オシロスコープおすすめ10選｜評判やおすすめメーカーも紹介【OWON・RIGOL】

電気的な不具合が生じた時に、原因がわからず困った経験があるのではないでしょうか。電子回路の異常を正確に把握したい人におすすめなのが、オシロスコープです。デジタルマルチーメーターと異なり、電気信号の異常を的確に把握できます。

ただし、オシロスコープには多種多様な製品が存在し、デジタルマルチメーターよりも機能が充実しているので、製品選びで迷う人が多いです。そこで今回は、オシロスコープの選び方について、初心者にも分かるように詳しく説明します。

また、信頼性が高く、使い勝手のいいオシロスコープのおすすめ製品10選やOWON、RIGOL、SIGLENTなどのメーカーも紹介します。ぜひ本記事を最後まで読んで、操作性のいい多機能なオシロスコープを選び、電子工作をスムーズに行いましょう。

オシロスコープは電気の流れを見えるようにする計測器具です。電気の流れを波形で表し、電子回路の組み立て・商品開発に使用されます。プロだけでなく、家庭での電子工作にも使用できます。

電圧、周期、周波数などの情報を回路全体から計測できるという特徴があります。ラジオやオーディオを自分で作ったり、模型を作ったりとさまざまな局面で役に立ちます。

オシロスコープとマルチメーターの最大の相違点は、時間軸の有無です。時間軸のあるオシロスコープでは、現在値を計測するマルチメーターよりも、電気信号を正確に測定できます。ただし、ダイヤルが複数搭載されている機種が多く、操作が難しいのが欠点です。

複数の電気信号を測定できるオシロスコープの場合、大型の据え置きタイプの製品が多いです。そのため、電気信号の比較を行いたい人は、オシロスコープの設置スペースを考慮しましょう。

オシロスコープは、据え置きタイプとハンディタイプの2種類に大きく分けられます。オシロスコープのタイプによって、測定機能や価格が大きく異なるので、利用用途に合った種類の製品を選びましょう。

据え置きタイプのオシロスコープは、デスクに置いて計測を行うタイプの製品で、チャンネルが複数あるので信号比較を行えるのが特徴です。多機能で測定精度が高いので、電子工作や実験等の用途で使う人におすすめです。

チャンネル数や機能が多い分、ハンディタイプの製品に比べて操作が複雑なので、操作方法をしっかり理解する必要があります。また、本体価格も高額で、安い製品でも3万円程度かかるので、購入費用を抑えたい人には向いていません。

ハンディタイプのオシロスコープは価格がリーズナブルで、操作も単純で使いやすいので、初心者にもおすすめです。コードレスで携帯性にも優れているため、屋外でオシロスコープを使いたい人にも向いています。

ただし、チャンネル数が少なく測定精度も低いので、導通確認以外の用途では使いづらいのがデメリットです。本格的な電子工作や実験用途で使いたい人は、据え置き型のオシロスコープを選びましょう。

オシロスコープのチャンネルの数は、機種によって異なり、高価な製品になるほどチャンネル数が多くなる傾向にあります。外部トリガ（EXT）端子との見分けがしづらいので、購入前にチャンネル数を確認しておきましょう。

チャンネル数が1chのオシロスコープは、構造が単純なので安価で操作しやすいのがメリットです。また、ハンディタイプの製品が多く存在するので、携帯性を重視する人に向いています。しかし、電気信号の比較を行えない上に、チャンネル数も後で増やせないので、本格的な電子工作には不向きです。

2つのチャンネルを持ったオシロスコープは、波形の比較検討を行えるので、さまざまな用途で使えます。価格もリーズナブルなので、初めてオシロスコープを選ぶ人にもおすすめです。

据え置き型のオシロスコープでは、波形の解析を行いやすくするために、外部信号の判定を行うEXT（外部トリガ端子）と呼ばれる端子が付いたものがあります。

3ch以上のオシロスコープは多機能で計測精度が高いので、データの精度が重視される実験用途に最適です。しかし、2chのオシロスコープに比べると価格が高く、10万円以上するので手が届きづらいのが欠点です。2ch以下のオシロスコープに比べて、操作も複雑で使いづらく、上級者向けの製品といえます。

オシロスコープの基本性能には、周波数帯域とサンプルレートの2種類があります。どちらの性能も機種による格差が大きく、安物の製品だと桁違いに性能が低くなります。測定精度を重視する人は基本性能も考慮しましょう。

オシロスコープは周波数解析の演算的な制約により、周波数帯域の1/4程度しか正確に測定できません。また、製品によって周波数帯域が大きく異なるので、測定する周波数に対して余裕を持って選ぶ必要があります。

リモコンの信号確認や検電用途であれば、周波数帯域が20MHz以下のオシロスコープでも、問題なく測定可能です。電子工作や実験では電気信号を正確に計測する必要があるので、周波数帯域が50MHz以上の製品を選びましょう。

サンプルレートとは、1秒間のデータ計測回数を指し、単位はS/sで表されます。サンプルレートが高いほど、波形の解像度が上がるので、波形の解析を正確に行えます。

機種によってサンプルレートは大きく異なります。本格的な電子工作でオシロスコープを使う人は、1GS/s以上の測定頻度を持つ製品を選びましょう。

メモリ長は計測した波形を記録できる長さの事です。必要になるメモリ長はオシロスコープの表示する横軸とサンプルレートで計算されます。メモリ長＝オシロスコープの時間軸×サンプリングレートで計算できるので、必要なメモリ長を確認しましょう。

メモリ長がこれより短い場合横軸時間を増やすと取り込める波形が少なくなります。横軸時間が同じ場合でもメモリーが少ないとサンプリング速度が低下します。

オシロスコープの中には、オートセット機能やデータ保存機能などが搭載されているものがあります。上記の機能が搭載されていると、測定を行いやすくなるので、オシロスコープをよく使う人は計測機能もチェックしましょう。

オートセットボタンを押すと、電圧・電流や時間軸のスケールを、波形に応じて自動的に合わせてくれます。オートセット機能があると、オシロスコープの設定や操作を簡単に行えるので、初心者にはオートセットボタン付の製品がおすすめです。

ただし、特殊な波形を測定する時には、オートセット機能がうまく動作しないことがあります。オシロスコープの基本操作を理解して、自動計測機能に頼りきらないようにしましょう。

オシロスコープには、内部ストレージにデータを保存するだけでなく、USBデバイスにデータを保存できる製品が存在します。USBメモリに対応したオシロスコープであれば、データを共有したりパソコンに転送することが可能です。実験用途でオシロスコープを利用する方は、USB保存対応の製品を選びましょう。

テクトロニクスはアメリカのオシロスコープメーカーで、信頼性の高さで定評のあるメーカーです。製造国は中国ですが、5年間の長期保証が付いているので、壊れにくいオシロスコープを求めている人におすすめです。中華メーカーのオシロスコープと異なり、日本語の操作メニューが付いているので、英語が苦手でも安心して使えます。

OWONのオシロスコープは他のメーカーに比べて価格が安いので、購入費用を抑えたい人におすすめです。測定精度が高い上に、持ち運びやすく使い勝手がいいので、オシロスコープを初めて購入する人にも向いています。ただし、USBメモリやPCとの相性があり、最新の製品に対応していないのがデメリットです。

中国の電子計測器メーカーであるRIGOLは、商品のラインナップが幅広いのが特徴です。3万円台で買える格安の製品だけでなく、測定精度の高い20万円程度の製品も存在するので、高性能なオシロスコープを求めている方におすすめです。計測機能も充実しているので、本格的な電子工作を行う人にも向いています。

SIGLENTはオシロスコープの開発を始めた中国のメーカーです。日本のメーカーのものより安価に手に入るのでコスパがいいです。日本国内はsiglent japanでのサポートがあるので、日本語のマニュアルもあり安心です。

コスパ良くオシロスコープを手に入れたい方にはSIGLENTのオシロスコープがおすすめです。

日本のメーカーのオシロスコープが使いたいという方はテクシオテクノロジーのオシロスコープがおすすめです。こちらではデジタルオシロスコープも取り扱っています。50年以上の歴史があるので安心して使用できます。

自宅で使用する方だけでなく、仕事で使用したい方にもおすすめできるメーカーです。

コスパを重視したい方におすすめなのが、HANTECKのオシロスコープです。価格が安く基本的な機能は備わっているので、初心者の方や簡単な作業しかしない方に向いています。とりあえず試してみたいという方もこちらがおすすめです。

コスパ良く、基本的な機能だけでいいという方はHANTECKをチェックしてみてください。

日本を代表するメーカーのオシロスコープをお求めの方は岩通のオシロスコープがおすすめです。世界トップシェアの評判が高いメーカーですが、中国などの安価でオシロスコープを提供しているメーカーに負けないよう、安価で販売しているのが特徴です。

日本のメーカーなので信頼感があり、万が一の際のサポートも迅速なので、安心して使用できます。

オシロスコープは自分で作れます。手作りのキットをお探しの方は秋月電子通商をチェックしてみてください。こちらではオシロスコープの手作りキットを扱っています。さまざまな商品を扱っていますがキットは安価で購入できます。

手作りキットを安価に購入したい方は秋月電子通商がおすすめです。

測定機能が充実しているオシロスコープは操作方法が複雑なので、製品の使い方が分からず困っている人が多いです。今回は、オシロスコープの使い方も詳しく解説するので、うまく測定を行えない方は参考にしてください。

オシロスコープに関する専門用語を下記の表にまとめました。分からないことがある人は参考にしてください。

以下の6つの手順を踏まえることで、オシロスコープを使って測定できるようになります。オシロスコープの使い方がわからない人は、参考にしてください。

1. オシロスコープのプローブを接続する
2. コンセントに接続して電源を入れる
3. RUNボタンを押して測定を開始する
4. プローブの先端を計測部分に接続する
5. 基準線の位置を0に合わせる
6. 横軸と縦軸のスケールを調整する

電気信号の波形がうまく表示されない場合は、トリガーのダイヤルを回して調整しましょう。

オシロスコープはモニターが付いた商品が一般的ですが、PCに計測データを表示するタイプの製品も存在します。PCベースの商品であれば、データを転送する手間が省けるので、電気信号を手軽に解析したい人におすすめです。ただし、使い方を間違えるとPCが壊れる可能性があるので、購入前にプローブの操作方法を理解しましょう。

オシロスコープは、DIYで作れるキットが販売されています。オシロスコープは、テスターよりもだいぶ高額ですが、作成キットで自作すれば数千円程度でオシロスコープが手に入ります。そのため、DIYが好きな方なら作成キットでの自作もおすすめです。

電子工学の知識がなくても、作成していくうちに構造や原理を把握でき、おのずと知識も身につきます。

オシロスコープは機種によって測定精度や波形機能が大きく異なります。そのため、あまりに安価な製品では正確に電気信号を測定できないことも。ぜひ本記事で紹介したオシロスコープの選ぶポイントを押さえ、高性能なオシロスコープを活用しましょう。