グラッパおすすめ銘柄7選｜おすすめの飲み方も紹介

日本ではさまざまな種類の海外のお酒を飲んだり購入したりすることができます。ビール・ウイスキー・ワインがその代表格ですが、それぞれのお酒にもさらに多数の種類が存在します。「グラッパ」もその1つです。

グラッパとはイタリア産の蒸留酒です。イタリア料理店で飲む機会はあるものの、あまり日本では馴染みがないかもしれません。しかし、現地イタリアでは定番の食後酒として愛されています。

今回は、そんなグラッパの基本的な知識やグラッパを選ぶ際のポイントを紹介。さらに、おすすめの銘柄7選やおすすめの飲み方について解説します。「これからグラッパを飲んでみたい」「もっとおいしい飲み方を知りたい」という方はぜひ参考にしてください。

「グラッパという名前は聞いたことはあるけれど、飲んだことがない」という人も多いのではないでしょうか。まずは、グラッパの味や特長についての基本的な情報、よく似たお酒であるブランデーとの違いなどを解説します。

グラッパはぶどうを原料として作られる蒸留酒の一種です。イタリアでは食後にゆっくりと楽しむ食後酒として一般的なお酒で、蒸留酒という意味ではブランデーに近いです。「グラッパ」と名乗れるのはイタリア産、かつワインの絞りかすを100％使用して蒸留したもののみになります。

そのため、イタリア以外で作られたものや水や糖分を加えたものはグラッパとは名乗れません。なお、フランスで作られた同様の蒸留酒は「マール」と呼ばれています。

グラッパと同じ蒸留酒であるブランデーもぶどうを原料としているので、グラッパに近いお酒です。しかし、イタリア産か否かという違いだけではなく、グラッパとブランデーには以下に挙げる大きな違いがあります。

グラッパもブランデーも原料がぶどうという共通点がありますが、使用するぶどうの状態が異なります。ブランデーは主に「白ぶどう」から作られたワインが原料ですが、グラッパはワインを絞った後の「ぶどうの絞りかす」のみが原料です。

また、ブランデーの原料が白ぶどうであるのに対し、グラッパは白ぶどうだけではなく黒ぶどうからも作られるので、使用されるぶどうの種類も異なります。

ブランデーは蒸留方法が定められているので、どの銘柄でもアルコール度数はほぼ一定です。一方、グラッパは統一された蒸留方法がなく、作り手によって方法が異なること、原料の絞りかすが統一されていないことからアルコール度数に幅があるという点がブランデーと大きく異なります。

ブランデーのアルコール度数が40～45度なのに対し、グラッパは30～60度と度数の幅が広いのが特徴です。

イタリアでは定番のお酒として庶民にも親しまれているグラッパですが、日本では輸入時のコストが上乗せされるため若干価格は高くなります。一般的な価格は700mlで3,000円前後ですが、安いものであれば同じサイズで2,000円前後から購入可能です。

グラッパはアルコール度数の幅が広く、銘柄によって度数が大きく異なることがあります。平均すると40度前後のものが多く見られますが、初めてグラッパを飲むのであれば、30度台程度の低めの度数がおすすめです。カクテルベースとしてグラッパを楽しむ場合は、強めの度数を選ぶとグラッパの味わいを楽しみやすくなります。

グラッパの熟成期間は銘柄などにより大きく異なり、熟成されていないグラッパの方が一般的です。熟成されていないグラッパは無色透明ですっきりとした味わいですが、初めて飲む人にとってはストレートでは飲みにくいといわれています。

グラッパは色も熟成すると琥珀色となり、熟成期間が長くなるほど価格も上がります。しかし、その分まろやかで果実の香りあふれる口当たりのいい味が楽しめるので、初めて飲むグラッパは、熟成タイプのものがおすすめです。

グラッパのボトルは銘柄によって個性的なデザインが多く、ボトルデザインだけで選ぶこともできます。シンプルなワインのようなスレンダーなボトルのほか、他のお酒ではなかなか見つからない個性的でスタイリッシュなデザインのボトルも見つかります。グラッパを選ぶ際に味や銘柄などで迷っているなら、ボトルデザインだけで選ぶのも1つの方法です。

イタリア各地にグラッパの蒸留所があるので、蒸溜所でグラッパを選ぶことも可能です。 多数ある蒸溜所の中でも、長い歴史を持つことで知られるのが、ピエモンテ州にある「シボーナ」です。ピエモンテ州最古の蒸溜所であることを示す蒸溜ライセンス「No.1」の称号を持つシボーナのグラッパはすべて熟練の職人による手作りで、単一ぶどう種のみで作られています。

グラッパをおいしく飲むための適温は、熟成度により変わります。熟成期間が短いグラッパは10度から15度くらい、熟成期間が長いグラッパは16度～20度が適温です。ストレートで香りを楽しみながら飲んだりカクテルにして飲んだりさまざまな飲み方があります。本場イタリアのようにエスプレッソで飲むのもおすすめです。

ぶどうの絞りかすのみを原料として作るグラッパは、ぶどうのフルーティーな味わいが楽しめるお酒です。そのため、グラッパの産地であるイタリアではグラッパはストレートでそのまま味わうのが基本です。まずはグラッパを味わうためにストレートで飲んでみましょう。

グラッパはアルコール度数が高めであるため、イタリアでは食後酒としてゆっくりと楽しむのが習慣となっています。

アルコール度数が強いグラッパは、氷を入れてオンザロックとしてゆっくりと楽しむお酒としても適しています。大きめの氷を入れたグラスにグラッパを注ぎ、徐々に溶けていく氷とともにグラッパを味わいましょう。時間が経過するにつれて氷が溶けていき、グラッパの味わいも時間とともに少しずつ変わっていくのが楽しめます。

グラッパの産地であるイタリアは、エスプレッソの本場でもあります。「カフェ・コレット」とは、エスプレッソに少量のグラッパと砂糖を加えたものです。砂糖を多くすると甘めに調整できるので、好みの味に調整可能です。

また、イタリアではカフェ・コレットとはエスプレッソにお酒を加えたカクテルの総称です。そのため、グラッパ以外のお酒が用いられることもあります。

「レゼンティン」はヴェネト州発祥の飲み方で、砂糖をたっぷり入れたエスプレッソを飲み終えた後のカップにグラッパを注いでかき混ぜるという、食後に楽しむ飲み方です。カップの底に残った溶け残りの砂糖にはエスプレッソの香りが残っており、グラッパと混ぜることでより深い風味と香りが楽しめます。イタリア料理を楽しんだ後に試したい方法です。

グラッパを飲むときに使われるグラスは少し変わった形をしています。くびれのあるグラスで、少量ずつ飲めるのでアルコールの強い味わいを抑えてくれます。また、容量が小さいので香りが逃げにくく最後まで香りを楽しめるのもポイントです。

グラッパはストレートでもそのままおいしく味わえるお酒ですが、カクテルやエスプレッソとのアレンジでも違った味わいが楽しめます。また、ワインなど他のお酒よりもボトルデザインのバリエーションが多く、見ても楽しめるお酒です。熟成期間やぶどうの品種によっても味はまったく異なるので、さまざまな銘柄と味わい方でグラッパを楽しみましょう。