4本線以上は外側の線への気泡の触れ方で勾配を計測します。このため、配管の最適な配置がしやすくなるのです。4本線なら1mの長さに対して高さが1cm上下する勾配(＝1/100勾配)、6本線なら2/100勾配の計測が可能です。

ポケットサイズの小型水平器は精度は高くないものの、大まかに水平を確認したい時や、作業中にサッと取り出してチェックできる手軽さは便利です。

悪条件の作業場所や危険な場所を行き来しながら作業する鳶職・建築関係の人は、持っていると意外と重宝します。ただし、正確に計測したい場合には不向きなので、あくまでも「ちょっとした確認用」として活用しましょう。

気泡菅水平器はアクリルやガラスなどでできた気泡菅の中に、液体と気泡が入ったタイプの水平器です。気泡菅にある確認線を基に、気泡の位置で傾きを確認します。前述の通り、手軽に購入しやすい価格の製品が多くDIYにおすすめです。

手のひらサイズのものもあれば、120～180cmと大型のものもあります。ブロック塀・小屋作り・ビニールハウスの組み立てなど作業規模が大きくなるほど、大型の水平器の方が使いやすくなります。

デジタル水平器は傾きを具体的な数値で示してくれます。高価な製品が多いですが、正確に傾きを計測してくれるのが魅力です。業務で勾配の測定データを取りたい人や、効率を重視したい人におすすめです。

配管・建築・設備・土木などの活用場面を想定して、便利機能を多く搭載している製品もよく見られます。代表的な機能に防塵・防水性能や水平・垂直が近くなるにつれブザーで教えてくれる機能などがあります。

レーザー水平器には、レーザーで壁面や天井に水平線・垂直線を投影できる墨出し機能が搭載されています。なお、作業に必要な線や形を出すことを「墨出し」と言い、実際に墨が使われてきたのが名前の由来です。

自動補正機能をOFFにしてラインを固定できるものでは、斜めの投影も可能です。建設に携わるプロが使う便利ツールですが、DIYで部屋の壁にちょっとした棚を設けるような場面でも使いやすく便利です。近年は数千円程度の手軽な製品も登場しています。

気泡菅水平器では水平や垂直などの直線方向の傾きを計測しますが、丸型水平器なら平面の傾きを測れます。360度方向のどちらに傾いているのかを把握したい人におすすめです。

丸型水平器は小型サイズのものが多いので持ち運びやすく、複数個使用すれば広範囲の傾きを調べられます。水平な場所で使う機器に取り付けると、機器本来の能力も引き出しやすくなります。

気泡菅水平器でわずかな傾きまでしっかり測れるかどうかは、感度に左右されます。スペックとして必ず記載されるものなので忘れずにチェックしましょう。

感度の単位は「mm/m」で表記され、たとえば「0.02mm/m」なら1mの長さの中で0.02mmの高さの変化を測れます。それは「気泡を1目盛り動かすのに1mで0.02mmの高さが必要」とも言い換えられます。

先述の感度と混同しやすい要素に精度があります。精度は計測のバラつきを表しており、JIS規格ではA級・B級と区分されます。精密測定にはA級の水平器を用いる必要がありますが、DIYならB級でも十分と言えます。

数値では「±2.00mm/m」のように表され、業務レベルの製品は±1.00mm/m程度に収まります。100均の水平器では±5程度の製品もあるので、選ぶ際は要チェックです。

作業においては安全確保の面で常に明るさを確保しておくのが理想的ですが、光の届きにくい入り組んだ場所や夜の屋外で作業する場合もあるかもしれません。

水平器にはバックライト付きのものや蛍光塗料入りの発光タイプのものがあるので、悪条件下で作業する可能性がある人はチェックしておきましょう。

水平器は使用する場所や測定対象によって使いづらさを感じるケースが多々あります。鉄骨の構造物では、そんな時にマグネット付きの水平器を用いると、磁力ではりついて固定されるので快適さが向上します。

ただし、製品によっては磁力が弱い場合もあるので、マグネット付きの水平器を選ぶ時は口コミもチェックするのがおすすめです。

水平器を使用する時、配管のような円形のものでは接地面が少なく安定せずに計測がしづらくなります。そのため、配管測定ではＶ字溝付きの水平器がおすすめです。溝に合わせて使えば、安定しやすく正確な測定ができます。パイプ形状のものを計測する機会がある人はV字溝の有無もチェックしましょう。

エビスは新潟県に本拠とする水平器専門メーカーです。鳶職向けのミニレベル・角度測定水平器・土木向け・建築向けなど、水平器の種類・製品数ともに非常に豊富です。

製造される水平器はすべてA級規格なのでプロの人にもおすすめです。また、手頃な価格の製品が多いので、水平器選びに迷う人が「とりあえず」で選んでも後悔の少ないメーカーと言えます。

シンワ測定は新潟県の測定機器メーカーです。建築や土木などさまざまな分野のプロから信頼される製品を扱っています。

水平器においては気泡管も多く扱っていますが、レーザー機器の豊富さも特徴的です。本格的なレーザーロボやレーザー照射ができる気泡菅タイプを扱っており、作業効率の向上を求める人におすすめできます。

アカツキ製作所は京都の水平器メーカーで、電工用・土木用・石工用など用途別の種類が豊富な点が特徴です。また、海外の水平器メーカー「Digi-Pas」の販売代理店でもあり、コスパのいい高性能なデジタル水平器は人気があります。校正証明書発行可能な製品も多数あり、エビデンスを求められるプロフェッショナルの仕事にもおすすめです。

作業系アパレルの全国チェーンで有名なワークマンには、コンベックスやライトなどちょっとした作業小物も意外と充実しています。安価で高性能な水平器を扱っているもののネット通販では購入できないため、実店舗で直接確認する必要があります。

近年店舗を拡大中の一般向け店舗「ワークマンプラス」でも工具を充実させているので、お買い物ついでにチェックしてみてください。

どの商品でも「シンプルな性能のものは安く、高性能なものは高い」と言えますが、水平器に関しては、特に顕著に性能が価格に表れる傾向があります。スペック上は同じに見えても価格が異なる場合は、実際に使用した時に違いが出る可能性があります。

価格の高い製品を選ぶ方が無難であることを考慮して水平器をチェックしてください。使い勝手や安定性など、スペックに現れにくい要素を確認する手段として、口コミを参考にするのも有効です。

気泡式水平器の見方は、気泡管の線の内側に気泡があれば、水平(または垂直・45度)がとれている状態かがわかります。気泡の位置が中央にあれば水平です。誤差を減らすために、180°ひっくり返して気泡の位置を確認するのがおすすめです。柱などの垂直を計測する場合には、左右前後の各面の計測でより正確に把握できます。

逆に気泡が線を越える場合は傾いている状態がわかります。左右2本線や3本線では、傾きの度合いも目安としてわかりやすいのが特徴です。気泡が最も外側の線に触れる時、左右2本線なら1/100勾配、左右3本線なら1/50(または2/100)勾配です。

気泡管水平器は水平器本体と気泡管が平行でなくなると気泡の位置がずれてしまいます。狂った水平器を正常に戻すためには、以下のような調整作業が必要になります。

1. およそ水平な場所に水平器を置く
2. 気泡の位置に印をつける
3. 水平器を半回転させる
4. 今の気泡の位置と印の位置の真ん中がほぼ正確な位置になるため、ネジで調整する
5. 右側のネジは右方向へ、左側は左方向に気泡を移動させるので真ん中になるように調整

水平器アプリはプロ仕様に比べると正確さに劣るものの、目視よりも遥かに正確な計測が可能です。DIYで棚を作ったり、自宅や引っ越し先の水平を測る程度の用途であれば十分実用的と言えます。

ただし、スマホ本体の性能に影響されるケースもあるため、こだわりたい人や仕事で使う人には不向きです。業務で使うならプロ向けの水平器を選んだ方が無難です。

上の表ではiPhoneやAndroid端末で使用できる水平器アプリの代表的なものをご紹介しています。いずれも無料なので、気になる人は試してみましょう。

水平器をお持ちでない方は、水を入れたペットボトルやコップで代用も可能です。線が入ったペットボトルなら水がこぼれません。以下に測定方法を記載します。

1. 水を少し少なめ（上端にかからない程度）に入れ、測りたい場所に置く
2. コップの上端と水面を見比べる
3. 上端と水面が同じ角度なら水平

DIYでは速さ重視だった作業に水平器のちょっとした手間を加えるだけで、仕上がりが各段に良くなります。現場作業従事者なら今お使いの水平器より効率的で使いやすいものがまだまだあるかもしれません。自分に合った水平器を活用して、よりよい作業を行ってください。