デザートワインのおすすめ6選｜貴腐ワイン・アイスワインはカルディにある？

濃厚なブドウの香りとリッチな甘さが魅力のデザートワインが人気です。偶然出会ったデザートワインの贅沢な香味にハマる方が多い理由は、スイーツのようなフルーティーな甘さです。貴腐ワインやチョコにピッタリなアイスワインなど製法によっても異なり、初心者やあまりアルコールが飲めない方にも親やすい飲み口です。

もっと気軽に楽しみたいデザートワインですが、実は他のワインのようにコンビニなどでは販売されておらず、購入できる場所がわからない方も多いようです。また、さまざまな銘柄を比較するのも難しいといった声もあります。

そこで今回は、軽い甘さから極甘口・赤・白など多くのデザートワインの中からおすすめの銘柄や購入しやすい安いデザートワインなどを紹介します。また、カルディやスーパーなど購入できる実店舗や選び方なども解説するので、お気に入りの1本を見つけて自宅での時間を充実させてください。

デザートワインとは赤ワイン・白ワインのように明確な定義が存在するのではなく、甘口から極甘口のワインです。たとえば、イギリスでは食事中に料理とともに飲む甘口ワインを指し、アメリカならアルコール14％以上のワインをデザートワインと呼びます。

デザートワインには定義がないからこそ、豊富な銘柄があります。濃厚な甘さで高アルコールな銘柄や、軽い甘さで低アルコールなものなど、多くのバリエーションの中から好みに合わせて選べるのが魅力。ワイン初心者でも飲みやすく、スイーツ・おつまみ類と合わせやすい点でもおすすめです。

貴腐ワインは、ボトリティス・シネレアという菌（貴腐菌）を果皮につけた貴腐ブドウで造るワインです。貴腐菌の働きにより果実の水分を蒸発させて糖分を凝縮しているため、はちみつのように舌に残る濃厚な甘さとコクが特徴です。

貴腐ブドウは日差しや湿度に左右されやすい非常にデリケートな性質で、ごく限られた地域でのみ栽培・醸造される希少性が高いワインです。フランス・ボルドー地方のソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイが世界三大貴腐ワインとして知られています。

アイスワインはその名の通り、凍結したブドウで醸造する希少なワインです。ブドウの旬である秋に収穫せず、果実が凍結する厳寒期を待って仕込むため果汁の糖度が高くなります。こうして造られるアイスワインは、芳醇でもさっぱりした甘味が特徴です。

アイスワインは、ドイツやカナダ・オーストリアなどの寒冷地域でしか造れません。また、凍ったままのブドウを収穫から圧搾まで加工するには労力を要します。このような理由から、通常のワインと比較して6分の1程度しか生産されない希少なワインなのです。

ブドウの収穫時期を遅らせて造るデザートワインが遅摘みワインです。完熟したブドウを秋に収穫せず、木になったまま水分を蒸発させて、糖度が凝縮したブドウで仕込みます。すると、ブドウの果実本来の甘さとともに、華やかなアロマが溶け合う芳醇な香りのワインになるのです。

遅摘みワインにはアルコール度数が高い商品が多いですが、貴腐ワインやアイスワインよりもさっぱりとした味わいが魅力です。さっぱりでも旨味は凝縮しているのでお酒好きな方にもおすすめします。

ストローワインは干しブドウから造られるデザートワインで、強い甘みとアルコール度数の高さが特徴です。ストローとは「藁（わら）」のことで、完熟した甘いブドウを藁にのせて乾燥させ、水分だけが蒸発した干しブドウを原料としています。

ストローワインはブドウのストレートな味よりも、凝縮された甘みとクリーミーでまろやかな味わいが魅力です。よりコクが深いデザートワインを探している方におすすめで、長期保存できる銘柄もあります。

酒精強化ワインは、発酵中のワインにアルコール度数の高いブランデーなどを添加したワインです。アルコール度数が高いので保存性も抜群です。また、発酵が止まるので、甘口な仕上がりになります。よって、食前酒として飲まれる機会が多いワインです。

ソーテルヌは世界三大貴腐ワイン産地のひとつです。フランス南西部に位置するボルドーにある5つの村で形成され、貴腐ワインの原料となるセミヨンやソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデルといった品種のブドウを使ってデザートワインを醸造しています。

芳醇な花や果実を思わせるような香りとともに、はちみつのように重めの甘さを感じさせるのがソーテルヌの特徴です。ワイン愛好家からはこれ以上のデザートワインはない、と言われるほど人気のある産地になります。

トロッケンベーレンアウスレーゼも世界三大貴腐ワインのひとつです。デザートワインの原料として重用されるリースリング種のブドウは、世界の60％をドイツで栽培しています。そして、このトロッケンベーレンアウスレーゼこそが、ドイツの貴腐ブドウで造られた最高級の極甘口ワインなのです。

トロッケンベーレンアウスレーゼに使用されるブドウは非常に糖度が高いため、比較的アルコール度数が低いデザートワインが多いのも特徴です。

ハンガリー北東部のトカイ地方も世界三大貴腐ワインのひとつで、貴腐ワイン発祥の地とされています。この地方で造られるデザートワインの中でも、最高ランクの貴腐ブドウだけで醸造されるものがトカイ ナトゥール エッセンシアと呼ばれています。

他にも、糖分や熟成年数によって5プット・6プットなどと表記されるトカイ アスーは、貴腐ブドウと白ワインをブレンドして造られたデザートワインの名称です。いずれも極上の甘さと気品ある香りが特徴です。

カナダはアイスワインの名産地です。アイスワインはヨーロッパの寒冷地でも製造されていますが、カナダのアイスワインは品質を保つために厳正な規定があります。たとえば、原料であるブドウは樹上で自然凍結している、氷点下8℃以下の日が3日続いてから収穫するなどです。

カナダで造られるアイスワインを購入するときには、高品質が保証された「VQA」ラベルがあるものがおすすめです。凝縮した甘みと心地いい酸味のバランスが、カナダのアイスワインの特徴です。

北アフリカのモロッコ沖に位置するポルトガル領・マデイラは、世界4大酒精強化ワインの産地として有名です。マデイラで造られた酒精強化ワインである「マデイラワイン」は、独自の加熱処理を行っており、ブドウそのものの酸味と甘味がバランスがよく感じられ、芳醇な香りも引き出されています。

糖度が高いため、肉料理の風味付けや料理酒としての使用もおすすめです。もちろん、食後のデザートワインとしてもおいしくいただけます。

海外産に比べるとあまりメジャーではありませんが、日本有数のワイン産地・山梨でもおいしいアイスワインが製造されています。山梨県のワイナリーで偶然貴腐ぶどうができたのがきっかけで、1975年に日本初の貴腐ワイン醸造が始まりました。

山梨産の貴腐ワインは海外の評価も高く、「G7伊勢志摩サミット」でデザートワインとして提供されたほどです。今では、山梨のいくつものワイナリーで貴腐ワインが醸造されています。

ワインに使われているブドウにはさまざまな品種があり、以下の品種が有名です。

• シャルドネ
• リースリング
• ヴィダル・ブラン
• セミヨン
• ショイレーベ
• フクセルレーベ

品種によってその特徴はさまざまなので、お好みのものを見つけてください。

デザートワインには糖分を添加したものもあります。EUを中心に多くの地域ではワインに糖分を添加して甘くするのは禁止されていますが、日本で市販されている商品の中には糖分が添加されているものもあります。

糖分を添加したデザートワインは無添加のものと比べて安いため、低予算で楽しめるのがメリット。ただし自然な甘味を堪能するなら、添加物のないデザートワインがおすすめです。

デザートワインを最も美味しく飲むためには、飲む2時間ほど前に冷蔵庫へ入れて8℃程度に冷やしましょう。フルーツならではの爽やかな甘味をダイレクトに感じられ、ワインそのものをデザートとして楽しめます。

また、極甘口のものなら甘いデザートとの味のバランスが楽しめます。アイスやコンポートにとろりとかけて食べると絶妙。桃やチョコレートケーキもおいしさが倍増します。塩気とも相性がいいので、青カビチーズのようなおつまみと合わせるのもおすすめです。

デザートワインの保存はどうしたらいいのか、気になるはずです。まず、見開封の場合は20度以下の涼しい場所か、もしくは冷蔵庫での保存がおすすめです。特にデザートワインは太陽の光や温度が高いところが苦手なので、できるだけ涼しい場所に保存してください。

冷蔵庫で保存する場合は、できるだけドアポケットでの保存は避けるべきです。とはいえ、ワインボトルは高さがあるので、ドアポケットにしか入らない場合があります。その場合は、ドアポケットに保存しても問題ありません。

そして、開封後の保存方法は見開封と同じく冷蔵庫での保存がおすすめです。開封している場合は立てて保存し、擬似真空状態にできる道具があれば活用しましょう。開封後は数日から約1ヶ月ほどで飲みきるようにしましょう。

アイスワインを毎日気軽に楽しみたいのに、手に入れる方法がわからないといった声がよく聞かれます。確かに実店舗でアイスワインを見かける機会は少ないのが実情ですが、種類が充実した酒店やイオンなどの大型スーパーや成城石井でなら多少購入の機会はあります。

他にも、酒類を扱う大型家電量販店の酒コーナーや、カルディなど輸入商材を取り扱う店舗にもあるかもしれませんが、規模によっては在庫があるとは言い切れません。確実に購入するなら通販がおすすめです。

甘くてジューシーなブドウそのものよりも、さらに濃厚な味わいと芳醇な香りが楽しめるデザートワインを紹介しました。いろいろと飲み比べて自分のお気に入りの1本を見つけられれば最高です。食後のデザートがわりに、食前酒として、さらにチーズやフルーツとのおいしい出会いを見つけてください。