【プロ用も】ヘッジトリマーおすすめ12選｜人気のマキタ・リョービ・危険性は？

庭木や生垣の形を整えたいとき、剪定バサミで1本ずつカットできますが、範囲が広いと時間も手間もかかって面倒ですよね。さらに高所での作業が必要な場合は、庭木用のハサミでは思うように作業が進みません。

そこで活躍するのが、広範囲の庭木をまとめて剪定でき、また草刈りにも使えるヘッジトリマーです。ヘッジトリマーには、高所作業向けのタイプや持ち運んで剪定しやすいタイプなど多くの種類があるため、用途にあった最適な機種を選ぶ必要があります。

この記事では、バリカンとの違い・ヘッジトリマーの選び方・おすすめ商品などを詳しくご紹介します。あわせて、ヘッジトリマーを安全に使うための正しい手順や手入れ方法についても解説するので、初心者の方もぜひ参考にしてください。

ヘッジトリマーとは、生垣や庭木を均一に刈り込むためのアイテムです。生垣バリカン・剪定バリカンとも呼ばれますが、名称が異なるだけで両者に明確な違いはありません。

公共の場所での使用はもちろん、近所からの見栄えが気になる場合は、家庭でも自分で庭木を剪定できるのが魅力です。電動式やエンジン式などの種類があり、慣れれば女性でも楽に扱えます。

軽量で持ち運びやすい充電式のコードレスタイプであれば、広い範囲でも剪定しやすく便利です。また、移動の際にコードの絡まりを気にする必要がないため、作業がストレスになりません。

1回の充電で稼働できる時間は30～60分ほどで、作業時間が長くなりそうな時は再充電したり、予備バッテリーを用意したりする必要があります。バッテリーを搭載している分、本体が重くなっている機種もあるため注意してください。

コードをコンセントに挿し込んで使うタイプは、充電の残量を気にせず使い続けられるのがメリットです。作業範囲はコードが届く距離のみに限られるものの、10mの延長コードが付属されている機種も多く販売されています。

バッテリーを搭載していないため、比較的安価で購入できる点も魅力です。また、充電式に比べパワーは勝っている傾向にありますが、稼働時にコードを巻き込まないよう気を付けて扱う必要があります。

燃料を補充しながらエンジンを動かすエンジン式は、主にプロが扱うタイプです。途中で燃料が切れても、補充するだけで長時間の作業が可能となり、さらにコードレスなので広範囲の剪定に向いています。

ただし、エンジンを積んでいる分重さがあり、小回りをきかせたい方には不向きです。さらに、音や振動が大きくなりやすいため、騒音による影響が少ない場所での使用に適しています。

片刃タイプは「生垣バリカン」とも呼ばれ、前方に向かって刈り込みを行えます。生垣の上部や庭木を均一に刈り込んで仕上げたいときに便利です。刃の後ろには、溜まった刈葉を受け止める集葉板(集草板)という大きめの板が搭載されています。

集葉板が付いていると、作業を終えたあとの片付けが楽なのが嬉しいポイントです。刃が長めで、広範囲をまとめて剪定しやすいため、プロの現場でも愛用されています。

両側が刃になっている両刃タイプは、前と後ろのどちらにも刈り込みを行えます。比較的軽量なモデルが多く、庭木の側面刈り込みや、玉散らし剪定(玉状に丸みを出す剪定)などの作業におすすめです。

集葉板はありませんが、刃渡り450～600mmほどの扱いやすいサイズがラインナップされています。また、作業箇所にあわせて角度を調整できるリアハンドルが付いており、より複雑な剪定にも対応できます。

ハンディタイプは、重心が安定しており手元での作業がしやすいため、初心者や力の弱い女性でも安心して扱えます。片手で使えるタイプもありますが、腕に負担をかけたくないのなら両手で使うタイプを選んでください。

ハンディタイプは軽い設計のものが多く、また刃のカバーが付いたモデルも販売されています。さらに、後述で解説する刈り込み幅の種類が豊富で、使用場所に適した刃の長さを選びやすいメリットもあります。

高所の枝切りや剪定などの作業をする場合は、ハンドルの長さを調整できるロングハンドルがおすすめです。製品によっては3m以上伸ばせるタイプもあるので、脚立を用意しなくても高所の作業を進められます。

ロングハンドルは手元の細かな作業には不向きですが、高所のほかに地面での作業でも役立ちます。立ったまま下草を刈れるできるため、腰をかがめて体に負担をかける心配がありません。

ロングハンドルタイプの中には、高所の剪定と手元の草刈りの両方に対応できる、1台2役・3役タイプがあります。刃を取り替えるだけでさまざまな場所を剪定できるため、作業効率を大幅に上げることが可能です。

さらに、1台で高所剪定・生垣剪定・手持ち枝切り・高枝切りを行える4WAYタイプも販売されています。

細かいスペースを刈りたい場合は、刈り込み幅が小さい200mm以下のヘッジトリマーがおすすめです。刈り込み幅が小さくなるほど本体は軽量になるため、細かい作業に集中しやすくなる利点もあります。刈り込み幅が200mm以下のモデルはハンディタイプに多く、ヘッジトリマーに不慣れな方でも扱いやすいです。

ヘッジトリマーの刃の長さは、100mm程度の短いものから700mmの長いものまで販売されています。広範囲を一気に剪定したい場合は、350mmを基準として500mm以上の製品を選ぶのがおすすめです。

200mm以下のタイプとは逆に、刈り込み幅が大きくなるほど本体は重くなります。そのため、初心者や女性が扱う場合には、余裕を持って操作できる重さなのかどうかよく確認してください。

スピード切替機能が搭載されていれば、作業にあわせてストローク数を順番に切り替えが可能です。ストローク数を上げれば広範囲をまとめて刈れるので、作業時間を短縮できます。

逆に狭い範囲を剪定したい場合は、ストローク数を下げて丁寧に仕上げられるのがメリットです。このように、作業場所や剪定範囲に応じてスピード切替機能を活用すれば、効率的に剪定できます。

剪定作業は屋外で行うことが多いため、突然の雨に見舞われることもあります。そんなときは、水に強い防滴機能付きのヘッジトリマーを使えば問題ありません。また、砂埃が多く舞う環境で作業する場合は、防塵機能が付いたタイプであれば故障を気にせず使用できます。

使う環境に左右されたくない方は、防滴・防水機能を参考にヘッジトリマーを選んでください。

ヘッジトリマーを稼働させると刃が振動するため、長時間作業を続けると体への負担が大きくなります。できるだけ体への負担を軽減したいなら、振動を抑えた低振動設計の製品がおすすめです。

また、持ち手部分にラバーグリップを採用したタイプであれば、快適な握り心地で振動も軽減されるので、さらに作業しやすくなります。

閑静な住宅街でヘッジトリマー使用する場合は、近所への騒音が気になる方も多いです。住宅街でヘッジトリマーを長時間使用するのであれば、静音設計や低騒音モデルを選びましょう。

中には、通常の1/3ほどに音を軽減させたタイプもあります。また、静音設計や低騒音モデルは、同時に低振動機能を備えているタイプも多いため、作業時の疲労を大幅に軽減できます。

リョービはダイカスト(高い精度の金型鋳造法)製品をはじめ、電動工具・建築用品・印刷機器など幅広く手掛けているメーカーです。現在は自動車関連のダイカストパーツが主要品目で、国内メーカーだけでなく海外メーカーとも取引を行っています。

リョービでは、家庭用とプロ用のヘッジトリマーを販売しており、刃の位置調整ができる機能や低振動を備えた製品などがあります。

マキタは国内最大手の電動工具メーカーとして、国内で約60%のシェアを占めています。国内に19ヶ所の支店と114ヶ所の営業所を持ち、海外40ヶ国以上にも営業拠点を構える世界的企業です。マキタでは、二重構造による低振動設計モデルや、ノイズを約40%軽減させた静音設計モデル、さらにはプロ仕様のエンジン式など、幅広い種類のヘッジトリマーを販売しています。

ゼノアは農林造園業機械・産業機械・建設関連機器などを扱う総合機械メーカーです。ISO9001とISO14001の認定や、数多くの商品分野でのトップシェア獲得など、優れた功績をいくつも残しています。ゼノアのヘッジトリマーは、食い込み力や耐久性が安定したスタンダードタイプから軽量に特化したモデルまで、豊富なバリエーションが揃っています。

刃が高速で動くヘッジトリマーは、作動中うっかり刃に触れてしまうと大怪我に繋がります。実際に指を大怪我する事故は多いので、使用する際はヘッジトリマーの危険性をしっかりと理解し、安全に使用するよう心がけてください。

また、切断する際にカットした木や枝が飛び散るので、顔を保護する後ゴーグルや体を保護する保護具なども使用しましょう。

ヘッジトリマーで剪定すると、木くずや枝葉が飛び散って怪我をする危険があるので、ゴーグルと防刃グローブを着用しましょう。スムーズに稼働させるため刃に潤滑油を塗っておき、作業中も1時間に1回程度塗ると効果的です。

ヘッジトリマーでの切断が難しそうな太い枝は、あらかじめノコギリや剪定バサミでカットしてください。また、生垣の高さをきれいに揃えるため、高さの目印としてロープを張っておくと作業を進めやすいです。

刃先を少し下げながら進行方向に対し斜めに傾け、そのまま水平にゆっくりと刈り込みます。あまり早く動かすと剪定面が乱れるので、3～4秒かけて1mを進むペースで行ってください。目印のロープを準備しておけば、ロープに沿って動かしやすいです。

生垣の側面を垂直に刈り込む際には、下から上に向かって刃をゆっくり動かします。本体を垂直状態にしたまま刈り込んでいき、万が一金属を巻き込んでしまったときは、すぐに作業を中断して電源を落としてください。

ここでは、ヘッジトリマーとあわせて使うことで、より作業がはかどる便利グッズを紹介します。生垣や庭木を美しく仕上げるためには欠かせないものなので、ぜひ参考にしてください。

• 芽切鋏…使いやすい定番の鋏。小枝や細かい部分の剪定に便利。
• 刈込鋏…庭木の剪定に使う大きな鋏。太い枝のカットに使える。
• ガーデンクリーナー…刈った枝葉をほうきのように集める園芸用品。落ち葉の季節にも使える。
• 角型袋…自立タイプの角型バッグで、刈った枝葉を一気に収納できる。普段は畳んで持ち運べる。

剪定作業後にヘッジトリマーの刃をそのまま放置しておくと、錆びが発生し切れ味の劣化を招きます。前述で解説したように、作業前・作業中にも油を塗布し、使用後は以下の手順でメンテナンスを行ってください。

1. ワイヤブラシといった硬めのブラシで表面の汚れを落とす。
2. ウエスやタオルで表面をよく拭き取る。
3. スプレー式潤滑油・機械油・自転車油など、粘度が低い油を適量塗布する。
4. カバーを取り付けて保管する。

刃の切れ味が悪くなったり刃が欠けたりしたら、取扱説明書を確認しながら刃を交換しましょう。大まかな手順は以下のとおりです。

1. ヘッジトリマーを裏返し、ネジを外して刃を取り外す。
2. 駆動部の汚れを取り除き油を塗布する。
3. ギヤやワッシャーが正しく取り付けられているか確認する。
4. 新しい刃の上刃と下刃の中心をあわせ、本体に取り付ける。

自分で交換する自信がない方は、メーカーや購入店舗に持ち込む方法もあります。

ヘッジトリマーが動かなくなったときは、刃や部品の取り付け方が間違っている可能性があるので、内部の状態を確認しましょう。また、樹液が付着し動作が悪くなっていたり、異物が挟まっていたりすることも考えられます。

これらを確かめるためには、まず電源を落とし刃の調節ネジを回してブレードを動かします。異物があった場合はペンチを使って取り除いてください。汚れは硬めのブラシでこすり落としますが、刃で怪我をしないよう十分な注意が必要です。

1. 電源を落とし刃の調節ネジを回しブレードを動かす
2. 異物はペンチで取り除く
3. 汚れは硬めのブラシで擦り落とす

ヘッジトリマーで対応できる枝の太さは、大体10mm程度です。10mm以上の太い枝にヘッジトリマーを使うと、スムーズに切れなかった、引っかかって刃に負担をかけたりする可能性があります。10mm以上の太い枝には、ヘッジトリマーではなくノコギリやチェーンソーを使いましょう。

ヘッジトリマーは、コメリやカインズなどのホームセンターでも取り扱いがあります。商品を実際に見てから購入したい方は、近くのホームセンターをチェックしてみてください。近くでヘッジトリマーを扱うお店がない場合は、Amazonや楽天などの通販でも購入可能です。

ヘッジトリマーはどれを選ぶかによって、刃の性能・動力・使い勝手の良さなどが大幅に変わり、作業効率にも影響します。ぜひ使用場所にあったヘッジトリマーを見つけて、体への負担を減らしながら楽しくガーデニングを行ってください。