ギーのおすすめ15選｜体に悪いって本当？バターとの違いも解説！

普通の食品よりも栄養価が高い「スーパーフード」が近年話題ですが、その中の1つである「ギー」は注目を集めています。ギーはインド発祥の食品で、バターを精製したものです。

ギーとはバターを濾過して不純物を取り除いたもので、健康効果はギーの方が圧倒的に優れています。取り過ぎると体に悪いイメージが先行するものの、ギーはダイエット補助効果も期待できる食品であり、話題のバターコーヒーにも多く用いられています。

以上を踏まえ、本記事ではギーの選び方・おすすめのギー15選を紹介します。ギーの味わいや、話題のグラスフェッドギーとはどんなものかについても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ギーとはインド発祥の伝統的医学「アーユルヴェーダ」に基づき、古くから製造されている精製バターの一種です。本場インドではアーユルヴェーダ療法に用いられるほか、ヒンドゥー教の儀式にも使われています。

インドで信者が多いヒンドゥー教では牛は神の使いとされているため、牛乳から作られるギーは神聖なオイルとして認識されているのです。

ギーの味はバターと比べてさっぱりとした風味で、より柔らかく口当たりも軽めです。一方でバターに近い感覚で摂取できるため、料理・お菓子作りのほか、流行のバターコーヒーダイエットにも適しています。酸化速度が遅いため、バターより劣化しにくい点も高ポイントです。

乳糖不耐症とは牛乳に含まれる乳糖の消化不良により、お腹に不調が現れる疾患です。牛乳やバターには乳糖が含まれていますが、バターを加熱・精製して作られたギーは乳糖が除去されているため、乳糖不耐症の人でもギーを摂取できると言われます。

乳糖不耐症によりバターを控えている人でも、ギーは問題なく食べられるケースが多いようです。ただし、初めてギーを摂取する際は少しずつ慎重に試してください。

バターは牛乳を遠心分離して取り出した乳脂肪分を練り上げて固めたものです。これに対しギーは、無塩発酵バターを加熱して煮詰めた上でろ過をして純度を高めているので、ギーはバターに含まれる不純物がほぼ取り除かれています。つまり、ギーはバターに含まれる良質な脂肪分のみを抽出した、純粋な乳脂肪そのものなのです。

グラスフェッドギーとは、牧草のみで育てられた牛のミルクを原料とするギーです。ストレスのない環境でのびのびと育てられた牛のミルクは栄養価が高く、一般的なギーよりもさらに高い純度を誇ります。近年注目されているグラスフェッドバターの代替品としてもおすすめです。

ギーには短鎖脂肪酸の一種「酪酸」が含まれています。酪酸には腸内の悪玉菌の増殖を防いで腸内環境を改善する働きがあるとされていることから、ギーを摂取することで腸内環境が整うことが期待されます。

腸内環境が正常になると善玉菌が増えるので、お腹の調子が良くなるばかりではなく身体へさまざまないい効果も期待できます。

腸内環境を整えてくれる酪酸は、消化吸収力を高める効果もあると言われます。消化吸収力が高まると食べ物からの栄養を摂取しやすくなり、体調の改善が期待できます。

また、しっかりと栄養を摂取できることから、ギーを食べることで免疫力のアップも期待されます。このような健康効果があることから、ギーはアーユルヴェーダで取り入れられて来たと考えられます。

シワやシミ、くすみなどの加齢に応じた肌トラブルは、いわゆる「体内のサビ」が原因と言われます。そのサビを作り出す活性酸素を抑える抗酸化作用が、アンチエイジングに重要です。

ギーには抗酸化作用の高いビタミンAやビタミンEが含まれているので、体内のサビを予防して肌や体内の老化に負けない若々しい生活を送りたい人に最適なのです。

バターは太るというイメージが強いですが、ギーには脂肪燃焼効果が期待できる「中鎖脂肪酸」や「共役リノール酸」が含まれています。これらは脂肪分解・燃焼する働きを持っているのです。加えて腸内環境を整えたりで老廃物を体外に排出したりする働きもあるので、ギーはダイエット中に摂取するには理想的な食品です。

ペーストタイプは冷えて固まった状態で、多くのギーがこのタイプで販売されています。バターと似たテクスチャーなので、パンに塗ったり料理に使ったりするなどバターの代用としても使用可能です。

バターと同様に加熱すれば液体に変わるので、調理用の油としても使えます。また、コーヒーに入れてバターコーヒーとしても楽しめます。

オイルタイプのギーは最初から溶けた状態です。固形のギーを溶かす必要がないので、最初から液体の状態で使うドレッシングや調理油として使用できます。

コーヒーに混ぜる場合も、最初から溶けている状態なので混ぜやすいのが特徴です。また、ココナッツオイルなど他のオイルと混ぜるのにもオイルタイプが適しています。

ギーの原料はバターと同じ牛乳ですが、原料の違いで栄養価が大きく異なります。最もおすすめは、天然の牧草のみで育てられた牛の牛乳「グラスフェッドミルク」を使ったグラスフェッドギーです。

グラスフェッドギーは栄養価が高いため、より健康に気を遣う人には人気があります。また、安全性にこだわるのであれば、オーガニックミルクを使ったギーもおすすめです。

ギーとして販売されている商品には、100％ギーではなく他のオイルやフレーバーが混ぜられたタイプもあります。ギーそのものを味わいたいときは、混合物がないギーを選びましょう。

食べやすい味わいのギーを選ぶならフレーバー入り、栄養価を高めたギーならココナッツオイルやパームオイルなどから抽出した中鎖脂肪酸「MCTオイル」入りが最適です。

ギーは本場インド以外でも製造されており、産地によって味わいも異なります。アメリカ産やオランダ産などの欧米産のギーも多く販売されていますが、中でもおすすめは本場インド産、そしてアーユルヴェーダに用いるスリランカ産です。

また、ギーは日本国内でも製造されているので国産ギーも選択できます。異なる産地のギーの味の違いを楽しんでみるのもいいでしょう。

バターや他の油脂と比較するとギーの価格は高めですが、大容量タイプの方が少量よりも割安で購入できます。しかし、あまり使用しないのに大容量を買ってしまっては、余らせてムダにしてしまう可能性もあります。

ギーを多く消費するのであれば大容量の方が割安ですが、あまり使わない場合は使用頻度や量を考慮して最適な量とサイズの製品を選びましょう。

ギーの味はバターよりもややクセがあります。初めてギーを使う人でクセが気になる場合は、混合物の有無についてでも紹介したフレーバー付きのギーから試してみましょう。バニラやココナッツ、レモンなどさまざまなフレーバーのギーが販売されています。好みや用途に応じて、フレーバーでギーを選ぶのも1つの方法です。

まだまだポピュラーな食材ではないギーは、現時点で一般的なスーパーではほとんど置いていません。しかし、成城石井やカルディ、コストコなどの輸入食材を多く取り扱う店舗の一部では販売されています。

中でも特に人気なのは、カルディで購入できる「ギー・イージー グラスフェッド・ギー」です。オランダ生まれのグラフェッドギーで、サラリとした舌ざわりながらチーズのようなコクもあり、コーヒーにも馴染みやすいです。瓶のデザインもオシャレです。

また、イオンや西友の一部店舗でも購入できる場合があります。実物を手に取って確かめたいという場合は、まずは輸入食材を取り扱う店舗で探してみてはいかがでしょうか。

普通のバターには、悪玉コレステロールを増やすといわれる飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が多く含まれています。一方、バターを精製して作られるギーは体脂肪になりにくい中鎖脂肪酸やコレステロールを抑制する働きを持つ不飽和脂肪酸を多く含みます。

これらは共役リノール酸とともに脂肪を分解・燃焼する働きを持つとされているため、ギーはバターよりも健康に良く、太りにくいとされています。とはいえ、摂取するとエネルギーは蓄積されるため、食べ過ぎは禁物です。ギーの摂取は1日大さじ1～2杯程度の適量に留めてください。

また、ギー独特の香りを「臭い」と感じ、体に悪いのではと不安になる方もいるかもしれません。しかし、ギーの香りは原料である牧草牛からくる香りで、体に害はありません。匂いが苦手な方は、コーヒーに入れて飲むと気になりにくくなります。

バターを原料としているギーは、そのままバターの代わりとして焼き立てのパンやトースト、パンケーキに塗って食べるのが最も基本的な使い方です。製品によってはバターとよく似た味わいなので、違和感なく食事に取り入れられます。

バターがごはんとの相性がいいのと同様にギーもごはんとの相性がいいので、ごはんにかけて醤油を垂らしてもおいしく味わえます。

調味油代わりとしてギーを使うのも定番の方法です。バターを溶かす代わりに、パスタ・炒めもの・ドレッシングの油として使用することもできます。

ギーは煙が発生する「発煙点」が約250度と他の油よりも高いことから、火を使った調理に使用しても安全に使用できます。このように、ギーはさまざまな料理に安全に活用できるのも魅力の1つです。

バターコーヒーは集中力をアップさせたいときやダイエット中の飲み物として人気が高まっています。「完全無欠コーヒー」と呼ばれることもあります。バターコーヒーに加えるのは一般的なバターではなく、MCTオイルやグラスフェッドバター、またはギーです。

作り方は、ブラックコーヒー1杯に対しギーとMCTオイルをそれぞれ5～10g混ぜるだけです。簡単にできるので、まずギーを味わってみたい人におすすめの方法です。

さまざまな健康効果が期待できるギーは、バター感覚で使用できるため食生活に取り入れやすいものです。世界各地で生産されるギーが販売されており、中にはフレーバーやココナッツオイルがブレンドされたものもあります。食生活や好みに合わせてギーを取り入れて、健康的な生活を送ってみてはいかがでしょうか。