バローロワインのおすすめ10選｜高級ワイン？安いものもある？当たり年も

ワイン通の間で「王のワイン」と呼ばれるのがバローロワインです。バローロワインは香り高く濃厚な味わいで、肉料理やトリュフなどとマッチすることから高級なイメージが先行しています。ところがバローロワインには、スーパーや酒屋で買えるリーズナブルなものも多いのです。
 
本記事では、まずバローロワインの特徴・選び方といった基礎知識をご紹介します。中でもカギとなる産地については、イタリアのピエモンテ州にある5つの地域を詳しく解説します。
 
さらに、記事後半ではおすすめ商品10選のほか、バローロワインと合わせて食べるおすすめ料理も網羅。憧れのバローロワインを、お値打ち価格で楽しむのに役立つ記事をまとめました。ぜひご一読ください。

「王の赤ワイン」の名がつくほどに愛されるバローロワインの特徴は、どのようなものかを解説します。バローロワインに使われるブドウ種や生産地、またバローロワインにマッチする料理などをピックアップします。

バローロワインに使われるブドウ品種は、ピエモンテ州で採れる黒ブドウ「ネッビオーロ」です。ピエモンテ州の中でも大きく分けて5つの産地があり、各産地ごとにそれぞれ特徴が異なります。ネッビオーロの品質は、醸造時のアルコール度数や熟成期間によって変化します。

醸造時のアルコール度数が高いほど、骨格のしっかりした重みのある味わいになるもの。すなわち、業界用語で「ボディが厚い」といわれる味わいになるのです。また、熟成期間が長いほど果実味が凝縮され、香り豊かでフルーティな風味になっていきます。ただし、気候・土壌・醸造法などが影響し、ワイナリーによって異なる仕上がりになる点も押さえておきましょう。

美食の国・イタリアの地ワインであるバローロワインは、欧風料理との相性が抜群です。特に赤身の肉料理・トリュフ・チーズとの取り合わせは類を見ないほど。歴史的な経緯として、元々ジビエに代表される郷土料理と合わせるために濃厚な赤ワインが誕生したのです。

渋みや酸味の強いバローロワインも、料理と合わせて飲むことで一味違った味わいになります。またバローロワインを飲みながら食事することで、料理本来の味わいに気づくという相乗効果もあるのです。

「高級ワイン」といわれるバローロワインも実際のところは敷居が低く、約2千～1.5万円程度が相場です。当たり年のビンテージ品だと数万～数十万するものもありますが、市販品はリーズナブル。安いものなら1千円台で購入できます。また、勢いよく飲むビールとは異なり、時間をかけて少しずつ飲むのがバローロワインの流儀。相性のいい料理と合わせれば、いっそう味わい深くなります。

カスティリオーネ・ファレット村は州の東側に位置する小さな村です。ネッビオーロの産地として知られ、ランドマークであるファレット城から続く急斜面には、ネッビオーロのブドウ畑が広がっています。カスティリオーネ・ファレットのバローロワインは鉄分を多く含み、タンニンと酸味のバランスがいいのが特徴。香りのよさにも定評があります。

州の東部に位置するセッラルンガ・ダルバ村は、セッラルンガ山脈のふもとに広がる地域です。標高が高いため、昼夜の気温差が激しいのが特色。アルカリ性の泥炭に鉄分を多く含む土壌により、生産されるバローロワインは重厚なボディと強い酸味を伴う味わいに仕上がります。

州の東部に位置するモンフォルテ・ダルバ村は、気候が冷涼なことで知られています。ラ・モッラ村に次いで2 番目に広い作付面積があり、ブドウの土地柄としてはタンニンの強さが有名です。新旧の生産者が入り混じっており、また多彩な栽培方法と醸造方法を採り入れているため、バローロワインにもさまざまな特色があります。

州の西部に位置するラ・モッラ村は、州内のバローロワイン生産エリアの中でも最大面積を誇ります。この地域の土壌は約3000年前の中新世に構成されたもので、マンガン・マグネシウム・石灰が豊富。土壌の鉱石含有量が多いため、アドバンテージとして他の生産地よりも熟成が早いのが特色です。

「バローロワイン」の原点ともいうべきバローロ村は州の西部、標高310メートルにある位置する村です。この地域のバローロワインの特色はバランスが非常に多く、モンフォルテ村の力強さとラ・モッラ村の優美さが両方あると評されます。ミネラル分たっぷりの土壌で育ったブドウにより、香りが優雅で酸味の強い味わいに仕上がります。

バローロワインの熟成法は3種類に大別され、製法ごとに派閥分けされています。昔ながらの製法を重んじる「伝統派」は、長期マセラシオンと大樽を使った長期熟成が特徴。酸味と渋みの強いバローロワインを生み出します。

1980年代にはブルゴーニュ流製法を取り入れた「モダン派」が台頭。長期熟成を避け、若々しい果実味を伴うワインを手軽に造る動きが盛んになりました。現代では伝統派・モダン派両方の技術を採用した、「折衷派」と呼ばれる生産者も登場しています。

特にワインの品質がいい年を、業界用語で「当たり年」と呼びます。当たり年は原料であるブドウの出来のよさによって決まり、過去のデータによると1989・1990・1995・1996～2001・2004・2007・2009・2010年が当たり年といわれています。

特に出来がいいのは1996・2001・2010年で、1996年は長期熟成型として有名。2001年は糖分とタンニンが豊富です。パーフェクトといわれる2010年は、口当たりがよく上品な仕上がりになっています。

料理に対する間口の広さも、バローロワインの魅力です。白トリュフのようにパンチの効いた風味の料理ならば、辛みや酸味の強いバローロワインと合わせると相性抜群。一方で、芳醇で果実味豊かな品種を選んでも白トリュフの塩気と調和します。

白トリュフと並んでバローロワインと相性がいいのは赤身の肉料理です。特にローストビーフは、長期熟成したフルボディのバローロワインとマッチします。また、濃い目の味のチーズもお供として人気です。

「王の赤ワイン」「高級ワイン」と呼ばれるバローロワインも、決して一部マニアのための嗜好品ではありません。値段・品種・産地などのポイントを押さえれば、市販品でも満足できるものが見つかります。ぜひ本記事を参考に、憧れのバローロワインをご堪能ください。